今回ご紹介する言葉は、熟語の「面妖(めんよう)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「面妖」をざっくり言うと……
読み方 | 面妖(めんよう) |
---|---|
意味 | 不思議な様子、怪しい様子 |
語源 | 「名誉」が変化したもの |
類義語 | 珍妙、奇態、異様など |
対義語 | 明快、明瞭、自明など |
英語訳 | mysterious、weird、strange |
「面妖」の意味をスッキリ理解!
「面妖」の意味を詳しく
「面妖」は不思議な様子、怪しい様子を表す熟語です。
「妖(よう)」はあまり日常的に見ない漢字ですが、「あやしいこと」「なまめかしいこと」という意味を持ちます。「面妖」では前者の意味を示しています。
稀に「めんよ」と読まれることもあるので、覚えておくとよいでしょう。
「面妖」の使い方
「面妖」は文中では以下のように使われます。
- 信じがたい話を聞き、面妖なこともあるものだなと相槌を打った。
- 夜も更けたころ、どこからともなく面妖な音楽があたりに響きはじめた。
- 彼の話は非常に面妖であり、とても信用できない。
「不思議な」といった場面のほか、神秘的であったり、人の仕業ではない気配がする、といった場合に多く用いられます。
「面妖」の語源
元々は「名誉(めいよ)」という熟語だったものが変化し、「めいよう」と言われるようになりました。それがさらに変化し、「めんよう」という言葉になりました。
したがって、「面妖」という漢字に由来はなく、言葉に対し後から漢字を当てはめたものになります。
「面妖」の類義語
「面妖」には以下のような類義語があります。
- 珍妙(ちんみょう):普通と異なり、おかしいこと
- 奇態(きたい):普通と異なり、風変わりである様子
- 異様(いよう):普通と異なる様子
- 怪奇(かいき):怪しく不思議なこと、不気味なこと
- 幻妖(げんよう):正体の分からないもの、まどわすこと
「珍妙」は「変わっていておかしい」というニュアンスが含まれています。面白いときや、ユーモラスであるときに用いられます。
「奇態」は「奇体」と書き表すこともあります。読み方も意味も同じなので、どちらを用いても構いません。
「異様」は「ただ変わっている」という意味ではなく、「普段知っている様子と異なっている」という意味を持っています。
「怪奇」は「面妖」と同じく「不思議な様子」を表す熟語ですが、「不気味であること」という意味を持つ点が異なっています。
「幻妖」は「幻妖な光景だ」といったように「面妖」と似た、形容詞としての使い方をすることもありますが、一方で「正体の分からない化け物」を指す単語として用いられることもあります。
また、「面妖」と似た意味を持つ四字熟語として、「奇々怪々(ききかいかい)」があります。
「面妖」の対義語
「面妖」には以下のような対義語があります。
- 明快(めいかい):はっきりとして気持ちが良いこと、わかりやすいこと
- 明瞭(めいりょう):あきらかであること、はっきりしてわかりやすいこと
- 自明(じめい):説明の必要もないほどはっきりしていること
- 潔白(けっぱく):後ろ暗いところがないこと
「明快」「明瞭」「自明」はいずれも「明らかである」という意味を持つ熟語であり、「面妖」の「不思議である」という意味に対し反対のニュアンスを持っています。
一方「潔白」は「面妖」の「怪しい」という意味に対して反対のニュアンスを持っています。
「面妖」の英語訳
「面妖」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- mysterious
(不思議な、怪しげな) - weird
(異様な、変な) - strange
(奇妙な、不思議な、未知の)
mysterious 、 weird は「神秘的な」「この世のものではないもの」という意味を持ちます。「面妖」の「妖」もそういった意味の漢字なので、訳語として適していると言えるでしょう。
strange は「正体がわからない」というニュアンスを持ちます。普段と様子が異なる、といった場合にはあまり用いられません。
まとめ
以上、この記事では「面妖」について解説しました。
読み方 | 面妖(めんよう) |
---|---|
意味 | 不思議な様子、怪しい様子 |
語源 | 「名誉」が変化したもの |
類義語 | 珍妙、奇態、異様など |
対義語 | 明快、明瞭、自明など |
英語訳 | mysterious、weird、strange |
あまり日常的に使う言葉ではありませんが、知っておくと小説などの文章の意味を理解しやすくなるでしょう。意味や使い方をしっかり覚えておきましょう。