今回ご紹介する言葉は、熟語の「参照(さんしょう)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「参照」をざっくり言うと……
読み方 | 参照(さんしょう) |
---|---|
意味 | 照らし合わせて参考にすること |
語源 | 「ひき比べる」「照らし合わせる」という意味の漢字から |
類義語 | 引合、引照、参酌など |
英語訳 | reference |
「参照」の意味をスッキリ理解!
「参照」の意味を詳しく
「参照」は、照らし合わせて参考にすることという意味です。
ただ見るのではなく、2つ以上のものを比べ合わせて理解することです。
「参照」は目で見て確認することができる資料やデータに使うことができます。音声などには使わないので注意しましょう。
「参照」の使い方
- 詳細につきましては、資料をご参照ください。
- 昨年度のデータを参照しました。
- 表1を参照のこと。
「参照」は、「参照する」の形で用いられることが最も多いです。
「参照する」の敬語表現は、「ご参照ください」です。ビジネスシーンでは取引先や上司などの目上の人に、照らし合わせて見てもらいたいことを伝える場合に用います。
ただし、「ご参照してください」は誤用であるため、注意しましょう。「ご〜する」は謙譲の表現であるため、相手の行為に対して用いるのは誤りです。「ください」という丁寧語を付け加えている点からも、二重敬語になっており、文法的に不適切と言えます。
ビジネスにおいて、「参照」がよく使われるシーンはプレゼンテーションであると考えられます。プレゼンテーションで発表をする際に、資料を事前に配布することで口頭だけでは理解しにくい箇所が説明しやすくなります。①の例文のような使い方は、まさにその典型例と言えます。
形式的な文章では、③の例文のように「〜を参照のこと」という表現が用いられます。意味合いとしては、「参照してください」と同じになります。
また、「参照項目」という熟語が存在します。これは「参照するべき項目があること」という意味です。何かを考えるに当たって「参照」しなければ結論が見えてこない場面で使います。
IT業界では「参照」は「リファレンス」と呼ばれ、プログラミングなどで使われます。
「参照」の語源
「参照」を構成する漢字の意味は、それぞれ以下の通りです。
- 参:ひき比べる、調べる
- 照:照らし合わせる
ここから「参照」は比較して照らし合わせるという意味で使われるようになりました。
「参照」の類義語
「参照」には以下のような類義語があります。
- 引合(ひきあい):比べ合わせるために、他の事例を引くこと
- 引照(いんしょう):調べて照合すること
- 参酌(さんしゃく):他のものを参考にして長所を取り入れること
- 出典:故事・成語・引用句などの出どころである文献、書物
「参照」と似た意味を持つが、区別する必要がある熟語の意味を以下に紹介します。
- 参考:自分の考えを決める手がかりにすること、その材料
- 引用:自分の論を説明するために他の文章を引くこと
- 転載:他人の文章や事例を自分の文章の中に載せること
最も「参照」との違いがわかりにくい「参考」について説明します。
「参照」はデータや資料などの目に見えるものを照らし合わせて結果を導くことを意味するのに対し、「参考」は目に見えるものに限らず、人から聞いた話などを取り入れて、結果を導くための材料にすることを意味します。
似ているようで少し意味が異なるために、ここでは類義語ではなく、区別する必要がある言葉として紹介しました。
「参照」の英語訳
「参照」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- reference
「参照する」は”refer to~”の形で表現されます。
以下が例文です。
(詳しい手順については次ページをご覧ください。)
まとめ
以上、この記事では「参照」について解説しました。
読み方 | 参照(さんしょう) |
---|---|
意味 | 照らし合わせて参考にすること |
語源 | 「ひき比べる」「照らし合わせる」という意味の漢字から |
類義語 | 引合、引照、参酌など |
英語訳 | reference |
「参照」は会議やプレゼンなどのビジネスシーンで用いられるだけでなく、論文やレポートなどの正式な文書でも多用される熟語です。正しい意味を理解して活用しましょう。