今回ご紹介する言葉は、ことわざの「賽は投げられた」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「賽は投げられた」をざっくり言うと……
読み方 | 賽は投げられた(さいはなげられた) |
---|---|
意味 | ものごとが始まっており、もう後戻りができない状態のこと |
由来 | サイコロが投げられたら、賭けを下りることはできないことから |
類義語 | 後は野となれ山となれ ルビコン川を渡る 人事を尽くして天命を待つ |
対義語 | 白紙に戻す |
英語訳 | The die is cast.(ものごとが始まったら、どんなことがあっても最後までやり通さなければならない) |
このページの目次
「賽は投げられた」の意味をスッキリ理解!
「賽は投げられた」の意味を詳しく
「賽は投げられた」とは、「ものごとが始まっており、もう後戻りができない状態のこと」を表すことわざです。
「結果がどうなろうとも、途中で辞めたり後戻りしたりすることはできない状況」です。または、「今後のことやどう動くかをあれこれ考えている余裕などなく、断行するしかない状態」を表すこともあります。
「賽は投げられた」の使い方
- 君の発言によって、とっくに賽は投げられているんだよ。
- 賽は投げられたが、まだ交渉の余地はあると考えている。
- 周囲の反対を押し切って独立したのだから、賽は投げられたのだろう。
「賽は投げられた」の由来
「賽は投げられた」の「賽」とは「サイコロ」のことです。サイコロは博打でよく使用されます。
たとえば、サイコロを振る前に、出る目に賭けて、サイコロの出た目によって配当金が配られる博打があります。
そのサイコロが投げられた後には、賭ける目を変更したり、賭けを下りたりすることはできません。
賭けをやめたり、変更したりできないことから、「後戻りしたり、道を変えたりできない」という意味になりました。
「賽は投げられた」が最初に使われた場面
「賽は投げられた」という言葉が最初に使われたのは古代ローマ時代の戦争の中です。以下のようなエピソードがあります。
元老院がカエサルに召喚命令を出して呼び出しましたが、カエサルはそれを無視して軍隊を率いだしたのです。
カエサルと軍隊が、北イタリアのルビコン川を越えたところで、 “alea iacta est” と言いました。
“alea iacta est” は、「賽は投げられた」という意味のラテン語です。
当時、北の防衛線として知られていたルビコン川を、軍隊と共に渡る行為は禁止されていました。
そのため、「ルビコン川を超えてしまった以上、もう後戻りはできない」という意味で、この言葉を言ったと考えられています。
「賽は投げられた」の類義語
「賽は投げられた」には以下のような類義語があります。
- あとは野となれ山となれ:自分はするだけのことはしたのだから、後のことは知ったことではないということ
- ルビコン川を渡る: もう後戻りはできないという覚悟のもと、. 重大な決断や行動を起こすこと
- 人事を尽くして天命を待つ:自分の全力をかけて努力をしたら、その後は天命に任せるしかないこと
「ルビコン川を渡る」は、「賽は投げられた」と同じエピソードから生まれた言葉です。
「賽は投げられた」の対義語
「賽は投げられた」には以下のような対義語があります。
- 白紙に戻す: 何もなかった元の状態に戻す
「白紙に戻す」は、「後戻りできない」という意味の「賽は投げられた」の対義語であると言えます。
「賽は投げられた」の英語訳
「賽は投げられた」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- The die is cast.
(ものごとが始まったら、どんなことがあっても最後までやり通さなければならない)
“die” は「サイコロ」の単数形です。この英文は「賽は投げられた」と直訳することができます。
まとめ
以上、この記事では「賽は投げられた」について解説しました。
読み方 | 賽は投げられた(さいはなげられた) |
---|---|
意味 | ものごとが始まっており、もう後戻りができない状態のこと |
由来 | サイコロが投げられたら、賭けを下りることはできないことから |
類義語 | 後は野となれ山となれ ルビコン川を渡る 人事を尽くして天命を待つ |
対義語 | 白紙に戻す |
英語訳 | The die is cast.(ものごとが始まったら、どんなことがあっても最後までやり通さなければならない) |
「賽は投げられた」の言葉の由来やエピソードまで覚えておけるといいですね。