今回ご紹介する言葉は、ことわざの「辻褄を合わせる(つじつまをあわせる)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「辻褄を合わせる」をざっくり言うと……
読み方 | 辻褄を合わせる(つじつまをあわせる) |
---|---|
意味 | 物事や話の筋道がきちんと通るようにすること |
類義語 | 帳尻を合わせる、口裏を合わせる |
英語訳 | to make one’s story to seem coherent(辻褄を合わせる、筋が通っているかのように話を作る)など |
「辻褄を合わせる」の意味をスッキリ理解!
「辻褄を合わせる」の意味を詳しく
「辻褄を合わせる」とは、物事や話の筋道がきちんと通るようにすることです。言い換えるならば、「物事や話の前後に矛盾がないようにすること」「物事や話の筋道が通るように理屈を合わせること」です。
反対に、物事や話の筋道がちぐはぐであることを「辻褄が合わない」と言います。
「辻」は裁縫の用語で、縫い目が十字に合う部分のことです。「褄」は、着物の裾の左右が合う部分を指しています。これらの意味から転じて、辻褄は「物事のきちんと合うべき道理」という意味で使われています。
数年前に話題になった「STAP細胞」を覚えていますか。
STAP細胞とは、目や鼻などの特定の部位を形作る体細胞に対して、何にでも変化することが可能であるとされた万能な細胞のことです。STAP細胞の存在が発表された当初、体細胞に簡易的な刺激を与えることで、STAP細胞が作製できるとされていました。
しかし、再現実験を行っても論文の記述通りの結果が得られず、調査の結果、論文に捏造と改ざんがあったとして不正が認定されました。
これは、論文の内容と再現実験の辻褄が合わなかったという例です。
「辻褄を合わせる」の使い方
「辻褄を合わせる」は、以下のように使われます。
- 改ざんされた決算報告書には、辻褄を合わせるために架空の支出項目が足されていた。
- 私と彼は、話の辻褄を合わせるために口裏合わせをした。
- アリバイ確認は、証言とその人の実際の行動の辻褄が合っているかを確認するために行われる。
「辻褄が合わない」は、以下のように使われます。
- 彼の話はどうも辻褄を合わない。何か隠し事をしているはずだ。
- この推理では辻褄が合わない。どこかに間違いがあるということだ。
- 禁煙すると言っていたのに、服からタバコの匂いがする、これでは辻褄が合っていない。
「辻褄を合わせる」の類義語
辻褄を合わせるには以下のような類義語があります。
- 帳尻を合わせる(ちょうじりをあわせる):最終的に辻褄が合うようにすること
- 口裏を合わせる(くちうらをあわせる):予め相談をして、それぞれの話の内容が食い違わないようにすること
「帳尻を合わせる」とは、話に整合性を持たせるように調整をすることです。
「口裏を合わせる」は、複数の人の発言に矛盾が生じないように予め相談しておくことを言います。
「辻褄を合わせる」の英語訳
辻褄を合わせるを英語に訳すと、次のような表現になります。
- to make one’s story to seem coherent
(辻褄を合わせる、筋が通っているかのように話を作る) - to adjust one’s story to fit the situation
(辻褄を合わせる、状況に合うように話を合わせる)
まとめ
以上、この記事では「辻褄を合わせる」について解説しました。
読み方 | 辻褄を合わせる(つじつまをあわせる) |
---|---|
意味 | 物事や話の筋道がきちんと通るようにすること |
類義語 | 帳尻を合わせる、口裏を合わせる |
英語訳 | to make one’s story to seem coherent(辻褄を合わせる、筋が通っているかのように話を作る)など |
話の辻褄が合わないと、相手にも不信感を与えてしまいますよね。話の辻褄を合わせるために嘘をついても、後々ばれてしまったらそれこそ信頼を失ってしまいます。都合が悪いことがあったとしても、正直であることが大切ですね。
「辻褄を合わせる」の意味や使い方を覚え、正しく使えるようにしましょう。