今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「一言一行(いちげんいっこう)」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「一言一行」をざっくり言うと……
読み方 | 一言一行(いちげんいっこう) |
---|---|
意味 | ひとつひとつの言葉や行いのこと、何気ない言動のこと |
由来 | 顔氏家訓 |
類義語 | 一挙一動 |
英語訳 | just a word or an act(ひとつひとつの言葉と行動) |
「一言一行」の意味をスッキリ理解!
「一言一行」の意味を詳しく
「一言一行」とは、「ひとつひとつの言葉や行いのこと」「何気ない言動のこと」です。
一言一行の「一」は、「ひとつひとつ」「ちょっとした」という意味です。
一行は「いちぎょう」とは読まないので、注意しましょう。
「一言一行」の使い方
「一言一行」は、以下のように使われます。
- 目上の人とお話をするときは、相手に失礼のないよう一言一行に気を配る。
- 彼女は一言一行たりとも隙がない。
- 今のネット社会には、ちょっとした一言一行ですぐに揚げ足を取る人がたくさんいる。
②の「一言一行たりとも隙がない」とは、「少しの隙もなく、完璧である」という意味で使っています。
③は、皆さんも実感があるのではないでしょうか。最近は、SNSに投稿された何気ない発言に対してさえも、何らかの文句をつけ揚げ足を取りたがる人が多い傾向にあります。
著名人の方がテレビなどで発した発言や、何気なく見せた態度などに対してもすぐにSNSが炎上します。一言一行で揚げ足を取られてしまうのでは、とても生きづらい世の中ですね。
「一言一行」の由来
「一言一行」は、『顔氏家訓(がんしかくん)』という中国の家訓書に由来しています。これは、顔之推(がんしす)という人物が著したものです。
顔氏家訓のうちの「慕賢」という篇に、「盗みはしてはならない」という趣旨の家訓が記されています。その中の一節が、以下の内容です。
これを噛み砕いて現代語訳すると、「もしも、人から一言一行でも引用することがあったならば、すべて出典を明らかにすべきであり、他人の美を盗んで自分のものとしてはならない。」となります。
また、これに続けて、顔之推は「たとえ相手が若輩者であっても、自分よるも身分が低い者であっても、その功績を認めなければならない。他人の財産を盗むようなことをすれば、刑罰を受ける。他人の美を盗むようなことをすれば、神が絶対許さないであろう。」と述べています。
「一言一行」の類義語
「一言一行」には以下のような類義語があります。
- 一挙一動(いっきょいちどう):日常のちょっとした動作や振る舞いのこと、一つ一つの動作のこと
普段の立ち振る舞いや動作を表す言葉に、「挙動」があります。これを「挙」と「動」に分け、それぞれに「一」を付けて意味を強調した四字熟語です。
「一言一行」の英語訳
「一言一行」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- just a word or an act
(ひとつひとつの言葉と行動、一言一行) - every word and act
(すべての言葉と行動、一言一行)
まとめ
以上、この記事では「一言一行」について解説しました。
読み方 | 一言一行(いちげんいっこう) |
---|---|
意味 | ひとつひとつの言葉や行いのこと、何気ない言動のこと |
由来 | 顔氏家訓 |
類義語 | 一挙一動 |
英語訳 | just a word or an act(ひとつひとつの言葉と行動) |
一言一行が、自分自身を形成していると言っても過言ではありません。
たとえば、電車に乗っているとき、皆さんはどのような立ち振る舞いをしていますか。足を組んでいたり、足を広げて座っていたりする方も多くいますが、それらは公共の場での立ち振る舞いとしてふさわしいでしょうか。自分の一言一行が、自分が相手にどう見られるかを決定づけています。
「一言一行」の意味と使い方を覚え、正しく使えるようにしましょう。