「おじ」には「伯父」「叔父」「小父」の3種類の漢字表記があります。
「どれがどんな人を指すのかわからない!」
そう思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では意外と知られてない「叔父」と「伯父」の違いについて解説していきたいと思います。
このページの目次
結論:「伯父」は兄のことで「叔父」は父母の弟のこと
「叔父」は父母の弟のことを指します。
「伯父」は父母の兄のことを指します。
また、「小父」は他人の中年男性のことを指します。
「叔父」と「伯父」の違いを詳しく
「伯父」と「叔父」はそれぞれ以下のような人を指します。
- 伯父:父母の兄、もしくは姉の夫
- 叔父:父母の弟、もしくは妹の夫
「伯父」か「叔父」かは父母の兄弟か、姉妹の夫かで異なるのです。
それぞれの場合について詳しく見ていきましょう。
祖父母の兄は「大伯父(おおおじ)」、祖父母の弟は「大叔父(おおおじ)」と呼ばれます。
父母の兄弟の場合
その人が父母の兄弟の場合、父母の兄の場合は「伯父」、父母の弟の場合は「叔父」です。
これを図に表すと以下のとおりです。
たとえば、お父さんが48歳で、お父さんの兄弟が52歳だったら、「伯父」です。
一方、お母さんが50歳で、お母さんの兄弟が46歳だった場合は「叔父」です。
「伯母」は父母の姉、「叔母」は父母の妹のことを指します。
性別が変わるだけで、「伯父」「叔父」の違いと同じです。
父母の姉妹の夫の場合
その人が父母の姉妹の夫の場合、父母の姉と結婚した男性の場合は「伯父」、父母の妹と結婚した男性の場合は「叔父」です。
この時には年齢は関係ありません。
「伯母」と結婚している人は例外なく「伯父」ですし、「叔母」と結婚している人は例外なく「叔父」です。
これを図に表すと以下のとおりです。
「伯父」か「叔父」かすぐわかるチャート図
「伯父」か「叔父」かすぐわかるチャート図を用意しました。
わからなくなってしまった場合はこの図を使って「伯父」か「叔父」か区別しましょう。
「小父」の意味
「小父」は「親族ではない中年の男性」のことです。
「小父」の呼ばれ方には以下のような種類があります。
- 丁寧に呼びたい場合:小父様、〇〇小父様
- 普通に呼びたい場合:小父さん、〇〇小父さん
- 親しみをこめたい場合:小父ちゃん、〇〇小父ちゃん
実際には、「おじさん」「おじさま」などとひらがなで表記されることが多いです。
「伯父」と「叔父」の覚え方
「伯父」と「叔父」は読み方が同じなので、覚えてもどっちがどっちだかすぐわからなくなってしまうと思います。
「伯父」と「叔父」がどちらが年上か覚える時には、「伯仲叔季(はくちゅうしゅくき)」という四字熟語が役立ちます。
「伯仲叔季」は兄弟姉妹の順番を表す言葉で、それぞれの漢字は以下のものを表します。
- 伯:長男・長女
- 仲:次男・次女
- 叔:三男・三女
- 季:末っ子
「伯」は長男のことを表すので、「伯父」は父母の兄のことを表すのです。
また、「伯」「叔」の漢字には以下のような意味があります。
- 伯:統率者・目上の人
- 叔:若い年少者のこと
ここからも「伯」が兄、「叔」が弟のことを指すとわかります。
「伯父」「叔父」の使い方
「伯父」「叔父」はひらがなで表記されることが多いです。
特に親の兄弟をまとめて呼ぶ場合には、ひらがなで表記されます。
しかし、結婚披露宴の席次表では「新郎叔父」などと漢字で表記するのが一般的です。
「伯父」「叔父」の英語訳
「伯父」「叔父」は英語では英語では区別なく “uncle” と呼ばれます。
英語では兄弟や姉妹を呼び分ける習慣がないからです。
ちなみに、おばのことは “aunt” と呼びます。
まとめ
以上、この記事では、「叔父」と「伯父」の違いについて解説しました。
- 叔父:父母の弟のこと
- 伯父:父母の兄のこと
この区別は日常生活では役立たないかもしれませんが、結婚式や葬式などの席次を作る時などに必要です。
そのような時に、表記を間違えて恥ずかしい思いをしないためにも、「叔父」と「伯父」の違いはぜひ覚えておくべきでしょう。