今回ご紹介する言葉は、熟語の「補償(ほしょう)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「補償」をざっくり言うと……
読み方 | 補償(ほしょう) |
---|---|
意味 | 埋め合わせること、欠けている部分を補うこと |
類義語 | 補填、埋め合わせ、代償など |
英語訳 | indemnify(補償する)、compensate(補う、埋め合わせる) |
「補償」と「保障」と「保証」の違い | 「保障」は安全を保つこと、「保証」は大丈夫だとうけおうこと |
「補償」の意味をスッキリ理解!
「補償」の意味を詳しく
補償とは、損害や費用を埋め合わせること、身体面や精神面で劣っている部分を補うことを表す言葉です。たとえば、10万円の壺を壊してしまったとき、相手に10万円の対価を支払うことを補償と言います。
補償は、「補償する」のように動詞として使うこともあれば、「補償金」のように修飾語としてつかうこともあります。
「補償」の使い方
- 友達から借りたゲームを無くしてしまったため、金銭面を補償しなくてはならなくなった。
- 彼にケガをさせてしまったので、治療費は私が補償する。
- 火事で家が燃えてしまったが、補償金を受け取ったおかげで生活の心配はなさそうだ。
①の例文は、「借りたゲームを無くしてしまったため、金銭で埋め合わせなくてはならなった」という意味です。「金銭面を補償する」という言い方はよく使うため覚えておくといいでしょう。
②の例文は①とほとんど同じ使われ方をしています。「彼にケガをさせてしまったので、治療費を埋め合わせなければならない」という意味です。
③の例文は、補償が修飾語として使われています。「火事で家が焼けてしまったが、補償金を受けとったおかげで生活は大丈夫そうだ」という意味です。
余談ですが、火事で家が焼けた際には、火災保険などで保険金が受け取れることがあります。しかし、大規模な火災につながってしまうと、すべてを賄いきれないことも多いので、注意が必要です。
「補償」の類義語
「補償」には以下のような類義語があります。
- 埋め合わせ:損失などで欠けた部分を補うこと
- 補填(ほてん):不足を補い埋めること
- 代償:損害の償いとして、相当する対価を支払うこと
- 相殺(そうさい):差し引きして帳消しにすること
類義語には「何かを埋め合わせる」という意味が共通しています。
「補償」の英語訳
「補償」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- indemnify
(補償する) - compensate
(補う、埋め合わせる)
- I will compensate you for your loss
(君の損害を補償する) - Indemnify for his the damage
(彼の損害を補償する)
「補償」と「保障」と「保証」の違い
「補償」と似た言葉に、「保障」と「保証」があります。今回は、その違いについても簡単に解説したいと思います。
「保障」の意味
「保障」は「安全を保つこと、地位や将来の状態を維持すること」という意味です。
このような意味から、生命保険のような「一家の大黒柱が亡くなられても、家族の生活を保障します」というようなときに「保障」という言葉は使われます。
また、「自動車損害賠償保障法」などでは自動車のトラブルで被害や損害を受けた場合に、被害者が故意・過失の立証責任を負う必要はなく、損害賠償を請求する権利が守られるという意味から「保障」が使われています。
「自動車損害賠償保障法」では以下の3つが証明できない限り、加害者に賠償責任を負わせることができます。
- 自己および運転者が自動車の運転に関し注意を怠らなかったこと
- 被害者または運転者以外の第三者に故意・過失があったこと
- 自動車に構造上の欠陥または機能の障害がなかったこと
「保証」の意味
「保証」は「大丈夫だとうけあうこと」という意味です。また、法律的には「賠償の責任を負うこと」という意味もあります。
たとえば、保険などの場合、「大丈夫だと約束する」という意味から、確実に支払われるものに対して使われることが多いです。
具体的には、「保証期間付き終身年金」のように、被保険者の生死にかかわらず年金が支払われることが約束されているような年金分野でよく使われています。
まとめ
以上、この記事では「補償」について解説しました。
読み方 | 補償(ほしょう) |
---|---|
意味 | 埋め合わせること、欠けている部分を補うこと |
類義語 | 補填、埋め合わせ、代償など |
英語訳 | indemnify(補償する)、compensate(補う、埋め合わせる) |
「補償」と「保障」と「保証」の違い | 「保障」は安全を保つこと、「保証」は大丈夫だとうけおうこと |
補償は、保障や保証など似た言葉が多数存在するため、それぞれの違いをしっかり確認するようにしましょう。