「戦慄」の意味とは?読み方は?使い方から類語や英語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「戦慄(せんりつ)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「戦慄」をざっくり言うと……

読み方戦慄(せんりつ)
意味恐ろしさのあまり体が震えること
類義語戦く、慄く、戦慄く、震撼する、戦戦慄慄
英語訳shudder、shiver、tremble with fear

「戦慄」の意味をスッキリ理解!

戦慄(せんりつ):恐ろしさのあまり身体が震えること

「戦慄」の意味を詳しく

戦慄とは、恐ろしさのあまり体が震えている様を表す言葉です。

「戦」も「慄」も、どちらも単体で「おののく」と読むことができるます。「おののく」とは、「恐怖や不安・寒さによって体や手足がぶるぶると震えること」を指します。同じ意味の漢字を2つ重ねてできた単語であることがわかります。

また、医療・看護用語においては、「風邪などで高熱が出た際に、体が震えること」を指すこともあります。

 

いずれにしても、「恐怖」「不安」「高熱」など、マイナスの感情・状態によって震えが引き起こされています。

従って、「喜びに打ち震える」などのプラスの感情を表すときに「戦慄」を使うのは誤用です。誤用の例は以下の通りです。

「戦慄」の誤用例
1年間の努力が実を結んで大会で優勝することができたので、私は戦慄した。

「戦慄」の使い方

  1. 道で暴漢に遭遇したとき、殺されるかもしれないと戦慄した。
  2. 日本国民を戦慄させたその事件は、連日ニュースで報道された。
  3. 部員のA君が交通事故に遭って重体だと聞き、私たちの間に戦慄が走った。

①は、暴漢に遭遇した際に、「殺されてしまうかもしれない」という恐怖で体が震えたことが述べられています。戦慄という言葉を使うことで、「体が震える」という身体的状態と、「恐ろしい」という心理的状態の両方を表すことができます。

②は、国民を恐怖に陥れる事件が起き、それが毎日のようにニュースで取り上げられていることが述べられています。「戦慄」という言葉の主語には、人だけでなく、事件などの物事を使うこともできます。

③は、A君が重体だという知らせに、部員一同が恐ろしさ・不安を感じている状況です。「戦慄が走る」という形で使われることは非常に多いです。覚えておくとよいでしょう。

「戦慄」の類義語

戦慄には以下のような類義語があります。

  • 戦く、慄く(おののく):恐ろしさや寒さなどにより震えること
  • 戦慄(わなな)く:恐ろしさや怒り、寒さなどにより震えること
  • 震撼(しんかん)する:強いショックで震えあがること
  • 戦戦慄慄:恐怖で震えて怯えること

「戦く」「慄く」「戦慄く」は、「戦慄」と同じ漢字を使っていますね。意味も似ていますが、「恐怖」だけでなく、「寒さ」や「怒り」という要素も加わります。読み方は大きく変わっているので注意しましょう。

また、「戦戦慄慄」は「戦慄」を重ねて、より恐ろしさを強調した四字熟語です。

「戦慄」の英語訳

戦慄を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • shudder
    (恐怖や寒さで震える、ぞっとする)
  • shiver
    (恐怖や寒さで震える)
  • tremble with fear
    (ビクビクする、恐れおののく)

“shudder” と “shiver” が直訳です。

“tremble with fear” は、それぞれ “tremble” が「震える」、“fear” が「恐怖」を指しています。恐怖に焦点を当てた表現です。

まとめ

以上、この記事では「戦慄」について解説しました。

読み方戦慄(せんりつ)
意味恐ろしさのあまり体が震えること
類義語戦く、慄く、戦慄く、震撼する、戦戦慄慄
英語訳shudder、shiver、tremble with fear

日常生活の会話ではなかなか使う場面がないかもしれません。話し言葉よりも、書き言葉として出てくることの方が圧倒的に多いでしょう。たとえば、文章を書くときなどに使うと、恐ろしい様子を端的に伝えることができますね。