イシューとは「本質的な問題や論じるべきテーマ」という意味です。
イシューはビジネスの場面で使われる言葉ですが、使う業界に偏りがあるため、意味を知らないという人も多いですよね。
この記事では、イシューの意味や使い方を詳しく解説します。
☆「イシュー」をざっくり言うと……
英語表記 | イシュー(issue) |
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意味 | 本質的な問題や論じるべきテーマ |
語源 | 「問題・課題」という意味の英単語 “issue” |
類義語 | プロブレム タスクなど |
このページの目次
「イシュー」の意味
本質的な問題や論じるべきテーマ
例:イシューを特定しよう。
イシューとは、「論点」「課題」「問題」などの意味を持つ言葉です。
その中でも、ささいな問題ではなく、特に重要で本質的な課題を表します。
また、単に困っている問題やどうにもならない壁よりも、「解決すべき対象」として前向きに向き合っている課題を表します。
「イシュー」の具体例
イシューは、ビジネスの場面で使われます。
その際に、漠然とした議論テーマを表すのではなく、明確になっている問題点や、具体的な課題点を表すのです。
例えば、「営業成績」というテーマは漠然過ぎるため、イシューと呼ぶには不適切です。
より具体的に課題やテーマを表した、以下のようなものがイシューになります。
- 昨年度の営業成績が例年より低かったこととその原因
- 来期の営業成績を上げるためにはどうすればよいか
「イシュー」を設定する際の注意点
イシューの注意点としては、以下のようなものが挙げられます。
- 即効性が必要な問題を設定しない
- 会議中にイシューを見失わない
注意点➀:即効性が必要な問題を設定しない
イシューは長期的に向き合って解決を目指すための問題です。
そのため、イシューとして設定された課題は、時間をかけて解決していく必要があります。
すぐに解決しなければならない問題は、イシューではなくプロブレムです。
注意点➁:会議中にイシューを見失わない
会議で取り扱うイシューは、ただ設定しておけばいいものではありません。
会議は常にイシューを軸にして話し合われる必要があります。
そのため、議論が進むにつれて、設定したイシューから話題が逸れないように注意が必要なのです。
「イシュー」の使い方
イシューは、以下のような形で使われることが多いです。
- イシューを取り上げる
- イシューを特定する
- イシューを解決する
- イシューに取り組む
上記を踏まえて、実際の例文を見ていきましょう。
- 弊社のイシューを特定しましょう。
- まずは、このビッグイシューを取り上げます。
- 営業部のクリティカルイシューを解決しなければ、未来はありません。
➁のビッグイシューとは、特に大きな課題や問題点のことです。
➂のクリティカルイシューとは、特に重要な課題や問題点のことです。
コンサルティングやシンクタンクなどの特定の業界で積極的に使われれます。
ただし、イシューはビジネスの場でよく使われる言葉なので日常生活で頻繁に使うと、相手に不快感を与えてしまうこともあります。
使う場面には注意しましょう。
「イシュー」の語源
イシューの語源は、「問題・課題」という意味の英単語 “issue” です。
英語の “issue” には、以下のような意味があります。
- 問題
- 課題
- 発行物
カタカナ語のイシューは、英語の “issue” より限定的な意味で使われていることがわかりますね。
「イシュー」の類義語
イシューには以下のような類義語があります。
- プロブレム
問題や課題のこと - タスク
課せられた仕事や課題 - 問題
解決すべき事柄 - 論点
議論における問題点、焦点 - 課題
与えられる問題や題目 - 議題
会議で討議する問題や課題 - 要点
物事の中止となる重要なところ
「イシュー」と「プロブレム」の違い
イシューとプロブレムには以下のような違いがあります。
- イシュー
改善することで品質が上がる問題 - プロブレム
被害があって対処すべき問題
つまり、マイナスをゼロに改善するための議題がプロブレムで、ゼロをプラスまで持っていくための議題はイシューです。
イシューの方が、より前向きで向上心のある課題設定だということがわかります。
「イシュー」と「タスク」の違い
タスクは「自分が行う必要がある作業」という意味の言葉です。
議論や、課題という意味はないので、イシューとは意味が大きく異なります。
また、イシューは主に会社全体やプロジェクト、商品など物事に対して用いられ、タスクは自分や所属するチーム・部署などに対して用いられるという違いもあります。
「イシュー」と「問題」の違い
イシューと問題には以下のような違いがあります。
- イシュー
今後どうしていくか解決すべきこと - 問題
困った事柄など厄介であるもの
イシューは、同じ問題の中でも、向上が見込めるものや前向きな問題に対して使われるのです。
「イシュー」の関連語
イシューの関連語には以下のようなものがあります。
- イシューツリー
問題を細分化して解決することで元の問題を解決していく方法 - イシューアナリシス
問題を構造的に分析する手法 - イシュードリブン
イシューをもとにした意思決定 - ディープイシュー
人類の重大課題
「イシューツリー」の意味
イシューツリーとは、問題を細分化して解決することで元の問題を解決していく方法です。
大きな問題や課題を中心に描き、その周りに対策や現状の課題を枝のように描いていきます。
ツリー状にイシューを展開させることで、現状の把握はもちろん、より具体的な問題把握ができるというメリットがあります。
「イシューアナリシス」の意味
イシューを細かく突き詰めて分解し、それぞれ分析することがイシューアナリシスです。
イシューツリーは、イシューアナリシスのための手段のひとつだということができます。
イシューを細かく突き詰めて分解し、それぞれ分析していきます。
「イシュードリブン」の意味
イシュードリブンとは、イシューをもとにした意思決定です。
ドリブンの語源は英語の “driven” です。
“driven” は “drive” の過去形で「~に突き動かされた」という意味を持ちます。
つまり、イシュードリブンとは、「イシューに突き動かされた結果の結論」という意味なのです。
「ディープイシュー」の意味
ディープイシューとは、地球環境を守りつつ、快適に生活し子孫を残すために必要な人類の重大課題です。
水の確保や食糧難への対応など、命を守り、受け継いでいくための解決しなければならない根本的な課題を指します。
「イシュー」のまとめ
以上、この記事ではイシューについて解説しました。
英語表記 | イシュー(issue) |
---|---|
意味 | 本質的な問題や論じるべきテーマ |
語源 | 「問題・課題」という意味の英単語 “issue” |
類義語 | プロブレム タスクなど |
この機会に、イシューをビジネスの場面で使えるようにしておきましょう。