今回ご紹介する言葉は、熟語の「煩雑(はんざつ)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳ついてわかりやすく解説します。
☆「煩雑」をざっくり言うと……
読み方 | 「煩雑(はんざつ)」 |
---|---|
意味 | 事柄が入り混じって煩わしいこと、込み入っていて面倒であること |
語源 | 悩むことを指す「煩」と、込み入っていることを指す「雑」から |
類義語 | 錯綜、錯雑、面倒など |
対義語 | 簡略、簡易、簡潔など |
英語訳 | “complicated”(込み入った) |
「煩雑」の意味をスッキリ理解!
「煩雑」の意味を詳しく
「煩雑」とは、「事柄が入り混じって煩わしいこと、込み入っていて面倒であること」という意味です。
この語は「ひんざつ」と読まれることがあるようですが、「はんざつ」が正しい読み方であるため、注意しましょう。
また、似た言葉に「繁雑」「複雑」があります。よく理解せずに使用すると間違えてしまうかもしれないので気をつける必要があります。
以下で違いについて説明していきます。
「煩雑」と「繁雑」の違い
「繁雑」は「はんざつ」と読み、 「煩雑」と同じ読み方です。意味は、「なすべき事柄が多く、ごたごたしていること」です。
「繁」には「むやみと多い」という意味があります。ですので、「繁雑」はやらなければならないことが多く、大変である様子を表す言葉です。
「煩雑」と「複雑」の違い
「複雑」は「ふくざつ」と読みます。意味は、「物事の事情や関係が込み入っていること」です。
「煩雑」の意味は、「事柄が込み入っていて煩わしいこと」 ですので、どちらも「込み入っている」ことを表す言葉です。
しかし、「煩雑」にはある対象に不満があったり問題視している、といった気持ちが含まれているのに対して、「複雑」は「込み入っている状態」のことを指すため、感情が含まれていないという違いがあります。
「煩雑」の使い方
- このパソコンは操作が煩雑で、使い勝手が良くない。
- 煩雑な事務作業を改善するために、社内を全面的にIT化する必要がある。
上記の例文のように、「手がかかること」「面倒なこと」を表す際に使われます。
「煩雑」の語源
「煩」は右の「頁」が頭を表しています。左の「火」偏と合わさって、頭に火、すなわち頭が熱いことを表し、そこから「わずらわしい」「悩む」というような意味になりました。
「雑」は色々と混ざっているといった意味があります。
この2つが合わさり、「複雑でわずらわしい」ことを意味する言葉になりました。
「煩雑」の類義語
「煩雑」には以下のような類義語があります。
- 錯綜(さくそう):物事が複雑に入り組んでいること、また入り混じって混乱すること
- 錯雑(さくざつ):まとまりがなく、入り混じること
- 面倒(めんどう):手数がかかって不快なこと
- 厄介(やっかい):手数がかかって面倒なこと
- 込み入る(こみいる):物事の様子や仕組みがすぐに理解できないように複雑に組み合っていること
- ややこしい:複雑でめんどうなこと、込み入っていてわかりにくいこと
「煩雑」の対義語
煩雑には以下のような対義語があります。
- 簡略(かんりゃく):手短で簡単なこと、手軽で簡単なこと
- 簡易(かんい):手順・手続が簡単でたやすく行えること
- 簡潔(かんけつ):簡単で要領を得ている、手短ではっきりしているさま
- 素朴(そぼく):考え方などが単純で、自然のままに近いこと
- 単純(たんじゅん):構造・働き等が込み入っていないこと、他の要素がまじっていないこと
- 明快(めいかい):物事がわかりやすくあきらかになっていること
「煩雑」の英語訳
煩雑を英語に訳すと、次のような表現になります。
- complicated
(込み入った、複雑な) - troublesome
(面倒な)
“complicated”だと「煩わしい」という感情が伝わりにくい場合があります。感情をしっかり伝えたい場合は、”troublesome”を使いましょう。
しかし、”troublesome”は固い表現であるため、ビジネスシーンなどで使用するといいでしょう。
まとめ
以上、この記事では「煩雑」について解説しました。
読み方 | 「煩雑(はんざつ)」 |
---|---|
意味 | 事柄が入り混じって煩わしいこと、込み入っていて面倒であること |
語源 | 悩むことを指す「煩」と、込み入っていることを指す「雑」から |
類義語 | 錯綜、錯雑、面倒など |
対義語 | 簡略、簡易、簡潔など |
英語訳 | “complicated”(込み入った) |
「繁雑」「複雑」などの似た言葉との意味の違いに注意し、適切な使い分けをしましょう。