今回ご紹介する言葉は、ことわざの「金持ち喧嘩せず(かねもちけんかせず)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳について分かりやすく解説します。
☆「金持ち喧嘩せず」をざっくり言うと……
読み方 | 金持ち喧嘩せず(かねもちけんかせず) |
---|---|
意味 | 喧嘩をすれば損をすると金持ちは知っているため、人と争うことはしないということ |
類義語 | 重宝を懐く者は夜行せず |
対義語 | 貧すれば鈍する |
英語訳 | The wealthy do not fight.(裕福な人たちは喧嘩をしない。) |
このページの目次
「金持ち喧嘩せず」の意味をスッキリ理解!
「金持ち喧嘩せず」の意味を詳しく
「金持ち喧嘩せず」とは、「お金を持っている人は、喧嘩をすれば得よりも損が多いことを知っているため、人と争うことはしない」という意味のことわざです。また、「有利な立場にある者は、その立場を失わないために人と争わないようにする」という意味もあります。
「金持ち喧嘩せず」の本来の意味における、お金を持っている人が喧嘩をしない理由は「喧嘩をすれば得よりも損が多いことを知っているから」です。
しかし、最近では世俗的に、お金を持っている人が喧嘩をしない他の理由が考えられています。
たとえば、「お金を持っている人は、金銭的に余裕があるために気持ちに余裕が生まれ、そもそも喧嘩をしない」という考えがあります。また、「問題が発生したとしても、お金を持っている人は喧嘩せずともお金で解決できる」などが考えられています。
しかし、これらは本来の意味ではありません。あくまで、後付けの解釈と言えます。
「金持ち喧嘩せず」の使い方
「金持ち喧嘩せず」の使い方として、以下のような例文が挙げられます。
- 私が働いている会社の社長は滅多なことでは怒らない。金持ち喧嘩せずといったところだろうか。
- 誰かと衝突を起こしてもいいことは何もないので、金持ち喧嘩せずの精神を持つようにしている。
- 彼女は金持ち喧嘩せずの権化(ごんげ)かと思われるくらい、何事に対しても穏やかで気立ての良い人である。
「金持ち喧嘩せず」の類義語
「金持ち喧嘩せず」には以下のような類義語があります。
- 重宝(じゅうほう)を懐(いだ)く者は夜行(やこう)せず:大きな目的や目標を抱いている人は、軽率な行動をするべきではないということ
「貴重な品物を持っている人は、夜に出歩いてはいけない」というたとえから生まれたことわざです。
「金持ち喧嘩せず」の対義語
「金持ち喧嘩せず」には以下のような対義語があります。
- 貧(ひん)すれば鈍(どん)する:貧乏になると、賢い人であっても精神の働きまで愚鈍(ぐどん)になるということ。また、貧乏になると、心までも貧しくなるものだということ。
「金持ち喧嘩せず」の英語訳
「金持ち喧嘩せず」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- The wealthy do not fight.
(裕福な人たちは喧嘩をしない。) - a rich person who can afford not to argue
(主張をしない余裕がある裕福な人)
まとめ
以上、この記事では「金持ち喧嘩せず」について解説しました。
読み方 | 金持ち喧嘩せず(かねもちけんかせず) |
---|---|
意味 | 喧嘩をすれば損をすると金持ちは知っているため、人と争うことはしないということ |
類義語 | 重宝を懐く者は夜行せず |
対義語 | 貧すれば鈍する |
英語訳 | The wealthy do not fight.(裕福な人たちは喧嘩をしない。) |
「金持ち喧嘩せず」とは言いますが、お金をたくさん持っていなくても、心に余裕を持とうとする意識が大切です。お金だけが人を幸せにするのではありません。
もちろん、お金に余裕があれば、心に余裕が生まれやすいということはあるでしょう。しかし、それは心に余裕を生む1つの方法であって、すべてではありません。
自分なりに心に余裕を持とうとする意識が、人生をより豊かで幸せなものにするヒントになるでしょう。