今回ご紹介する言葉は、ことわざの「短気は損気(たんきはそんき)」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「短気は損気」をざっくり言うと……
読み方 | 短気は損気(たんきはそんき) |
---|---|
意味 | すぐに怒ったりことを急いだりすることは、結局自分にとって損になるということ |
由来 | 浄瑠璃の演目「冥土の飛脚」の中に登場する「短気は損気の忠兵衛」という描写 |
類義語 | 急いては事を仕損じる、慌てる乞食は貰いが少ない、急がば回れなど |
対義語 | 先んずれば人を制す、急かねば事が間に合わぬ |
英語訳 | Anger and haste hider good counsel.(怒りと焦りはよい助言を妨げる) |
このページの目次
「短気は損気」の意味をスッキリ理解!
「短気は損気」の意味を詳しく
誰しもイライラして自分にマイナスの影響を及ぼした経験がありますよね。そんな状態を表している言葉が「短気は損気」です。
「短気は損気」は、物事にすぐ腹を立てたりイライラしたりする気の短い性格の人は損をすることが多いという意味です。
根気なくすぐに起こっていては、人間関係や仕事もうまくいかず、結果的に損をするのは自分になってしまいます。
また、このことわざには、焦らず気長に物事を進めるべきだという戒めが含まれています。何事に対しても感情に流されず、一度冷静になって考えてみることが必要です。
「短気は損気」の使い方
- 短気は損気なんだから、そんなイライラしても仕方ないだろう。
- 頭にきてつい怒鳴ってしまったことで友達を失い、短気は損気だと実感した。
- 短気は損気なので、いつも笑顔でいることを心がけるようにしている。
これらの例文では、すぐイライラして腹をたてる人は結果として損をするという意味で使われています。
このように自分や他人への戒めにおいて使われることが多いことわざです。
「短気は損気」の由来
近松門左衛門による浄瑠璃の演目に『冥土の飛脚』があります。この中に登場する「短気は損気の忠兵衛」という描写が由来です。
この描写も「気が短いことは結局自分の損となる」という意味を表しています。
「短気は損気」の類義語
「短気や損気」には以下のような類義語があります。
- 急(せ)いてはことを仕損(しそん)じる:何事も焦ると失敗するため、急ぐときほど落ち着いて行動するべきだという戒め。
- 慌てる乞食(こじき)は貰いが少ない:欲張って急ぎすぎると、かえって損をすることのたとえ。
- 急がば回れ:急ぐからといって危険を含む近道を選ぶよりも、確実に安全な遠回りを行くほうがかえって賢明だということ。
- 短慮(たんりょ)功をなさず:あせっては事を成しとげることができないという戒め。
- 短気は未練のもと:短気を起こすと後悔することが多く、後に未練で苦しむようになるということ。
いずれも急ぎすぎるとかえって悪い結果を招くことを表す言葉です。
「短気は損気」の対義語
短気は損気には以下のような対義語があります。
- 先んずれば人を制す:何事も人より先に行えば、有利な立場に立つことができるという例え。
- 急(せ)かねばことが間に合わぬ:事を急ぐと失敗しやすいが、ぐずぐずしていては間に合わず、役に立たないということ。
どちらの対義語も怒りの感情を含んではいませんが、急ぐことで事が優位に運ぶという、「短気は損気」とは逆の意味を持った言葉です。
「短気は損気」の英語訳
短気は損気を英語に訳すと、次のような表現になります。
- Anger and haste hinder good counsel.
(怒りと焦りはよい助言を妨げる) - Haste makes waste.
(急ぐことは無駄を作る)
まとめ
以上、この記事では「短気は損気」について解説しました。
読み方 | 短気は損気(たんきはそんき) |
---|---|
意味 | すぐに怒ったりことを急いだりすることは、結局自分にとって損になるということ |
由来 | 浄瑠璃の演目「冥土の飛脚」の中に登場する「短気は損気の忠兵衛」という描写 |
類義語 | 急いては事を仕損じる、慌てる乞食は貰いが少ない、急がば回れなど |
対義語 | 先んずれば人を制す、急かねば事が間に合わぬ |
英語訳 | Anger and haste hider good counsel.(怒りと焦りはよい助言を妨げる) |
最近では短気が医学的によくない事も証明されています。
頭にきた時は、この言葉を思い出して一度冷静になり、本当に自分のためになるのは何なのか考えてみることも必要かもしれません。