今回ご紹介する言葉は、ことわざの「命の洗濯(せんたく)」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「命の洗濯」をざっくり言うと……
読み方 | 命の洗濯(せんたく) |
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意味 | 日ごろの束縛や苦労から解放されて、のびのびと過ごすこと |
類義語 | 鬼の居ぬ間に洗濯、命の土用干し、命の洗濯水入らず、心の洗濯 |
英語訳 | recreation(休養)、getaway(現実逃避) |
「命の洗濯」の意味をスッキリ理解!
「命の洗濯」の意味を詳しく
「命の洗濯」とは、日ごろの束縛や苦労から解放されて、のびのびと過ごすことを指します。また、「寿命が延びるほど思う存分に楽しむこと」という意味でも使われます。
現代では、温泉・山・海などの場所に旅行し、リラックスすることが定番の「命の洗濯」と言えます。しかし、運動をしたり、コンサートに行ったりして、心地よい疲労感を得ることが「命の洗濯」となる場合も考えられます。
「命の洗濯」の使い方
- 私にとっての命の洗濯は、見知らぬ土地で自分探しの旅をすることだ。
- 定期的に命の洗濯をすることは、長時間労働をしている人にとっては非常に重要である。
- 大好きなアイドルのコンサートに行くことができて、命の洗濯ができた。
②の例文では、働き詰めの人にとって、時に息抜きをすることは大事であるということを述べています。
③の例文は、「コンサートで寿命が延びるほど存分に楽しむことができた」ということを表します。
「命の洗濯」の由来
「命の洗濯」という表現は、1682年に書かれた井原西鶴(いはらさいかく)の浮世草子『好色一代男(こうしょくいちだいおとこ)』の中で使われています。しかし、その具体的な由来はわかっていません。
浮世草子とは、江戸時代に関西地方で作られた、町人階級の世の中のありさまや人情を書いた小説のことです。「好色一代男」の7巻で、以下のように述べられています。
さて今日よりは色里の衣装かさね、これをみる事命のせんだく
「色里の衣装かさね」とは、菊の節句(9月9日)に遊郭(ゆうかく)の高級遊女たちが着物や持ち物などを披露することです。遊郭とは、江戸時代に盛んだった、政府公認の風俗街のことです。
したがって、この記述の現代語訳は「高級遊女たちが着物や持ち物などを披露する様子をみることは誠に華やかで、命が洗濯されるようだ」となります。
また、当時、あまりお金のない者たちが、遊郭に行くためにお金を出し合うことも「命の洗濯」と言っていました。江戸時代の男性にとって、「命の洗濯」と遊郭は密接な関係にあったことがわかります。
「命の洗濯」の類義語
「命の洗濯」には以下のような類義語があります。
- 鬼の居ぬ間に洗濯
- 命の土用干し
- 命の洗濯水入らず
- 心の洗濯
「命の洗濯」の英語訳
「命の洗濯」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- recreation
(休養) - getaway
(現実逃避)
文章にすると、I want to have a recreation.(休養が欲しい。)や、I need a getaway.(現実逃避が必要だ。)となります。
まとめ
以上、この記事では「命の洗濯」について解説しました。
読み方 | 命の洗濯(せんたく) |
---|---|
意味 | 日ごろの束縛や苦労から解放されて、のびのびと過ごすこと |
類義語 | 鬼の居ぬ間に洗濯、命の土用干し、命の洗濯水入らず、心の洗濯 |
英語訳 | recreation(休養)、getaway(現実逃避) |
人生は一度きりです。一度きりの人生を豊かなものにするには、適度な「命の洗濯」をして、仕事と休暇のバランスをとることが重要です。
周りでストレスを抱えている人がいたら、積極的に「命の洗濯」を勧めてあげましょう。