今回ご紹介する言葉は、熟語の「譲歩(じょうほ)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「譲歩」をざっくり言うと……
読み方 | 譲歩(じょうほ) |
---|---|
意味 | 自分の考えを曲げて、相手の考えと折り合いをつけること |
語源 | ”人に道を譲る”という意味から生まれた |
類義語 | 妥協、折衷、折れるなど |
対義語 | 固執など |
英語訳 | though,even if,whoeverなど |
「譲歩」の意味をスッキリ理解!
「譲歩」の意味を詳しく
「譲歩」とは、自分の考えや意見の一部もしくは全部を曲げて、相手の考えや意見とすり合わせ、互いに納得できる案に落ち着くことです。
それでは、意味を詳しく見ていきましょう。
- 自分の意見や主張よりも、相手の意見や主張に同意する。
- 自分の意見や主張が正論でも、相手に合わせて妥協することを選ぶ。
- 話し合いを続けるよりも適度な着地点を探す。
- 相手に譲る、自分から身を引く、等。
最も頻繁に使われるのは③の意味でしょう。議論や商談の場で、互いの意見や主張を受け入れ合い、着地点を模索して程よいバランスをとることが「譲歩」となります。
「譲歩」と「妥協」の違い
「妥協」との違いは、積極的に譲るか消極的に譲るかです。「譲歩」は自分から譲れる点を提示し、相手に歩み寄ります。対して「妥協」はお互いに譲り合って話をまとめようとすることです。
「譲歩」の使い方
- 取引先の要求を飲み、譲歩した。
- 長時間の話し合いの末、譲歩を勝ち取った。
- 店選びを譲歩した。
上記の例文のように、「譲歩」は自分が折れて相手に譲るというニュアンスで使われます。①や②のように、ビジネスシーンで使われることも多いですね。
「譲歩」の語源
「譲歩」は、”人に道を譲る”という意味から生まれ、現在の使われ方をするようになった言葉です。中国から伝わったという説もありますが、詳細は不明であるため、真偽は定かではありません。
「譲歩」の類義語
「譲歩」には以下のような類義語があります。
- 妥協:主張が対立している場合、互いの主張を幾分か譲り合って着地点を見つけること。
- 折衷:両方の極端を捨てて、程よいところをとること。
- 折れる:相手に対する自分の主張をやわらげて、相手の言い分を受け容れること。
場面に応じて使い分けられるといいですね。
「譲歩」の対義語
「譲歩」には以下のような対義語があります。
- 固執(こしゅう):自分の意見などを主張し続けること
「譲歩」の英語訳
「譲歩」の英語訳も一緒に確認しておきましょう。
英語では、日本語のように”譲る”という意味がメインではありません。「〜だが、〜けれども、〜だとしても」という言い回しそのものが、英語では「譲歩」として捉えられています。
- though, although:「~するけれども」という意味の接続詞です。
- even if, even though:「たとえ〜するとしても」という意味の接続詞です。
- whoever, whichever:「たとえ〜するとしても」という意味でも使われます。
①の訳ではthoughの方が口語的です。thoughは文中で用いることができたり、副詞として用いたりもします。
②の訳even if は、「仮定」をイメージした上での「たとえ~するとしても」、even though は「事実」をイメージした上での「たとえ~するとしても」です。
③の訳whoeverとwhicheverは「~する人(もの)は何でも」という意味の他にも、「たとえ~するとしても」という譲歩の意味で用いられることがあります。
まとめ
以上、この記事では「譲歩」について解説しました。
読み方 | 譲歩(じょうほ) |
---|---|
意味 | 自分の考えを曲げて、相手の考えと折り合いをつけること |
語源 | ”人に道を譲る”という意味から生まれた |
類義語 | 妥協、折衷、折れるなど |
対義語 | 固執など |
英語訳 | though,even if,whoeverなど |
いかがでしたか?正しく理解して、どんな場面でも的確に使えるようにしておきましょう。