今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「異端邪説(いたんじゃせつ)」です。
言葉の意味、使い方、由来、類義語、対義語、英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「異端邪説」をざっくり言うと……
読み方 | 異端邪説(いたんじゃせつ) |
---|---|
意味 | 少数派に信じられている正統ではない主張や学説、宗教や間違った学説のこと。 |
由来 | 『宋史』程顥伝から |
類義語 | 異端邪宗、異端異説、邪説異端 |
対義語 | 正真証明、正真正銘 |
英語訳 | heretical doctrine(異端邪説),hereticalness(異端),heterodoxy(異端・異説・異教)など |
このページの目次
「異端邪説」の意味をスッキリ理解!
「異端邪説」の意味を詳しく
「異端邪説」とは、少数派に信じられている正統ではない主張や学説、宗教や間違った学説のことを表す四字熟語です。
「邪説異端」と表記することもあります。
「異端」は「その世界や時代で正統とする信仰や思想などから、はずれていること」という意味です。「異端児」などの単語でよく使われます。
「邪説」は「有害で正しくない説」と指します。こちらは、「異端邪説」という四字熟語以外ではあまり使われません。
「異端邪説」には、「間違った説」という意味ももちろんあります。しかし、おおもとの意味は、「正統ではない説や宗教」です。
ただ、正統な説が事実であるとは限りません。ガリレオが提唱した「天動説」も、当時は「異説」だとみなされていました。後になって「異端邪説」が正しい説であったと判明することも十分にありうるのです。
「異端邪説」の使い方
- 医学界の権力者の意にそぐわない学説は、異端邪説だと決めつけられてしまう。
- 彼が持つような変わった考えは、現代では異端邪説だと言われるだろう。
- 君のような異端邪説を唱える奴が、周りに悪影響を与えるのだ。
- この説は昔から、異端邪説の扱いを受けてきた。
「異端邪説」の由来
「異端邪説」という四字熟語は『宋史』の「程顥伝(ていいでん)」が由来です。
『宋史』は、宋の時代の中国の正史です。正史とは、「国家などが編纂した歴史書」のことです。
原文は「異端を弁じ邪説を闢(はく)ひらく」です。
「異端邪説」の類義語
「異端邪説」には以下のような類義語があります。
- 異端邪宗(いたんじゃしゅう):正統ではない教えや信仰
- 異端異説(いたんいせつ):その時代において正統とは認められない思想・信仰・学説などのこと
- 邪説異端:「異端邪説」と同じ意味
「異端邪説」の対義語
「異端邪説」には以下のような対義語があります。
- 正真正銘(しょうしんしょうめい):本物であること
- 正真証明(しょうしんしょうめい):本物であること
「異端邪説」の英語訳
「異端邪説」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- heretical doctrine
(異端邪説) - hereticalness
(異端) - heterodoxy
(異端・異説・異教) - heresy
(異端・異説・異教)
hereticalが「異端」という意味で、doctrineが「教義・主義」などの意味です。
まとめ
以上、この記事では「異端邪説」について解説しました。
読み方 | 異端邪説(いたんじゃせつ) |
---|---|
意味 | 少数派に信じられている正統ではない主張や学説、宗教や間違った学説のこと。 |
由来 | 『宋史』程顥伝から |
類義語 | 異端邪宗、異端異説、邪説異端 |
対義語 | 正真証明、正真正銘 |
英語訳 | heretical doctrine(異端邪説),hereticalness(異端),heterodoxy(異端・異説・異教)など |
新しく提唱された説や考えを「異端邪説」と決めつけない柔軟性が大切です。
由来や類義語まで、しっかりと理解しましょう。