レギュレーションとは「守らなければならない決まりごと・規則」という意味です。
ビジネスやスポーツなど多くの場面で使われる言葉ですが、少し専門的な意味を持つので難しいと感じている人も多いと思います。
この記事では、分野ごとの意味や類義語との違いなどを詳しく説明します。
☆「レギュレーション」をざっくり言うと……
英語表記 | レギュレーション(regulation) |
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意味 | 守らなければならない決まりごと・規則 |
語源 | 「規則」「規定」を表す英単語の “regulation” |
類義語 | ルール 規則など |
このページの目次
「レギュレーション」の意味
守らなければならない決まりごと・規則
例:皆さんにはレギュレーションを守っていただきます。
レギュレーションは、さまざまな場面の規則や禁止事項を表す言葉です。
「レギュレーション」は法律的な力が強いため、破ってしまうと罪にとらわれるようなことに対して使用されることが多い言葉です。
また、法律的な拘束力がないものでも、大会などの主催者側が定めた決まり事を表すことが多く、「公式的な決まりごと」というニュアンスが強いのが特徴です。
「○○をしてはいけない」という守らなければいけない制限や禁止事項を表すこともあれば、「○○をしなければならない」という規則を表すこともあります。
分野ごとの「レギュレーション」の意味
レギュレーションは、以下のような分野で使われることが多いです。
- 建築設計
- ゲーム
- スポーツ
- F1
- 広告
- IT
それぞれの分野ごとに意味が異なるので、詳しい意味を見ていきましょう。
分野➀:建築設計
建築設計の分野におけるレギュレーションは、「建築設計を行う際の基準やマニュアル」のことを表します。
建築物を建てる際には、その面積や高さ、形などにさまざまな制限があります。
さらに、都市や地域ごとのに制限や安全基準が異なることも多いです。
そのような安全基準や制限をまとめたものがレギュレーションになります。
分野➁:ゲーム
ゲームにおけるレギュレーションとは、ゲーム利用時のルールを表します。
特に大会などが行われる際の決まりごとを表すことが多く、レギュレーションに違反している場合は大会に参加することができません。
アミューズメント施設などでは、「ゲームの遊び方」「施設の利用規約」などのことを表します。
また、カードゲームの規定もレギュレーションと言われます。
ポケモンカードや遊戯王などで大規模な大会が定期的に開催されています。
販売されているカードでもレギュレーションによって特定のカードの使用が禁止されたり、大会独自のルールが設定されたりすることが多いです。
分野➂:スポーツ
スポーツ分野でのレギュレーションは、その競技の運営に関する規則や規定を表します
競技自体のルールではなく、競技の大会などの運営に関わる規定や規則を意味します。
大会の開催中にしてはならないことなどがレギュレーションに当たり、レギュレーションの違反行為あると、大会の出場停止などの罰則があります。
たとえば、サッカーのU-22の大会では「出場選手は22歳以下でなければならない」というレギュレーションが存在します。
ルールは、レギュレーションよりも基本的な競技自体の決まりごとを表します。
例えば、サッカーで手を使ってはいけないこと、ゴールキーパーだけは手を使うことができることなどは、レギュレーションではなくルールになります。
分野➃:F1
F1の世界選手権では以下のように主に2つのレギュレーションがあります。
- スポーティング・レギュレーション
レースの内容などを定めるレース運営のための規定 - テクニカル・レギュレーション
マシンの規格など、技術関係の規約
F1では、毎年の大会ごとにレギュレーションが変更されるという特徴があります。
分野➄:広告
広告の分野におけるレギュレーションは、広告媒体ごとに定められた仕様のことを表します。
具体的には、以下のような細かい規定を表します。
- ロゴやバナーの色
- サイズ
- データ量
- 文字制限
- 禁止ワード
細かい部分までレギュレーションを作成することで、広告の統一感を生み、ブランドイメージを確立できます。
分野➅:IT
ITの分野におけるレギュレーションとは、Webサイト運営時に定められるガイドラインを表します。
ひとつのサイトに細かい規約を設定することで、コンテンツの品質を一定に保てたり、スムーズな運営を行ったりすることが可能になります。
「レギュレーション」の使い方
レギュレーションは、イベントなどの主催側や公的機関が公式的に定める決まりごとを表します。
そのため、拘束力が強いニュアンスがを持つ言葉だという点に注意しましょう。
- レギュレーション違反が見られた選手を、出場停止処分としました。
- 今大会では、レギュレーション遵守を心がけてください。
- レギュレーションをもう一度確認しておこう。
➀の「レギュレーション違反」とは、レギュレーションを守らないことを表します。
➁の「レギュレーション遵守」とは、レギュレーションを守ることを表します。
「レギュレーションの語源
レギュレーション語源は「規則」「規定」を表す英単語の “regulation” です。
英単語の “regulation” には、他にも以下のような意味があります。
- 取り締まり
- 規制
- 加減
- 調整
- 制御
- 条例
- 法規
- 法廷
また、 “regulation” は以下のような意味で形容詞として使われることもあります。
- 規則に従った
- 法規にのっとった
- 標準的な
- 当たり前の
- お決まりの
カタカナ語のレギュレーションと同じ意味で使われていることがわかります。
「レギュレーション」の類義語
レギュレーションには以下のような類義語があります。
「レギュレーション」と「ルール」の違い
ルールは、決まりごとを広く指す日常的な語で、レギュレーションを含む概念でもあります。
そして、レギュレーションは、ルールの中でも厳密に定められており、強い拘束力や罰則を伴うものを表します。
「我が家のルール」と言うことはできますが、「我が家のレギュレーション」と言うのは不適切です。
一家の決まりごとを表すには、レギュレーションは公式的な決まりごとのニュアンスが強すぎるためです。
「レギュレーション」と「規則」の違い
規則は、「行動の規準となる決まり事」を広く表す言葉であり、レギュレーションを含む概念です。
また規則には、「常に変わらないようす」という意味があり「規則正しい生活」「規則的な配列」などの形で使われます。
しかし、レギュレーションにそのような意味はありません。
「レギュレーション」と「規定」の違い
規定は「決まり事」を広く意味する言葉で、レギュレーションも含む概念です。
それに加えて規定には「決まりを定めること」という意味や、「美しさを規定する」などのように、漠然とした概念を一定の形に定めることという意味があります。
レギュレーションには上記2つの意味はありません。
また、文法としても以下のような違いがあります。
- レギュレーション
サ行変格活用しない - コンプライアンス
サ行変格活用する
つまり「規定する」という使い方ができますが、「レギュレーションする」という使い方はできないのです。
「レギュレーション」と「コンプライアンス」の違い
レギュレーションとコンプライアンスには、以下のような違いがあります。
- レギュレーション
決まりそのもの - コンプライアンス
決まりを遵守すること
つまり、ルール自体を表す言葉なのか、そのルールを守るという状態や行為を表す言葉なのかという違いがあります。
「レギュレーション」の関連語
レギュレーションには以下のような関連語があります。
- レギュレーション違反
レギュレーションを守らないこと - レギュレーション遵守
レギュレーションを守ること - レギュレーションシート
レギュレーションの説明書 - レギュレーションマーク
レギュレーション違反でないことを表すマーク - ダウンレギュレーション
薬の投薬などの刺激によって神経の伝達を弱めること
「レギュレーションマーク」の意味
「レギュレーションマーク」は、レギュレーション違反でないことを表すマークのことです。
特に、ポケットモンスターシリーズのゲームやカードゲームで用いられます。
カードゲームでは、そのカードがどのシリーズの商品に収録されていたかものかを示すマークになっています。
また、ゲームでは、そのキャラクターが公式大会で使用可能であることを表すために用いられます。
「ダウンレギュレーション」の意味
ダウンレギュレーションは、「薬の投薬などの刺激によって神経の伝達を弱めること」を表す医療用語です。
例えば、アルコールの過剰摂取や麻酔によって神経伝達物質やホルモンなど反応が低下することを表します。
ダウンレギュレーションは、日本語では「下方抑制」とも言われます。
「レギュレーション」のまとめ
以上、この記事ではレギュレーションについて解説しました。
英語表記 | レギュレーション(regulation) |
---|---|
意味 | 守らなければならない決まりごと・規則 |
語源 | 「規則」「規定」を表す英単語の “regulation” |
類義語 | ルール 規則など |
レギュレーションには、多くの類義語や関連語があることがわかりましたね。
類義語との違いもしっかりと理解しておきましょう。