今回ご紹介する言葉は、熟語の「喪失感(そうしつかん)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「喪失感」をざっくり言うと……
読み方 | 喪失感(そうしつかん) |
---|---|
意味 | 何かを失った時の悲痛な心境 |
語源 | 「喪失」と「感」の組み合わせから |
類義語 | 虚無感、空虚感、欠落感、空白感 |
対義語 | 取得、獲得 |
英語訳 | feeling of loss、sence of loss |
「喪失感」の意味をスッキリ理解!
「喪失感」の意味を詳しく
「喪失感」は、自分の大切なものを失った時の空っぽな気持ち意味しています。心に何もなくなったような「悲痛な思い」「切なく辛い感覚」を表しています。
「喪失感」を伴うと、ものごとや他人など全てに対して無気力になります。何をするにも面倒になり、やる気が起きなくなってしまうのが「喪失感」を抱いたときに見られる兆候です。
喪失感のもとになる3つ感情
「喪失感」は「泣く・憂鬱になる」という精神症状のほかに、「食欲不振・睡眠障害」などの身体症状としても現れます。
これら喪失感のもとになるのは3つ感情が大きく影響しています。
- 自分を責める感情
- 他人を責める感情
- 失った人を責める感情
「あの時もっとこうしていればよかった」「なんであんな態度を取ったんだろう」と自分を責めることで自分を責めて自己嫌悪に陥ってしまうことが「虚無感」を生む1つの要因です。自分自身を責めすぎず、前向きに考える事が大切です。
②のように「他人の行為や言動を責めること」も「虚無感」に大きく影響してきます。他人を責めたことの反動で、自分自身の心も空っぽになってしまいます。
③のように「失ってしまった人を責める感情」も「虚無感」を感じる要因です。
「大切な人を失った」という事実にショックを受けるだけでなく、「どうして私を残していなくなってしまったんだろう」と失った人を責める気持ちが、より一層「喪失感」を大きくします。
「喪失感」の使い方
「喪失感」は個人的な感情の要素が関わってくるため、「喪失感」を覚える瞬間や要因は人それぞれです。
- 仕事の頑張りが評価されず喪失感を覚える。
- 長年付き合っていた彼女に振られ、しばらく喪失感に苛まれた。
- 大好きだった祖母が死んでしまい喪失感に苛まれた
- 大学を卒業し喪失感に襲われた。
①のように、仕事が思い通りに進まない時や、自分の存在が評価されない時に「自分はいらない存在なのではないか」と「虚無感」を抱くことがあります。社会に出ると遭遇することの多い要因です。
②のように、心の距離が他人よりも近づいていた恋人から振られてしまったことで、切なさや虚しさから「喪失感」に悩まされることが多くあります。
③のように、いつまでも会えると思っていた相手と、2度と会えなくなると知った時に「喪失感」を感じます。特に家族や友人など、身近な人がなくなると大きなショックを受けます。人が亡くなる場面は、数多くの人が喪失感を覚える瞬間です。
④のように、学校を卒業し新しい環境に飛び出す場面で、人は「喪失感」を感じやすくなります。当たり前だった日常や、身近にいる人の変化が大きく影響しています。
「喪失感」の語源
「喪失」には「なくす・失う」という意味があります。「感」は「気持ち」「沸き起こる思い」を意味しています。
この2つが組み合わさり「喪失感」という言葉が生まれました。
「喪失感」の類義語
喪失感には以下のような類義語があります。
- 虚無感:すべてが空しく感じること・何事にも意味や価値が感じられないような感覚
- 空虚感:虚しく感じてしまう感情
- 欠落感:必要な部分が欠け落ちること、あるべきものが抜けていること
- 空白感:心を占めるものが何もなく、空しい状態
「虚無感」は、「ものごとに意味や価値を感じることができず、全てが虚しく感じられること」を意味します。自分に対して、存在意義を見出すことができなかったり、生きていることが自体が無意味であるように感じられる時に使われる表現の一つです。
「空虚感」は、「心がカラッポで穴が空いたような感覚」を指します。「喪失感」と同様で「空虚感」を感じるとやる気がなくなったり、無気力になります。
「欠落感」は、「本来あるべきものが欠落し、必要な部分が欠けていること」を指します。「欠落感」を感じていると達成感や満足感を得ることが難しくなります。
「空白感」は、その言葉の通り「心の中に穴が開き、真っ白な状態になること」を指します。心の中に占めるものがない空しい感情を表す際に使用される言葉です。
「喪失感」の対義語
喪失感には以下のような対義語があります。
- 取得:自分の所有とすること・手に入れること
- 獲得:努力して手に入れること
「喪失感」の英語訳
喪失感を英語に訳すと、次のような表現になります。
- feeling of loss
(気持ちを失うこと) - sense of loss
(感覚を失うこと)
「気持ち」を意味する “feeling” 、「感覚」を意味する “sense” に「失う」という意味の “loss” を続けることによって「感覚や気持ちを失うこと」を表します。
- I sometimes get a feeling of loss.
(時々、喪失感に襲われることがある。)
- I have got a sense of loss since I left home.
(実家を出てから、喪失感を覚えるようになった。)
まとめ
以上、この記事では「喪失感」について解説しました。
読み方 | 喪失感(そうしつかん) |
---|---|
意味 | 何かを失った時の悲痛な心境 |
語源 | 「喪失」と「感」の組み合わせから |
類義語 | 虚無感、空虚感、欠落感、空白感 |
対義語 | 取得、獲得 |
英語訳 | feeling of loss、sence of loss |
「喪失感」はネガティブな表現で使用することが多いため、よいイメージを持つ人は少ないでしょう。
また、「虚無感」や「空虚感」など、「喪失感」と似たニュアンスを持つ熟語は多く存在しています。使用場面をしっかりと考え使い分けていきましょう。