今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「怨憎会苦(おんぞうえく)」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「怨憎会苦」をざっくり言うと……
読み方 | 怨憎会苦(おんぞうえく) |
---|---|
意味 | うらみ憎む人に出会う苦しみ。 |
由来 | 仏教における苦しみの分類のひとつ。 |
類義語 | 愛別離苦、求不得苦、五蘊盛苦 |
英語訳 | the pain of meeting people one dislikes(嫌っている人に会う苦しみ)など |
「怨憎会苦」の意味をスッキリ理解!
「怨憎会苦」の意味を詳しく
怨憎会苦は、「うらみ憎む人に出会う苦しみ」を意味します。この四字熟語は仏教用語で、現在でも仏教に関する文脈で用いられることがほとんどです。
この四字熟語の意味は、「怨憎会」と「苦」という二つの部分に分けることで理解しやすくなります。「怨憎会」とは「怨み(うらみ)憎む人に会うこと」を意味します。
先に説明したように、怨憎会苦は、「怨み憎む人に会う」という「苦しみ」を意味しています。つまり、先にくる「怨憎会」という部分が、後にくる「苦」という部分を修飾している関係なのです。
「怨憎会苦」の使い方
- 同僚と怨憎会苦の状態であっても、仕事に支障をきたすわけにはいかない。
- 彼女たちは、怨憎会苦を超えて協力しあうことを誓った。
- 怨憎会苦の試練を乗り越えるには、相手のことを気にしすぎないのもひとつの手である。
「怨憎会苦」の由来
怨憎会苦は、仏教における苦しみの分類のひとつです。仏教では、苦しみは八つの種類に分けられます。
まずはじめの四つは、人生において必ず起こる根本的な苦しみです。これらは「生きること」「老いること」「病気になること」「死ぬという恐怖」であるとされています。
これら四つに加えて苦しみだと考えられるもののひとつが、「怨憎会苦」なのです。ちなみに、八つ全ての苦しみを合わせたものを指すのが「四苦八苦」という四字熟語です。
怨憎会苦は、仏教の経典である『法華経譬喩品(ほけきょうひゆほん)』や『北本涅槃経(ほくほんねはんぎょう)』に実際に登場します。
「怨憎会苦」の類義語
怨憎会苦には以下のような類義語があります。
- 愛別離苦(あいべつりく):愛する人と離れる苦しみ。
- 求不得苦(ぐふとくく):欲しいものが手に入らない苦しみ。
- 五蘊盛苦(ごうんじょうく):心や身体が思い通りにならない苦しみ。
これら三つの四字熟語は、「四苦八苦」のうちのひとつです。仏教では、怨憎会苦と並んで、生きるうえで必ず起こる苦しみだと考えられています。
「怨憎会苦」の英語訳
怨憎会苦を英語に訳すと、次のような表現になります。
- the pain of meeting people one dislikes
(嫌っている人に会う苦しみ) - pain of meeting hateful person
(不愉快な人に会う苦しみ)
まとめ
以上、この記事では「怨憎会苦」について解説しました。
読み方 | 怨憎会苦(おんぞうえく) |
---|---|
意味 | うらみ憎む人に出会う苦しみ。 |
由来 | 仏教における苦しみの分類のひとつ。 |
類義語 | 愛別離苦、求不得苦、五蘊盛苦 |
英語訳 | the pain of meeting people one dislikes(嫌っている人に会う苦しみ)など |
「怨憎会苦」は、現在でも仏教の用語としての意味合いが強い四字熟語です。教養のひとつとして、知っておくようにしましょう。