今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「トートロジー」です。
「トートロジー」の意味、効果、具体例、語源、類義語、使い方についてわかりやすく解説します。
☆「トートロジー」をざっくり言うと……
英語表記 | トートロジー(tautology) |
---|---|
意味 | 同じ意味の言葉を繰り返す技法 |
効果 | 単純な強調 他のものとの差別化 程度の強調 |
語源 | 「同じ」という意味のギリシア語 “ταυτο” |
類義語 | 同義語反復、類語反復、同語反復など |
このページの目次
「トートロジー」の意味をスッキリ理解!
「トートロジー」の意味を詳しく
「トートロジー」とは、同じ意味の言葉を繰り返す技法のことです。
「トートロジー」は修辞技法のひとつです。修辞技法とはレトリックとも呼ばれる「文章やスピーチなどに豊かな表現を与えるための一連の技法のこと」です。
修辞技法(レトリック)の詳しい説明についてはコチラのページをごらんください。
「トートロジー」には、以下のふたつの表現の仕方があります。
- まったく同じ言葉を2度反復させる
- 同義語・類語を2度反復させる
「同義語」「類義語」とは、「ある言語において、言葉の形自体は異なるが、意味は互いによく似ており、場合によっては言い換えが可能となるふたつ以上の言葉」のことです。
つまり、まったく同じ言葉や、同じ意味の言葉を繰り返すことで、強調や皮肉の意味を込める技法です。
「トートロジー」の効果
「トートロジー」には単純な強調以外にも効果があります。たとえば、次のような文章が「トートロジー」に当てはまります。
この文章には以下のふたつの意味が含まれます。
- 他のものとの差別化
- 程度の強調
➊は、「AはあくまでAであって、他のものとは異なる」という差異を強調するという意味合いです。
➋は、「AはAであって、それ以上でもそれ以下でもない」という程度を強調する意味合いです。
「トートロジー」の具体例
「トートロジー」は意味だけを文章で説明されても理解しにくい言葉です。実際にどのような文章が「トートロジー」なのか、具体例を見ていきましょう。
- 力とはパワーだ。
- 私は私であり、君は君だ。
- 無関心とは、関心がないということだ。
- 私以外私じゃないの
➊は、「力」を英語で「パワー」と言い換えて繰り返している「トートロジー」です。
➋は、同じ言葉を繰り返している「トートロジー」です。
➌は、「無関心」を「関心が無いということ」と具体的に説明しています。これもある種の「トートロジー」であると言えます。
➍は、日本のバンド「ゲスの極み乙女」のシングル曲の曲名です。「私以外」が「私ではない」ことは自明のことであり、同じ意味を持つので「トートロジー」になります。
「トートロジー」の使い方
「トートロジー」には以下のような使い方があります。
- トートロジーを使って意味深な文章に仕上げる。
- 同じことを2度言うのはトートロジーだ。
「トートロジー」の語源
「トートロジー」の語源はギリシア語の “ταυτο” です。
“ταυτο” は「同じ」という意味の単語です。
ここから “ταυτολογία” というギリシア語、 “tautology” という英語が生まれました。
“tautology” の意味は以下の3つです。
- 類義語の無用な反復
- 同語反復
- 重複
英語では、「間違えによって言葉が重複してしまうこと」も「トートロジー」と捉えられることがあります。
一方でカタカナ語の「トートロジー」はあくまで「文章における技法・工夫」という意味が強いです。
「トートロジー」の類義語
「トートロジー」には以下のような類義語があります。
- 同義語反復
- 類語反復
- 同語反復
「トートロジー」には、上のような3つの言い換えがあります。
まとめ
以上、この記事では「トートロジー」について解説しました。
英語表記 | トートロジー(tautology) |
---|---|
意味 | 同じ意味の言葉を繰り返す技法 |
効果 | 単純な強調 他のものとの差別化 程度の強調 |
語源 | 「同じ」という意味のギリシア語 “ταυτο” |
類義語 | 同義語反復、類語反復、同語反復など |
「トートロジー」は具体的な文章を見ると理解しやすいですね。