今回ご紹介する言葉は、熟語の「従容(しょうよう)」です。
言葉の意味・使い方・語源・類義語・対義語・英語訳について分かりやすく解説します。
☆「従容」をざっくり言うと……
読み方 | 従容(しょうよう) |
---|---|
意味 | 異変や問題が起こった時でも、あわてたり焦ったりしない冷静沈着なさま |
語源 | 「従」の「ゆったりとする」、「容」の「ゆとりがある」という意味から |
類義語 | 冷静、悠々、悠然など |
対義語 | 動揺、狼狽、動転など |
英語訳 | composed(落ち着いた) |
「従容」の意味をスッキリ理解!
「従容」の意味を詳しく
「従容」は、異変や問題が起こった時でも、あわてたり焦ったりしない冷静沈着なさまを表す熟語です。緊急時でも、騒いだり取り乱したりすることなく、ゆったりと落ち着いている様子を指します。
従容を使用した四字熟語「従容不迫(しょうようふはく)」「従容自若(しょうようじじゃく)」「従容中道(しょうようちゅうどう)」の意味は、下記の通りです。
「従容不迫」の意味を詳しく
「従容不迫」は、ゆっくりと落ち着いていて、あわてない様子を表す四字熟語です。
「不迫」は、どんなことにも動じないという意味です。
「従容自若」の意味を詳しく
「従容自若」は、物事に動じず、落ち着いている様子を表す四字熟語です。「従容不迫」「泰然自若(たいぜんじじゃく)」と、ほとんど同じ意味です。
「自若」は、落ち着いていて、心や態度に乱れがない様子を表します。
「縦容自若」と表記する場合もあります。
「従容中道」の意味を詳しく
「従容中道」は、自然なままのふるまいが、道理にあっているという意味の四字熟語です。
「中道」は仏教用語で、偏りがなく、絶対真実の道理のことです。
「縦容中道」と表記することもあります。
「従容」の使い方
- 突如発生した大地震だったが、従業員は従容たる立ちふるまいで、避難誘導を行っていた。
- 彼は成功率の低い手術を受ける直前でも従容としていた。
- 従容として戦地に向かった父の背中は、今でも記憶に残っている。
例文➀では、従業員の冷静な対応を、「従容」と表現しています。
例文➁では、手術を前にしても取り乱さず、落ち着いている様子を指し、「従容」を使用しています。
例文➂では、あわてたり騒いだりせずに戦場へ向かう父の姿を、「従容」と言い表しています。
「従容」の語源
「従容」の「従」という漢字には、「したがう」以外に「ゆったりとする」という意味があります。また、「容」という漢字には、「ゆとりがある」という意味があります。
「従」「容」という2つの漢字の意味合いが重なり、「あわてたり焦ったりしないさま」を表すようになりました。
「従容」の類義語
「従容」には以下のような類義語があります。
- 冷静:感情に左右されず、落ち着いていること
- 悠々(ゆうゆう):ゆったりと落ち着いているさま
- 悠然(ゆうぜん):落ち着いていて、物事に動じないさま
- 沈着:物事に動じないこと
- 泰然(たいぜん):落ち着いていて、物事に動じないさま
- 平然:何事もなかったかのように、落ち着いているさま
- 綽然(しゃくぜん):落ち着いていて、余裕のあるさま
- 綽綽(しゃくしゃく):落ち着いていて、ゆとりのあるさま
「従容」の対義語
「従容」には以下のような対義語があります。
- 動揺(どうよう):気持ちがゆれ動き、落ち着きを失うこと
- 狼狽(ろうばい):あわてふためくこと
- 動転:非常に驚いて、落ち着きを失うこと
「従容」の英語訳
「従容」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- composed
(落ち着いた) - calm
(冷静な、落ち着いた)
“have a composed attitude”で「落ち着いた態度をとる」という意味になります。また、“stay calm”で「平静をたもつ」という意味になります。
まとめ
以上、この記事では「従容」について解説しました。
読み方 | 従容(しょうよう) |
---|---|
意味 | 異変や問題が起こった時でも、あわてたり焦ったりしない冷静沈着なさま |
語源 | 「従」の「ゆったりとする」、「容」の「ゆとりがある」という意味から |
類義語 | 冷静、悠々、悠然など |
対義語 | 動揺、狼狽、動転など |
英語訳 | composed(落ち着いた) |
読み方は「しょうよう」で、「じゅうよう」ではありません。聞きなれない方も多いかもしれませんが、意味はそれほど難しくありません。
意味や読み方に加え、類義語・対義語も一緒に覚えておきましょう。