「レトリック」とは?意味と使い方を例文付きでわかりやすく解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、カタカナ語の「レトリック」です。

「レトリック」の意味・具体例・使い方・語源・類義語についてわかりやすく解説します。

「レトリック」の意味をスッキリ理解!

レトリック(rhetoric):言い回しを工夫することによっての相手の感情に訴えかける方法。実質を伴わない表現上だけの言葉。

「レトリック」の意味を詳しく

「レトリック」には、2つの意味合いがあります。

1つ目は、事を伝える際言い回しを工夫することによっての相手の感情に訴えかける方法です。

「修辞法」「修辞技法」と呼ばれることもあります。比喩表現など、聞き手に響くような印象深い言葉を並べるテクニックを指します。

 

2つ目の意味は、「実質を伴わない表現上だけの言葉」です。この場合は、言葉の表面だけは美しいものの、中身が伴っていないというネガティブなニュアンスです。

口頭においても、文章においても、「レトリック」は存在します。

「レトリック」の具体例

「レトリック」の代表的なものは以下の4つがあります。

4つの「レトリック」
  1. 反語
  2. 隠喩(いんゆ)
  3. 換喩(かんゆ)
  4. 体言止め

それぞれの意味を見ていきましょう。

反語

「反語」とは、文章の本来の意味とは反対の主張を含ませる表現法のことです。

基本的には疑問形の文章として使われるテクニックです。

次のような文章が例としてあげられます。

目の前にこんなごちそうがあるのに、食べずにいられるか?

これは、「食べられるかどうか」という答えを求めているのではなく、「いや、食べないはずがない(食べざるをえない)」という意味で使われているのです。

つまり、話し手の中では結論が出ています。食べずにいられる可能性について疑問を投げかけることで、食べずにいられないと感じていることが強く伝わってきます。

隠喩(いんゆ)

「隠喩」とは、「~のような」という表現を使わずにものをたとえる方法です。「暗喩(あんゆ)」とも言います。

また、「~のような」という表現によって物を例える方法は「直喩(ちょくゆ)」と呼ばれます。

「隠喩」の例として次のような文章があげられます。

こんな難問を出すなんて、あの先生は鬼だ。

実際に「先生が鬼だ」と思っているわけではなく、「先生は鬼のように厳しい」という比喩(ひゆ)なのです。

換喩(かんゆ)

「換喩」とは、あるものを、それと関係性が高いもので代用する表現方法です。

たとえば、次の文章には「換喩」が使われています

金欠だから諭吉が欲しい。

このときの「諭吉」は「1万円」のことを指しています。

そのまま「1万円」と言うのではなく、「福沢諭吉が印刷されている1万円札」という関連性から言い換えをしているのです。

体言止め

「体言止め」とは、文章を名詞(体言)で止める表現方法のことです。

次の文章は「体言止め」を用いています。

去年の一番の思い出は、富士山の山頂から見た初日の出。

こうすることによって、文章に余韻を感じさせたり、リズムを良くしたり、最後の名詞を印象付けたりすることができます。

「レトリック」の使い方

「レトリック」には以下のような使い方があります。

  1. レトリックに優れた文章。
  2. 巧みなレトリックにごまかされる。

①の「レトリック」は、「物事を伝える際言い回しを工夫することによっての相手の感情に訴えかける方法」という意味で使われています。

②の「レトリック」は、「実質を伴わない表現上だけの言葉」という意味で使われています。この意味の場合は、「惑わされる」や「騙される」など言葉が後ろにつき、不覚にも乗せられてしまったというニュアンスを出すことが多いです。

「レトリック」の語源

「レトリック」の語源は、古代ギリシアの「レトリケ」です。レトリケは、効果的な弁論術のことを指しており、後に広くヨーロッパに継承されました。

古代ギリシアのレトリケは、以下の5つをもって優れた弁論術としていました。

レトリケの5要素
  1. 発想:論点や問題点の洗い出し
  2. 配置:発想した内容の順序立て
  3. 修辞:効果的な表現方法
  4. 記憶:整理した内容の暗記
  5. 発表:聞き手に響くような発声や身振り

「レトリケ」は、論点を整理することから、発声や身振りにまで及ぶ長い範囲を指していました。現在では、③の「修辞」の意味が中心的になっています。

「レトリック」の類義語

「レトリック」には以下のような類義語があります。

  • 修辞法:言葉を効果的に使い、表現を豊かにする技法
  • 美辞麗句:上辺だけの中身がない言葉

「レトリック」の原義は修辞法です。ただ、「中身を伴わない」というネガティブなニュアンスが強調される時は、美辞麗句となります。

まとめ

以上、この記事では「レトリック」について解説しました。

英語表記レトリック(rhetoric)
意味言い回しを工夫することによっての相手の感情に訴えかける方法
実質を伴わない表現上だけの言葉
具体例反語、隠喩、換喩、体言止め
語源古代ギリシアで「弁論術」を指した「レトリケ」
類義語修辞法

「レトリック」は、みなさんも日常の中で使ったことがあるでしょう。効果的な表現方法を考えることは大切ですが、上辺だけが綺麗な言葉にならないように注意したいですね。