「惨憺」の意味とは?読み方は?使い方から類語や英語まで例文付きで

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「惨憺(さんたん)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・英語訳について分かりやすく解説します。

☆「惨憺」をざっくり言うと……

読み方惨憺(さんたん)
意味見るに忍びないほどいたましいさま
類義語悲惨、不気味、悪戦苦闘など
英語訳pitiful(あわれむべき)

「惨憺」の意味をスッキリ理解!

惨憺(さんたん):見るに忍びないほどいたましいさま

「惨憺」の意味を詳しく

惨憺とは、主に無残で見るに忍びないほど悲惨な様子を表す熟語です。

惨憺は「惨」という字と「憺」という字の組み合わせで成立しています。

「惨」には、「悲惨」などに使われるような「むごたらしい」という意味があります。また、「憺」には「おそれさせる」という意味があります。

そこから、「おそろしくむごたらしい」という意味が発生しているのです。

 

惨憺には他にも、薄暗く気味が悪い様子という意味や「苦心惨憺」などに使われるような、あれこれ悩み努力するという意味があります。

文脈によってどの意味を持つのか判断することが必要になる言葉です。

「惨憺」の使い方

  1. テロの起こった現場は、惨憺たる様子であった。
  2. 惨憺たる屋敷の中に、ひとり取り残されてしまった。
  3. その作家の送ってきた原稿には、惨憺たる書き直しの跡があった。

上記の例文のように、「惨憺」は「惨憺たる」などという形で名詞と結びつき、様子を説明します。

①の例文のように、「悲惨である」という意味で使用されることがもっとも多くなっています。ここでは、事件後のむごたらしい様子が「惨憺」という言葉で表現されています。

②の例文では、薄暗く気味の悪さを感じさせる屋敷を形容する言葉として、「惨憺」という言葉が使用されています。この場合の「惨憺」には①の例文のようなむごたらしさの意味は含まれません。

③の例文では、「作家」があれこれ苦心しながら努力して原稿を書き上げたことが、「書き直しの跡」からうかがえる様子が表されています。この場合も、「悲惨である」という意味は含まれません。

「惨憺」の類義語

惨憺には以下のような類義語があります。

  • 悲惨:悲しい気持ちを引き起こすような、みじめな様子
  • 不気味:気味が悪いこと
  • 悪戦苦闘:困難の中必死に努力すること

「惨憺」には複数の意味があり、それに応じて類義語も変化します。

「むごたらしい」という意味を強調したい場合には、「悲惨」がもっとも近い言葉になります。

むごたらしさはないが、不安になるような、気味の悪い場所の様子などを表したい場合には「不気味」と言い換えるとよいでしょう。

悩んで努力することを指す場合は、「悪戦苦闘」などが近い表現になります。また、単に「惨憺」という言葉で表すのではなく「苦心惨憺」と四字熟語で表すのも手です。

「惨憺」の英語訳

惨憺を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • pitiful
    (あわれむべき)
  • frightful
    (恐ろしい)
  • a hard struggle
    (悪戦苦闘)

英語訳をする場合にも、「惨憺」の意味の違いに注目しましょう。

「悲惨である」という様子を表現したいのであれば、”pitiful”を使います。”pitiful”には「かわいそうな」「みじめな」などといった意味もあり、同情を誘うようなニュアンスも同時に伝えられます。

「不気味で恐ろしい」という意味で使用したい場合は、”frightful”が近い表現となります。

また、悩み苦しむことに重きをおきたい場合は、”a hard struggle”を使うとよいでしょう。

まとめ

以上、この記事では「惨憺」について解説しました。

読み方惨憺(さんたん)
意味見るに忍びないほどいたましいさま
類義語悲惨、不気味、悪戦苦闘など
英語訳pitiful(あわれむべき)

「惨憺」には、頻繁に使用される「悲惨」という意味の他にもさまざまな意味が含まれます。どれも大事な意味であるため、それぞれを区別して使っていきましょう。