キュレーションとは「もともとある情報を特定のテーマに合わせて整理することで新しい価値を持たせること」という意味です。
芸術の分野で耳にしたことがある人もいるかもしれませんが、キュレーションという言葉自体の詳しい意味を把握している人は少ないのではないでしょうか。
この記事では、キュレーションの意味や関連する言葉を詳しく解説します。
☆「キュレーション」をざっくり言うと……
英語表記 | キュレーション(curation) |
---|---|
意味 | もともとある情報を特定のテーマに合わせて整理することで新しい価値を持たせること |
語源 | 「学芸員」という意味の英単語 “curator” |
類義語 | スクリーニング フィルタリングなど |
「キュレーション」の意味
もともとある情報を特定のテーマに合わせて整理することで新しい価値を持たせること
例:情報をキュレーションする。
キュレーションは、以下の2つの分野で使われることが多い言葉です。
- 芸術
- IT
それぞれの分野ごとの意味を見ていきましょう。
「キュレーション」の芸術における意味
キュレーションは、美術館や博物館で展示物を収集し、テーマごとに分類したり整理したりすることを表す言葉です。
大型の美術館や博物館には、何百点、何千点という作品や展示物が存在します。
それを年代やテーマに沿って見やすいように並び替えたりする作業がキュレーションです。
また、「印象派展」や「白亜紀の恐竜展」などのように、期間ごとに行われるテーマを持たせた展示会を行うこともキュレーションと呼ばれます。
「キュレーション」のITにおける意味
ITにおけるキュレーションの意味は、インターネット上の情報を特定のテーマに合わせてまとめることです。
現代は情報が手に入れやすくなった一方で、あらゆる情報がありすぎて情報の選別がしずらい現状があります。
そこで、ひとつのテーマに沿った情報をまとめることで、テーマについての情報を得やすくする目的で行われるのがキュレーションです。
この際の情報の選別やまとめかたは作成者独自の主観で判断され、キュレーションされた情報はサイトやブログ、SNSなどで発信されます。
「キュレーション」の使い方
キュレーションは、後ろに名詞を付けて「キュレーション○○」という形で使われることが多いです。
また、キュレーションは「情報をテーマにそってまとめること」という行為を表す名詞なので「キュレーションする」という形で動詞化されることもあります。
また、IT用語としてのキュレーションは、「すでにある情報をまとめただけ」というマイナスなニュアンスを含むことが多いです。
- 彼は昔からキュレーションサイトは好まない。
- 美術品をキュレーションすることで、より興味をそそる展示になります。
- このメディアは、キュレーションによって情報が選別されています。
➀のキュレーションサイトとは、「インターネット上の情報を独自に編集してまとめたウェブサイト」のことです。
➁のキュレーションは、「美術館や博物館で展示物を収集し、テーマごとに分類したり整理したりすること」という意味で使われています。
➂のキュレーションは、「情報を特定のテーマに合わせてまとめる」という意味で使われています。
「キュレーション」の語源
キュレーションの語源は、「学芸員」という意味の英単語 “curator” です。
“curator” とは、美術館や博物館において、作品の収集や展覧会の企画を行う専門的な知識を持つ職員のことです。
“curator” は、館内の展示物を整理したり、特定のテーマに沿って展示物を分類したりして展示物を見やすくします。
ここから、情報を分類して公開する行為を“curation” と呼ぶようになりました。
この “curation” をカタカナ語読みしたものが「キュレーション」です。
カタカナ語のキュレーションは、美術館や博物館だけでなく、インターネット上の情報を収集し整理するという意味でも使われるようになりました。
“curation” は、“curator” に接尾語 “ion” を付けて名詞化した単語です。
「キュレーション」の類義語
キュレーションには以下のような類義語があります。
- スクリーニング
条件に合うものだけを選別すること - フィルタリング
データをふるいにかけて分類すること - アグリゲーション
同種の複数のものをまとめて一体化したもの
「キュレーション」と「スクリーニング」の違い
キュレーションは、美術館の展示などで使われますが、スクリーニングにはそのような使用方法はありません。
また、ITの分野で使われる意味でも、以下のような違いがあります。
- キュレーション
情報を独自の判断で整理、まとめること - スクリーニング
情報をふるいにかけて選び抜くこと
つまり、キュレーションよりもスクリーニングの方がより情報が選別されているというニュアンスがあるのです。
また、キュレーションサイトは「ただ情報を集めただけ」というニュアンスで使われることがある一方で、スクリーニングがそのようなマイナスなニュアンスで使われることは少ないです。
「キュレーション」の関連語
キュレーションには以下のような関連語があります。
- キュレーションサイト
インターネット上の情報を収集し、独自に編集したウェブサイト - キュレーションメディア
視聴者、読者などが求めていると思われる情報のみを選別して載せているメディア - キュレーションサービス
キュレーションによって情報をまとめ、共有するサービスの総称 - キュレーションアプリ
利用者の興味や関心に応じたニュースや記事をキュレーションするアプリ - キュレーター
キュレーションを行う人のこと
「キュレーションサイト」の意味
キュレーションサイトとは、「インターネット上の情報を収集し、独自に編集したウェブサイト」のことです。
自分で発見した情報を記すのではなく、もともとインターネット上にある情報を整理してまとめたサイトのことです。
キュレーションサイトの代表的なものでは、以下のようなサイトが存在します。
- NEVERまとめ
テーマに関連するサイトのURLをまとめたサイト - Together
テーマに関連するツイートをまとめたサイト
キュレーションサイトは、すでにある情報をまとめるという性質上「パクリサイト」と揶揄(やゆ)されることもあります。
「キュレーションメディア」の意味
キュレーションメディアとは、「視聴者、読者などが求めていると思われる情報のみを選別して載せているメディア」のことです。
キュレーションサイトのテレビ版や雑誌版と捉えるとわかりやすいです。
求める情報のみが選別されているので見やすい一方で、情報の偏りや情報操作に繋がる危険性もあります。
「キュレーションサービス」の意味
キュレーションサービスとは、「キュレーションによって情報をまとめ、共有するサービスの総称」です。
キュレーションサイトやキュレーションメディアもキュレーションサービスの一環であると言えます。
「キュレーションアプリ」の意味
キュレーションアプリとは、ウェブ上のコンテンツの中から、利用者の興味や関心に応じたニュースや記事を自動的に収集・編集するアプリケーションです。
利用者の興味に合わせて編集し、まとめて閲覧できるようしてくれる便利なサービスです。
「キュレーション」のまとめ
以上、この記事ではキュレーションについて解説しました。
英語表記 | キュレーション(curation) |
---|---|
意味 | もともとある情報を特定のテーマに合わせて整理することで新しい価値を持たせること |
語源 | 「学芸員」という意味の英単語 “curator” |
類義語 | スクリーニング フィルタリングなど |
キュレーションの語源までしっかりと理解しておきましょう。