今回ご紹介する言葉は、熟語の「饒舌(じょうぜつ)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「饒舌」をざっくり言うと……
読み方 | 饒舌(じょうぜつ) |
---|---|
意味 | 口数がやたらと多いこと |
類義語 | おしゃべり、口まめ、多弁 |
対義語 | 無口、寡黙、緘黙 |
英語訳 | garrulity(おしゃべり) |
「饒舌」の意味をスッキリ理解!
「饒舌」の意味を詳しく
「饒舌」とは、口数がやたらと多いことです。暗に、しゃべりすぎてうるさい、というネガティブな意味を指すこともあります。
- 饒:「ゆたか」「十分にある」
- 舌:「ことば」
「饒舌」の使い方
- いつもはあんまり自分から話をしないのに、今日は饒舌だね。
- 酔って饒舌になった姉は、飲み会が終わっても一人でしゃべり続けていた。
- 残念ながら、饒舌な人はあまり好きじゃないんだ。
上記の例文のように、「饒舌」は「饒舌だ」「饒舌になる」など、人のしゃべり具合の状態として使われます。
①の例文では、普段はおとなしい相手がその日に限ってよくしゃべることを「饒舌だ」と表現しています。
②の例文では、お酒を飲んだことにより、普段よりもさらによくしゃべるようになったことを「饒舌」としています。
③の例文では、ぺらぺらとよくしゃべる相手に対し、嫌悪感を示しています。
①と②の例文ではどちらも、「普段よりもよくしゃべる」という文脈で「饒舌」という言葉が使われています。一方で③は、その人のもともとの性質を表す言葉として「饒舌」が使われています。
その人の中でもよくしゃべる場合と、性格的に元から口数が多い場合のどちらも「饒舌」という言葉が使えるのです。
「饒舌」の類義語
饒舌には以下のような類義語があります。
- おしゃべり:口数が多かったり口が軽かったりする人
- 口まめ:口数が多かったり口が軽かったりする人
- 多弁:口数が多くよくしゃべること
「おしゃべり」「多弁」「口まめ」は、「口数が多い」という意味で「饒舌」と共通します。
「おしゃべり」「口まめ」は、よくしゃべる人や、よくしゃべるあまり口が軽くなってしまう人のことを指します。
単に「よくしゃべる方の人である」という性質を表す場合も多いですが、一方でネガティブな文脈で使われることもあります。「口が軽い」というニュアンスは「饒舌」にはあまりないので、使い分けに注意しましょう。
「多弁」は、「饒舌多弁」という四字熟語で「饒舌」とともに使われるように、ほとんど「饒舌」と意味が変わりません。
ただし、「口数の多い人に有能な人はいない」という意味の「多弁能無し」という言葉があります。これに対し「饒舌能無し」と表現することはありません。この例のように、表現によってはどちらかしか使えないという場合があるので注意しましょう。
- 多弁能無し:よくしゃべる人間に限って、口先ばかりで役に立たないこと
「饒舌」の対義語
饒舌には以下のような対義語があります。
- 無口:口数が少なくほとんどしゃべらないこと
- 寡黙(かもく):口数が少なくあまりしゃべらないこと
- 緘黙(かんもく):口を閉じて黙ること
- 朴訥(ぼくとつ):口数が少ないこと
「無口」「寡黙」はどちらも人の性格や性質として口数が少ないことを表すことができます。
「無口」と「寡黙」はほとんど意味が変わりませんが、「無」に対し「寡」という字には「少ない」という意味があるので、「無口」はまったく話さない、「寡黙」は少しは話すことがあるというイメージで使い分けられます。
一方で、「緘黙」は本人の性格に関わらず、その場で話をしないということです。心理的な疾患の反応として話ができない、発声できないという場合にも使われます。
「饒舌」の英語訳
饒舌を英語に訳すと、次のような表現になります。
- garrulity
(おしゃべり) - great talker
(よくしゃべる人)
garrulityは、その人の性格として「おしゃべりである」という意味になる英単語です。もともと口数が多い場合に使えます。
また、「おしゃべりな人」という意味の “great talker” も使いやすい表現になります。
まとめ
以上、この記事では「饒舌」について解説しました。
読み方 | 饒舌(じょうぜつ) |
---|---|
意味 | 口数がやたらと多いこと |
類義語 | おしゃべり、口まめ、多弁 |
対義語 | 無口、寡黙、緘黙 |
英語訳 | garrulity(おしゃべり) |
「饒舌」は見慣れない漢字が使われる言葉ですが、意味自体はそこまで難しくありません。しっかりと意味を覚えて使えるようにしましょう。