「首尾一貫」の意味とは?使い方から英語や類語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、四字熟語の「首尾一貫(しゅびいっかん)」です。

言葉の意味・使い方・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「首尾一貫」をざっくり言うと……

読み方首尾一貫(しゅびいっかん)
意味最初から最後まで理論や筋が一緒のこと
類義語終始一貫、初志貫徹 など
英語訳coherent(明快である)、consistent(矛盾のない)

「首尾一貫」の意味をスッキリ理解!

首尾一貫(しゅびいっかん):最初から最後まで理論や筋が同じであること

「首尾一貫」の意味を詳しく

「首尾一貫」は、何かの物事の理論や話の筋が、最初から最後まで変わりがなく矛盾がないという意味です。「首尾」は、「首とお尻」という意味です。生物の身体器官を始めと終わりに例えています。

つまり、首が初めでを、お尻が終わりを指しています。それが「一貫」しているのです。

「首尾一貫」の使い方

  1. 首尾一貫した説明は分かりやすい。
  2. 論文は首尾一貫性が求められる。
  3. チーム内の意見は首尾一貫して統一するべきだ。

①は説明に関する例文です。どう説明したら良い説明になるのかというノウハウが記述された本には、こうした文がよく書いてあります。「首尾一貫」した説明とは、初めから最後まで話の筋道が通った説明のことです。

「Aという到達点にたどり着きたいので、BとCというステップを踏みましょう」というような説明が挙げられます。目的が明確で、そのためのステップが明白であるため話の筋道が通っているのです。説明と「首尾一貫」はセットで使われることが多いので覚えておきましょう。

 

②は、論文に関する例文です。論文は理論の文章です。理論には、矛盾があってはいけません。きちんと言いたいことが主張されて、それを裏付ける証拠の文章を記述する必要があります。

そのため、説明を行なっている途中で、自分の言いたいことと逆のことを言ってはいけないのです。もし、自分の言いたいことと逆のことを論文の中に書いてしまうと、結論の部分も変わってしまいます。

記述したことから導き出される結果ですから矛盾してしまいます。これでは「首尾一貫」していません。そのため、この例文のように、言いたいことに沿って文章を書いていくべきなのです。

 

③は、チームや組織に関する例文です。チームで行動する際には、ルールやアイデアの共有が必要です。チームの誰もが、自分の赴くままに行動していたら個人プレイになってしまい大変なことになります。

そのため、どう行動するべきなのかをあらかじめマニュアル化して考え方を共有することで、統率が取れます。チーム内の考えが首尾一貫することになるのです。

「首尾一貫」の類義語

「首尾一貫」には以下のような類義語があります。

  • 終始一貫 :始まりから終わりまで同じなこと
  • 初志貫徹 :初めに決めたことを貫き通すこと
「終始」は終わりと始まりを表しており、それが変わらず同じであるという意味です。「終始」は単体では、「終始する」という言い方もできます。例えば、「音楽活動に終始する」という言い方ができます。

しかしながら、「終始一貫」のように最初から最後まで同じであるという意味はなく、ずっと行うことやずっと打ち込むというようなニュアンスになるので、この点は注意が必要です。

「首尾一貫」とは「一貫」という文字が同じで、意味もほぼ同じです。しかしながら、始まりと終わりを生物の首とお尻で例える点と、そのまま熟語にする点では異なっています。

 

「首尾一貫」の方が、少しひねりが効いた四字熟語なのですね。また、「首尾」と「終始」では始まりと終わりのどちらが先に来るかという点が異なっています。「終始一貫」では、誤って「始終一貫」というような書き方や使い方をしてしまわないようにしましょう。

 

「初志貫徹」は、「最初に思い浮かんだことや想いなどをずっと持ち続けて、それをずっと貫き通す」という意味です。「初志」というのは、初めての志という意味ですが、抱負や野望など最初に立てた大きな目標という意味です。

「貫徹」という言葉はあまり日常生活では使いません。「徹底して貫き通す」という意味です。これらを合わせることで、最初に立てた大きな目標や志を最後まで貫き通すという意味になります。

「初志貫徹」は、「首尾一貫」に比べて感情的な側面に焦点を与えています。

「首尾一貫」は説明や理論など、感情が必要のないものに対して用います。一方の「初志貫徹」は、感情や思想が全く最初と最後で全く変化しないという意味で使われます。「首尾一貫」と「初志貫徹」では、焦点を当てる部分が異なっているので注意して覚えるべきです。

「首尾一貫」の英語訳

「首尾一貫」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • coherent 
    (明快である)
  • consistent
    (矛盾のない)

「分かりやすい首尾一貫した説明である」と言いたいときの英語は、 “coherent” が適切です。 “coherent” には、考え方や理論が首尾一貫していて分かりやすいという意味があります。

その他にも、明確に人に理解してもらいやすく話すといった意味や、チーム内のメンバーの考え方が同じであるという意味もあります。この記事で取り上げた例文の意味は網羅しています。 “coherent account” (分かりやすい説明)などの使い方をします。

 

「一貫性のある」「矛盾のない」と言いたい時には “consistent” を使うことができます。こちらは、 “coherent” に比べて、矛盾や一貫したというようなニュアンスが強くなります。

そのため、論文など矛盾していないことに関して何か言いたい時はconsistentを使うべきです。coherentととの使い分けがとても難しいですが、分かりやすいと言いたい時は “coherent” 、矛盾がなく一貫していると言いたい時は “consistent” と覚えておくとよいでしょう。 “consistent evidence” (一貫した証拠)のように、使うことができます。

まとめ

以上、この記事では「首尾一貫」について解説しました。

読み方首尾一貫(しゅびいっかん)
意味最初から最後まで理論や筋が一緒のこと
類義語終始一貫、初志貫徹 など
英語訳coherent(明快である)、consistent(矛盾のない)

「首尾一貫」は、ショッピングなど日常生活の会話文の中で使うことはあまりありません。

しかしながら他人を評価するときや、仕事をする上ではこの概念がとても重要になってきます。ぜひ、この記事で「首尾一貫」の使い方や意味を覚えて、実際に使えるようになりましょう。