今回ご紹介する言葉は、熟語の「担保(たんぽ)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「担保」をざっくり言うと……
読み方 | 担保(たんぽ) |
---|---|
意味 | 売買や貸借などの取引における抵当のこと。債務の弁済を保障するもの。 |
語源 | 「引き受ける。責任をもつ。」と「うけあう。あずかりおく。」という意味の漢字から |
類義語 | 保障、保証など |
英語訳 | secure(担保する) |
「担保」の意味をスッキリ理解!
「担保」の意味を詳しく
「担保」には、以下の3つの意味があります。
- 将来生じるかもしれない不利益に対して、それを補うことを保証すること、または保証するもの。
- 債務者が債務を履行しない場合に備えて債権者に提供され、債権の弁済を確保する手段となるもの。
- (特に、物品などの形 (かた) を取らないで)その事を保証するもの。
上記のように、「担保」という言葉は、本来は売買や貸借などの取引における抵当のことであり、債務の弁済を保障するものを指す法律用語です。
しかし近年、一般的な会話やビジネス系の記事などで「担保する」という表現がされるようになりました。このとき、「担保する」は将来に備えて準備することという意味合いで使用されます。
「担保」の使い方
上で述べたように、「担保」は近年では売買や貸借などの取引における抵当だけでなく、一般的な会話やビジネスにおいて使用されることが増えました。
以下ではそれぞれのシーン別の「担保」の例文を紹介します。
取引における抵当
担保が必要な借り入れとして代表的なのが、マイホームを購入する時に利用する「住宅ローン」や、その他の不動産を購入する時に利用する「不動産担保ローン」です。
この場合、物的担保と人的担保があります。それぞれの意味は以下の通りです。
- 不動産や土地、株券や国債等の有価証券など、債務者が所有している財産を担保にします。たとえば、マイホームを購入した際に、その建物や土地が担保となる場合が、これにあたります。
- 債務者が返済できなくなった場合、契約で定めた第三者が代わりに借金を返済することを意味します。「保証人」や「連帯保証人」が人的担保にあたります。
例文は以下の通りです。
- 不動産を担保とする金融商品を販売する。
一般的な会話
例文は以下の通りです。
- 持続可能な社会を担保するためには国際的な共通ルールが必要だ。
ビジネスシーン
例文は以下の通りです。
- 経営の独立性を担保するための合意文書を作成した。
「担保」の語源
「担保」を構成する漢字は以下の通りです。
- 担:引き受ける。責任をもつ。
- 保:うけあう。あずかりおく。
「担保」の類義語
「担保」には以下のような類義語があります。
- 保障:ある状態が損なわれることのないように、保護して守ること。
- 保証:債務者が債務を履行しない場合に、代わって債権者に債務を履行する義務を負うこと。
障害が起こらないように手段を講じることが「保障」で、確かだと請け合うことが「保証」です。
保障と保証の違いについては以下の記事で詳しく解説しています。
それぞれの例文は以下の通りです。
- 国外からの攻撃や侵略から自国の安全を守る安全保障がある。
配偶者の身元の保証人になる。
「担保」の英語訳
「担保」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- secure
(担保する)
上記は、「保障する」という意味の英語表現になります。
債務の弁済を保障する「抵当」の意味での「担保」は “security” を使いましょう。
まとめ
以上、この記事では「担保」について解説しました。
読み方 | 担保(たんぽ) |
---|---|
意味 | 売買や貸借などの取引における抵当のこと。債務の弁済を保障するもの。 |
語源 | 「引き受ける。責任をもつ。」と「うけあう。あずかりおく。」という意味の漢字から |
類義語 | 保障、保証など |
英語訳 | secure(担保する) |
近年、ビジネスシーンにおいてよく耳にする言葉だと思います。本来の意味から広く捉えた表現になるため、使い方には注意しましょう。