「天下泰平」の意味とは?使い方から類語や英語や対義語まで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「天下泰平(てんかたいへい)」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「天下泰平」をざっくり言うと……

読み方天下泰平(てんかたいへい)
意味世の中が平和に治まっていること。また、のんびりと心配事がなく穏やかなさま。
由来『礼記』の「仲尼燕居」より
類義語安穏無事、堯年舜日、尭風舜雨、など
対義語天下多事など
英語訳peaceful(平和な)

「天下泰平」の意味をスッキリ理解!

天下泰平(てんかたいへい):世の中が平和に治まっていること。また、のんびりと心配事がなく穏やかなさま。

「天下泰平」の意味を詳しく

「天下泰平」の「天下」は「天の下の全て」を表します。つまり、「この世」ということです。

「泰平」とは平和のことを言います。この熟語1つで「世の中が穏やかで平和に治まる」という意味になり、「天下」が組み合わさることで広い範囲で平和だということを表しています

この意味が転じて、「心配事がなく、のんびりして穏やかな様子」という意味でも使われるようになりました。

「天下泰平」の使い方

  1. 「日本は天下泰平だ」という意見には、反対する人も多くいます。
  2. 子供達のおだやかな寝顔を見ていると、天下泰平を感じます。

「天下泰平」の由来

周から漢の時代にかけての中国で、『礼記(らいき)』という儒教の書物が書かれました。その中の28篇に「仲尼燕居(ちゅうじえんきょ)」という話があります。この「仲尼燕居」では、儒教の祖である孔子が、弟子たちとなごやかに話をする姿が書かれています。

孔子が「礼」という規範について、「有言実行するのが礼、実行して楽しむのが楽である。その2つから徳を得た結果、高い位に就く。そうであってこそ天下が泰平なのだ。」と説きました。この孔子の言葉から「天下泰平」が生まれました。

「天下泰平」の類義語

天下泰平には以下のような類義語があります。

  • 安穏無事(あんのんぶじ):世の中や暮らしが平和で、何事もなくおだやかなさま。
  • 平穏無事(へいおんぶじ):穏やかで何事もないこと。
  • 安寧秩序(あんねいちつじょ):世の中が落ち着いていて、安定していること
  • 堯年舜日(ぎょうねんしゅんじつ):世の中が平和な様子。
  • 尭風舜雨(ぎょうふうしゅんう):世の中が平和でおだやかなこと。
  • 四宇和平(しうわへい):おだやかで世の中がよくおさまっているさま。
  • 千里同風(せんりどうふう):世の中がよくおさまっていて平和なさま。
  • 泰平無事(たいへいぶじ):なんの心配事もなく平和なこと。
  • 地平天成(ちへいてんせい):天地が平和で、万物が栄えること。
  • 天下治平(てんかちへい):世の中が非常によくおさまっている様子。
  • 万民太平(ばんみんたいへい):平和で、人々が安らかに暮らせること。

「天下泰平」の類義語は非常にたくさんあります。このことから、人々が古くから世の中の平和を願ってきたことがわかりますね。

「天下泰平」の対義語

天下泰平には以下のような対義語があります。

  • 天下多事(てんかたじ):世の中が騒がしく、危険なさま。

「天下泰平」の英語訳

天下泰平を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • peaceful
    (平和な)
  • calm
    (平穏な)

“calm” は人の性格を表す際に使うことが多いですが、 “calm world” のように人以外の名詞にも使うことができます。

まとめ

以上、この記事では「天下泰平」について解説しました。

読み方天下泰平(てんかたいへい)
意味世の中が平和に治まっていること。また、のんびりと心配事がなく穏やかなさま。
由来『礼記』の「仲尼燕居」より
類義語安穏無事、堯年舜日、尭風舜雨、など
対義語天下多事など
英語訳peaceful(平和な)

「天下泰平」は平和な世の中を表した四字熟語です。つまり、平和な世の中を願った四字熟語だとも言うことができます。