今回ご紹介する言葉は、熟語の「怯懦(きょうだ)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「怯懦」をざっくり言うと……
読み方 | 怯懦(きょうだ) |
---|---|
意味 | 臆病なあまり、すぐに怖がったりためらったりすること |
語源 | 「怯」という字の「おびえる」、「懦」という字の「気が弱い」という意味から |
類義語 | 臆病、腰抜け、小胆など |
対義語 | 勇敢、剛勇、大胆不敵など |
英語訳 | cowardice(臆病) |
「怯懦」の意味をスッキリ理解!
「怯懦」の意味を詳しく
「怯懦」は、臆病なあまり、すぐに怖がったりためらったりすることを表す熟語です。また、困難や苦しみを乗り越える気力がなく、意志が弱いことも意味します。
その人の欠点や短所を言い表す際に使用します。基本的に、よい意味合いで使用することはありません。
「怯懦」は、多くの場合「臆病」という表現と置き換えることができます。若者言葉の1つである「ビビリ」や、アメリカで使用されるスラング「チキン(chicken)」と意味が近いです。
「怯懦」の使い方
- 彼は正直で誠実な人間だが、怯懦な性格が欠点だ。
- 戦争から一人逃げ帰った男は、怯懦な人間であるとさげすまれた。
- 難民キャンプで暮らす人々は、怯懦な目つきをしていた。
- 必要以上に失敗を恐れる怯懦な心こそが、私の一番の課題だ。
➀➁➂の例文では、「臆病なあまり、すぐに怖がったりためらったりする」という意味で、「怯懦」を使用しています。
➃の例文では、「困難や苦しみを乗り越える気力がなく、意志が弱い」ことを、「怯懦」と表現しています。
上記の他、「怯懦を恥じる」「怯懦を捨てる」といった表現もできます。
「怯懦」の語源
「怯」という字には、「おびえる」「おそれる」という意味があります。一方、「懦」という字には、「気が弱い」「いくじがない」という意味があります。
両者の意味が重なり、「怯懦」が臆病なさまを表すようになりました。
「怯懦」の類義語
「怯懦」には以下のような類義語があります。
- 臆病:気が弱く、ささいなことを怖がること
- 怯弱(きょうじゃく):気が弱く、臆病なこと
- 腰抜け:いくじがなく、臆病なこと
- 小心(しょうしん):気が小さく、臆病なこと
- 腑抜(ふぬ)け:いくじがなく、臆病なこと
- 小胆(しょうたん):気が小さく、度胸がないこと
「怯懦」の対義語
「怯懦」には以下のような対義語があります。
- 勇敢(ゆうかん):勇気があり、危険を恐れないこと
- 剛勇(ごうゆう):強く、勇ましいこと
- 剛毅(ごうき):意志が強く、くじけないこと
- 放胆(ほうたん):迷わず、大胆に行動すること
- 勇胆(ゆうたん):勇敢で度胸があること
- 大胆不敵(だいたんふてき):度胸があり、恐れないこと
「怯懦」の英語訳
「怯懦」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- cowardice
(臆病) - timidity
(臆病) - chicken
(弱虫、臆病者) - wimp
(弱虫、いくじなし)
“cowardice” の 関連語として、“coward” “cowardly”があります。“coward”は、「臆病者、弱虫、腰抜け」という意味の名詞です。一方、“cowardly”は、「勇気のない、臆病な」という意味の形容詞です。
たとえば、 “terrible coward” は「どうしようもない臆病者」、“cowardly eye”で「臆病な目」と訳すことができます。
“chicken” は、形容詞としても使うことができます。 “Don’t be chicken.” という文章は、「怖がるな、弱虫でいるな」という意味になります。
まとめ
以上、この記事では「怯懦」について解説しました。
読み方 | 怯懦(きょうだ) |
---|---|
意味 | 臆病なあまり、すぐに怖がったりためらったりすること |
語源 | 「怯」という字の「おびえる」、「懦」という字の「気が弱い」という意味から |
類義語 | 臆病、腰抜け、小胆など |
対義語 | 勇敢、剛勇、大胆不敵など |
英語訳 | cowardice(臆病) |
「怯懦」という表現は、日常会話で使用されることは少ないです。
その分、読み方や意味があやふやになってしまうこともあるでしょう。重要な点は、しっかりおさえておきましょう。