今回ご紹介する言葉は、故事成語の「忠言は耳に逆らう(ちゅうげんはみみにさからう)」です。
「忠言は耳に逆らう」の意味、例文、由来、類義語、対義語、英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「忠言は耳に逆らう」をざっくり言うと……
読み方 | 忠言は耳に逆らう(ちゅうげんはみみにさからう) |
---|---|
意味 | 忠告の言葉は聞く者にとっては耳が痛いから、素直に聞き入れにくいということ |
由来 | 『孔子家語』に出てくる、「孔子曰く、良薬は口に苦けれども病に利あり、忠言は耳に逆らえども行いに利あり」という言葉から |
類義語 | 諫言耳に逆らう、苦言は薬なり、甘言は病なり、良薬は口に苦し、など |
対義語 | 佞言は忠に似たり |
英語訳 | Good advice is harsh to the ear |
このページの目次
「忠言は耳に逆らう」の意味をスッキリ理解!
忠言は耳に逆らう(ちゅうげんはみみにさからう):忠告の言葉は聞く者にとっては耳が痛いから、素直に聞き入れにくいということ
「忠言は耳に逆らう」の意味を詳しく
「忠言は耳に逆らう」とは、忠告の言葉は聞く者にとっては耳が痛いから、素直に聞き入れにくいということです。
「忠言」とは、まごころをこめて不正や欠点を改めるように忠告する言葉です。
「忠言耳に逆らう」と表記されることもあります。
しかし、「忠告は耳に逆らう」と表記するのは間違いなので注意が必要です。
「忠言は耳に逆らう」の例文
- 妻から忠告されたとき、忠言は耳に逆らうという言葉を思い出し、素直に従うことにした。
- 忠言は耳に逆らうと言うが、忠告はためになるので受け入れなければならない。
- 忠言は耳に逆らうという言葉を聞いて、とても勉強になった思い出がある。
「忠言は耳に逆らう」の由来
「忠言は耳に逆らう」の出典は『孔子家語(こうしけご)』の「六本」という章と、『史記』の「淮南公伝(わいなんこうでん)」という章です。
この章の中に、「孔子曰く、良薬は口に苦けれども病に利あり、忠言は耳に逆らえども行いに利あり」という言葉が出てくるのです。
この言葉は「孔子が言うには、いい薬は苦いが病に効き、忠言は耳に痛いものだがよい行動をするのに役立つ」という意味を表しています。
『孔子家語』
『孔子家語』とは、『論語』から漏れた孔子一門の説話を収集したとされる古書です。
「忠言は耳に逆らう」の類義語
「忠言は耳に逆らう」には以下のような類義語があります。
- 諫言耳に逆らう(かんげんみみにさからう)
- 金言(きんげん)耳に逆らう
- 苦言は薬なり、甘言(かんげん)は病なり
- 薬の灸(きゅう)は身に熱く毒な酒は甘い
- 至言は耳に忤(さから)う
- 忠は憎しみのもと
- 良薬は口に苦し
「忠言は耳に逆らう」の対義語
「忠言は耳に逆らう」には以下のような対義語があります。
- 佞言(ねんげん)は忠に似たり:こびへつらう言葉は忠義の言葉と似ているので注意するべき
「忠言は耳に逆らう」の英語訳
「忠言は耳に逆らう」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- Good advice is harsh to the ear.
(忠言は耳に痛い) - Truth finds foes, where it makes none.
(真実は身近ら敵を作らないのにもかかわらず敵ができてしまう) - Good medicine is bitter to the mouth.
(良薬は口に苦し) - Advice is not welcome.
(忠告は歓迎されない) - Advice when most needed is least needed.
(最も必要なときの忠告ほど心に残らない)
まとめ
以上、この記事では「忠言は耳に逆らう」について解説しました。
読み方 | 忠言は耳に逆らう(ちゅうげんはみみにさからう) |
---|---|
意味 | 忠告の言葉は聞く者にとっては耳が痛いから、素直に聞き入れにくいということ |
由来 | 『孔子家語』に出てくる、「孔子曰く、良薬は口に苦けれども病に利あり、忠言は耳に逆らえども行いに利あり」という言葉から |
類義語 | 諫言耳に逆らう、苦言は薬なり、甘言は病なり、良薬は口に苦し、など |
対義語 | 佞言は忠に似たり |
英語訳 | Good advice is harsh to the ear |
忠告は確かに耳が痛いことですが、とてもためになるものでもあります。
忠告は相手のことを思っているから言うのです。
なので、甘い言葉に惑わされず、厳しい言葉にもきちんと耳を傾けていきたいものです。