今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「断崖絶壁(だんがいぜっぺき)」です。読んで字のごとく、崖を表す言葉ですが、用法はそれだけではありません。
以下では、「断崖絶壁」の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「断崖絶壁」をざっくり言うと……
読み方 | 断崖絶壁(だんがいぜっぺき) |
---|---|
意味 | 切迫した危機的状況にあること |
類義語 | 岩壁、絶体絶命、四面楚歌など |
英語訳 | a sheer precipice(断崖絶壁) |
「断崖絶壁」の意味をスッキリ理解!
「断崖絶壁」の意味を詳しく
断崖絶壁は、切り立って険しい崖を表す言葉です。崖そのものを説明する使い方の他に、その様子をたとえて日常生活での危機的な状況を指す用法もあります。
「断崖」と「絶壁」は、どちらか片方だけでも険しい崖という意味を持ちます。「断崖絶壁」はこの2語を重ねることで、より強く険しさを強調していると言えるでしょう。
ただし、単に崖そのものを指すときはどちらかの1語だけで使用できますが、比喩的に危機的な状況を表したいときは、重ね合わせた「断崖絶壁」を使用するのが一般的です。
「断崖絶壁」の使い方
- あの崖はまさに断崖絶壁で、勇気のある人しかそこにいけない。
- 仕事でミスをしてしまい、断崖絶壁に追い込まれている。
①の例文では、崖そのものを表現する言葉として「断崖絶壁」が使用されています。
②の例文では、ミスによりピンチに追い込まれてしまった状況を「断崖絶壁」という言葉で表現しています。
単に「危機的である」と表現するより、「断崖絶壁に追い込まれている」と表現する方が、どうしようもなく危険である様子を伝えやすくなります。
「断崖絶壁」の類義語
断崖絶壁には以下のような類義語があります。
「岩壁」は、崖そのものを指す「断崖絶壁」と似た意味を持つ言葉です。
「断崖絶壁に立つ」と表現されたときには多くの人が崖の上にいる様子をイメージしますが、「岩壁」の場合には「岩壁の前に立つ」というような、壁が目の前を塞いでいる印象を与えます。
一方、「絶体絶命」と「四面楚歌」はどちらも危機的状況を指しますが、両者のニュアンスは微妙に異なります。
「絶体絶命」には、追い込まれて逃げられないようなニュアンスが含まれます。
対して「四面楚歌」は、周りに敵や対立する相手がいるという前提の言葉です。ピンチであるという意味では「断崖絶壁」と変わりませんが、敵に追い込まれたというニュアンスは「断崖絶壁」にはあまりありません。
危機的状況になった経緯を考えて、その場にあった表現の使い分けをしましょう。
「断崖絶壁」の英語訳
断崖絶壁を英語に訳すと、次のような表現になります。
- a sheer precipice
(断崖絶壁) - stand on the edge of a precipice
(危機に瀕している)
“a sheer precipice” は、文字通りの切り立った崖を表す言葉です。比喩としての「断崖絶壁」の意味はありません。
それに対し、ピンチであるという意味で「断崖絶壁」を表現したい場合には “stand on the edge of precipice” という表現を使いましょう。この場合は動詞の “stand” を “standing” とすることで名詞句にすることもできます。
まとめ
以上、この記事では「断崖絶壁」について解説しました。
読み方 | 断崖絶壁(だんがいぜっぺき) |
---|---|
意味 | 切迫した危機的状況にあること |
類義語 | 岩壁、絶体絶命、四面楚歌など |
英語訳 | a sheer precipice(断崖絶壁) |
「断崖絶壁」は似た四字熟語が多く、使い方が難しい言葉ではあります。しかし、崖の険しさのイメージに重ねて伝えることで、状況がどれだけ厳しいのかわかりやすくなります。
「断崖絶壁」な状況にならないのが一番ですが、ここぞというときで使えるといいですね。