レッドオーシャンとは「競合企業同士が激しい価格競争を行う既存市場」という意味です。
ブルーオーシャンとの違いを理解している人は意外と少ないのではないでしょうか?
そこで今回は、レッドオーシャンのビジネスでの使い方や類義語について解説します。
☆「レッドオーシャン」をざっくり言うと……
英語表記 | レッドオーシャン(red ocean) |
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意味 | 競合企業同士が激しい価格競争を行う既存市場 |
語源 | 血で血を洗うような激しい価格競争の比喩 |
類義語 | 競争市場 コモディティ化 既存市場 など |
対義語 | 隙間産業 未開拓市場 ブルーオーシャン など |
メリット | 市場規模がある程度が大きいこと |
デメリット | 参入が難しいこと |
このページの目次
「レッドオーシャン」の意味
競合企業同士が激しい価格競争を行う既存市場
例:レッドオーシャンは参入が厳しい
レッドオーシャンとは、「競合企業同士が激しい価格競争を行う既存市場」という意味です。
多くの企業が参入し、技術や価格などの競争が厳しい市場を指します。
食品業界で言うと、炭酸飲料水やスナック菓子など、参入障壁が低いことに加えて価格競争になっている業界はレッドオーシャンの事例です。
ピンクオーシャンとはアダルト市場のことです。
DMMの会長である亀山氏によって作られた言葉と言われています。
「レッドオーシャン」の成功例
レッドオーシャンの成功例は、パナソニックのPCです。
パナソニックは法人向けに製造現場やテスト現場を公開するなどの戦略を取り、モバイルPC分野では国内でトップシェアを占めるまでになっています。
レッドオーシャンでも信頼を勝ち取ることで多くの企業に選ばれてきたのです。
「レッドオーシャン」の使い方
レッドオーシャンは、ビジネスにおいて市場戦略の文脈で用いられます。
- これ以上レッドオーシャンで戦うのは厳しい。
- レッドオーシャンにもメリットはある。
- レッドオーシャンから抜け出すべく、新しい市場を開拓している。
- 市場のレッドオーシャン化を防ぐために策を講じなければならない。
- レッドオーシャンでも十分に戦っていくことができる独創性が欲しい。
- レッドオーシャンで事業を展開するのは大変だ。
「レッドオーシャン」の語源
レッドオーシャンは、フランスの大学院の教授であるW・チャン・キムとレネ・モボルニュが、『ブルー・オーシャン戦略』という共著の中で2005年に提唱したビジネス用語です。
血で血を洗うような激しい価格競争が行われている既存市場を、血の赤と重ねて比喩的に表した言葉です。
「レッドオーシャン」の類義語
レッドオーシャンには以下のような類義語があります。
- 競争市場
高値で売ろうとする売り手と安値で買おうとする買い手がいる市場 - コモディティ化
商品やサービスが一般化すること - 既存市場
すでに競争が起こっている市場 - ブラックオーシャン
独占市場
「コモディティ化」の意味
コモディティ化は、「商品やサービスが一般化すること」を指します。
コモディティとは、英語で日用品という意味の “commodity” のカタカナ語です。
市場に同じような商品やサービスが流通し、消費者にとっては「どこのメーカーも同じ」という状態です。
「この商品はすでにコモディティ化している」などと表現します。
「ブラックオーシャン」の意味
ブラックオーシャンは、独占市場の意味です。
ブラックは他の色を黒染めしてしまう色であるため、その比喩として使われています。
「レッドオーシャン」の対義語
レッドオーシャンには以下のような対義語があります。
「レッドオーシャン」の英語訳
レッドオーシャンを英語に訳すと、次のような表現になります。
- saturated market
(飽和市場)
「ガッツはレッドオーシャン」とは
「ガッツはレッドオーシャン」とは、落合陽一氏の新入社員採用に対する発言です。
新入社員の面接の場に同席していた落合氏は、面接官と採用希望者の「ガッツあります!」「ガッツがあるっていう人はいっぱいいるんだよ」というやり取りを聞き、「『ガッツあります』というアピールはレッドオーシャンだ」と気付いたのだと言います。
落合氏は、「ガッツ以外のところで価値を出す必要がある」としています。
「レッドオーシャン」のメリット
レッドオーシャンのメリットは、既に市場が成熟していて市場規模がある程度が大きいことです。
顧客が存在する市場であるため、事業が軌道に乗れば大きな利益を生み出しやすく、利益になる可能性が高いのです。
競合他社よりも魅力的な製品やサービスを売りとすれば、他社のシェアを奪うことが可能です。
「レッドオーシャン」のデメリット
レッドオーシャンのデメリットは、参入が難しいことです。
レッドオーシャン市場でシェアを獲得している企業は、その市場で生き残って利益を出し続けています。
そのため、独創的な切り口から攻めて他社と差別化することや、競合他社の分析がカギとなります。
「レッドオーシャン」の攻略法
以下では、レッドオーシャンでどのように他社を出し抜くかを解説します。
- 新しいアイデアを出す
- コストをカットする
- ユーザーの体験価値を重視する
他社が簡単にはマネできないアイデアを出すことは、ライバルの出現を抑えることに効果的です。
また、コストを抑えてサービスや製品の価格を下げることで、消費者からの支持を得るのも良いでしょう。
さらに、リピーターを増やすという意味でもいかにユーザーの心理に刺さる製品を生み出せるかがカギとなります。
「レッドオーシャン」のまとめ
以上、この記事ではレッドオーシャンについて解説しました。
英語表記 | レッドオーシャン(red ocean) |
---|---|
意味 | 競合企業同士が激しい価格競争を行う既存市場 |
語源 | 血で血を洗うような激しい価格競争の比喩 |
類義語 | 競争市場 コモディティ化 既存市場 など |
対義語 | 隙間産業 未開拓市場 ブルーオーシャン など |
メリット | 市場規模がある程度が大きいこと |
デメリット | 参入が難しいこと |
類義語や対義語を合わせて覚え、正しく使いましょう。