ことわざ「後は野となれ山となれ」の意味とは?類語や英語まで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「後は野となれ山となれ」です。

言葉の意味・例文・由来・類義語・対義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「後は野となれ山となれ」をざっくり言うと……

読み方後は野となれ山となれ(あとはのとなれやまとなれ)
意味目先のことさえ解決できれば、後はどうなっても構わないということ
由来近松門左衛門の作品『冥途の飛脚(めいどのひきゃく)』
類義語「先は野となれ山となれ」「旅の恥はかき捨て」など
対義語「鷲は立ちて跡を濁さず」「飛ぶ鳥跡を濁さず」など
英語訳I don’t care happens afterwards.(その後起こることは気にしません。)

「後は野となれ山となれ」の意味をスッキリ理解!

後は野となれ山となれ:目先のことさえ解決できれば、後はどうなっても構わないということ

「後は野となれ山となれ」の意味を詳しく

「後は野となれ山となれ」は、目先のことさえ解決できれば、後はどうなっても構わないという意味です。自分ができることは全てやったのだから、あとのことは知ったことでは無いという「開き直りの気持ち」を込めて使います。また使用例によっては、潔く見えることもあります。

「後は野となれ山となれ」の例文

  1. 目先のことが終わったからといって、後は野となれ山となれ状態は酷すぎるよ。
  2. やれることはやったので、後は野となれ山となれ状態だ。
  3. テストの問題がわからなかったので、後は野となれ山となれで適当に回答を埋めた。
  4. 友達の推薦で生徒会長に選ばれたが、全くやる気が起きない。そのため、後は野となれ山となれ状態である。

「後は野となれ山となれ」の由来

「後は野となれ山となれ」の由来は、浄瑠璃『冥途の飛脚(めいどのひきゃく)』の一節「栄耀栄華(えいようえいが)も人の金、はては砂場を打ち過ぎて、あとは野となれ大和路(やまとじ)や。」です。江戸時代の浄瑠璃及び、歌舞伎役者である近松門左衛門の作品です。

この一説は、飛脚問屋の忠兵衛が客のお金を横領して逃げるシーンに出てきます。

「後は野となれ山となれ」の類義語

「後は野となれ山となれ」には以下のような類義語があります。

  • 末は野となれ山となれ:結果を考えない無責任な態度
  • 旅の恥はかき捨て:旅先には知人もいないし長くとどまるわけでもないので、普段ならしないような恥ずかしい言動も平気でやってしまうものだということ
  • 旅の恥は弁慶状(べんけいじょう):「旅の恥はかき捨て」と同じ意味

「後は野となれ山となれ」の対義語

「後は野となれ山となれ」には以下のような対義語があります。

  • 鷲(わし)は立ちて跡を濁さず:去る時に何も問題を残さないという意味
  • 立つ鳥跡を濁さず:引き際は美しくあるべきだということ
  • 飛ぶ鳥跡を濁さず:立ち去る者は、自分のいた場所を汚れたままにせず、きれいにしてから行くものだといういましめ
  • 鳥は立てども後を濁さず:去る時に何も問題を残さないという意味

「後は野となれ山となれ」の英語訳

「後は野となれ山となれ」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • I don’t care happens afterwards.
    (その後に起こることは気にしません。)
  • After us me , the deluge.
    (私たちの後に洪水が来るのなら来い。)

 

まとめ

以上、この記事では「後は野となれ山となれ」について解説しました。

読み方後は野となれ山となれ(あとはのとなれやまとなれ)
意味目先のことさえ解決できれば、後はどうなっても構わないということ
由来近松門左衛門の作品『冥途の飛脚(めいどのひきゃく)』
類義語「先は野となれ山となれ」「旅の恥はかき捨て」など
対義語「鷲は立ちて跡を濁さず」「飛ぶ鳥跡を濁さず」など
英語訳I don’t care happens afterwards.(その後起こることは気にしません。)

「後は野となれ山となれ」には、このような意味や使い方があります。最後までやり遂げる気持ちがある場合には使用しないので、注意しましょう。