「静謐」の意味とは?使い方から類語や英語や対義語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、熟語の「静謐(せいひつ)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳について分かりやすく解説します。

☆「静謐」をざっくり言うと……

読み方静謐(せいひつ)
意味静かで穏やかなこと。また、世の中がそうである様子。
類義語長閑、静穏、清閑など
対義語喧騒、騒乱、物騒
英語訳tranquillity(落ち着き、静寂)など

「静謐」の意味をスッキリ理解!

静謐(せいひつ):静かで穏やかなこと。また、世の中がそうである様子。

「静謐」の意味を詳しく

「静謐」は「静かで穏やかなこと」や「世の中が穏やかである様子」を意味する熟語です。

「静」という漢字は、「静か」と書いて「しずか」と読むように「音がしない」という意味や、「やすらかにする」「落ち着いている」という意味を持っています。もう一方の「謐」という漢字も、「しずか」や「やすらか」という意味があるものです。

したがって、これらの漢字から成り立つ「静謐」は、同じような意味を持つ漢字を組み合わせてできた熟語であるということが分かります。

「静謐」の使い方

  1. お気に入りのソファに座って読書をしながら、静謐なひとときを過ごすのが彼のリフレッシュ方法だ。
  2. 戦争は終わり、この国は静謐に戻った。この平和がいつまでも続くといいな。

❶の例文では「静かで穏やかなこと」の意味で「静謐」が使われています。分かりやすく説明すると、「大きな音がなく心が乱されることのない平穏さ」を示しているのです。

「世の中が穏やかな様子」の意味で「静謐」が使われているのが、❷の例文です。この場合は争いごとがない様子を指していますが、日常生活で使われる際には風俗的な問題がない場合を指すこともあります。

「静謐」の類義語

静謐には以下のような類義語があります。

  • 長閑(のどか):穏やかでのんびりとしている様子。
  • 静穏(せいおん):しずかでおだやかな様子。
  • 清閑(せいかん):清らかでしずかなこと。
  • 太平(たいへい):世の中が平穏でよく治められていること。
  • 平安(へいあん):社会がおだやかで無事であること。
  • 天下泰平(てんかたいへい):世の中がよく治められていること。
「長閑」「静穏」「清閑」は、「静謐」の「静かで穏やかなこと」の近い意味を持つ類義語で、「太平」「平安」「天下泰平」は、「世の中が穏やかな様子」としての「静謐」に対する類義語です。

「静謐」の対義語

静謐には以下のような対義語があります。

  • 喧騒(けんそう):やかましく、さわがしいこと。
  • 騒乱(そうらん):世の中の秩序が乱れていること。
  • 物騒(ぶっそう):何が起こるかわからず、危ないこと。
「静かで穏やかなこと」という意味への対義語になるのが「喧騒」です。「騒乱」や「物騒」は、「静謐」の「世の中が穏やかな様子」という意味と逆の意味を持っています。

「静謐」の英語訳

静謐を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • tranquillity
    (落ち着き、静寂)
  • calm
    (落ち着いた、平和、平穏)
  • serene
    (穏やかな、やんごとなき)
  • peacefulness
    (平和であること)
calm と serene は、どちらも「静謐」同様「静かで穏やかなこと」と「世の中が穏やかである様子」の両方の意味を持っています。

まとめ

以上、この記事では「静謐」について解説しました。

読み方静謐(せいひつ)
意味静かで穏やかなこと。また、世の中がそうである様子。
類義語長閑、静穏、清閑など
対義語喧騒、騒乱、物騒
英語訳tranquillity(落ち着き、静寂)など

「静謐」は小説などでよく用いられる、文学的な言葉でもあります。きちんと意味を理解した上で使えば、周りに差をつけられます。