今回ご紹介する言葉は、熟語の「発症(はっしょう)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「発症」をざっくり言うと……
読み方 | 発症(はっしょう) |
---|---|
意味 | 病気の症状が現れること |
対義語 | 潜伏 |
英語訳 | outbreak of an illness(病気の発生) |
「発症」の意味をスッキリ理解!
「発症」の意味を詳しく
「発症」とは、症状が発生することです。症状とは、病気にかかったり怪我を負った際に、身体や精神に起こる異常が認知される状態のことです。
つまり、「発症」とは、「もともと抱えていた病気によって、身体や精神に異常が現れたこと」を意味しています。
したがって、病気にかかっていたり病原菌に感染していたとしても、身体や精神に異常が出ていなければ「発症している」とは言えません。
しかし、自分で病気だという自覚がなくても、身体や精神に異常が発生していれば、それは発症していると言えます。
「発症」の使い方
「発症する」という形で用いられることが一般的です。
具体的な使い方として、以下の例文が挙げられます。
- 毎年春になると、花粉症の症状が発症する。
- 急性虫垂炎による腹部の痛みが発症する。
- HIVウイルスに感染すると、エイズを発症する可能性がある。
「発症」の類義語
発症には以下のような類義語があります。
- 発病(はつびょう)
- 罹患(りかん)
「発病」と「罹患」は、どちらも「病気になること」を表しています。この二つの言葉は同義です。しかし、「発病」の方が一般的に用いられている表現です。「罹患」の方がより文章語であると言えます。
「罹患」は、「罹患者」や「罹患率」などいう言葉で使われることがあります。
ただし、すでに解説しましたが、病気を「発病」していたり、病気を「罹患」していたとしても、その症状が出ていなければ「発症」しているとは言いません。
「発症」の対義語
発症には以下のような対義語があります。
- 潜伏(せんぷく):病原体が体内に侵入してから、まだ症状が現れていない状態
病原体が体内に侵入してから、それによる症状が現れるまでの期間を「潜伏期」または「潜伏期間」と言います。
「発症」の英語訳
発症を英語に訳すと、次のような表現になります。
- outbreak of an illness
(病気の発生) - pathogenesis
(発症、病因) - appearance of symptoms
(症状の出現)
“outbreak of an illness” の “an illness” を具体的な症状に書き換えることができます。
たとえば、 “outbreak of a headache” で「頭痛の発症」と訳します。
まとめ
以上、この記事では「発症」について解説しました。
類義語発病、罹患
読み方 | 発症(はっしょう) |
---|---|
意味 | 病気の症状が現れること |
対義語 | 潜伏 |
英語訳 | outbreak of an illness(病気の発生) |
「発症」という言葉の意味を理解すると、併せて「発病」や「罹患」という似た言葉についての理解も深まるのではないでしょうか。このような、似ている言葉の少しの違いを理解するだけでも、ボキャブラリーは飛躍的に豊かになるはずです。