今回ご紹介する言葉は、ことわざの「お茶を濁す(おちゃをにごす)」です。
意味、使い方、由来、類義語、対義語、英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「お茶を濁す」をざっくり言うと……
読み方 | お茶を濁す(おちゃをにごす) |
---|---|
意味 | その場しのぎで誤魔化すこと |
由来 | お茶の作法を知らない人が、なんとなくの手順で茶道の真似事をしていたこと |
類義語 | 口を濁す、言葉を濁す、跡を濁す、曖昧、有耶無耶、鯖を読む、など |
対義語 | 嘘偽りがない、正々堂々、一点の曇りもない、など |
英語訳 | To make shift for the moment.(一時しのぎにその場を誤魔化す) |
このページの目次
「お茶を濁す」の意味をスッキリ理解!
お茶を濁す:その場しのぎで誤魔化(ごまか)すこと
「お茶を濁す」の意味を詳しく
「お茶を濁す」とは、その場しのぎで誤魔化すことです。はぐらかす・表面のみを取り繕う、などと言い換えることもできます。
もともと日本人は、無意識に色々なことを「濁す」傾向があります。多分・きっと・ちょっと・〜だろう、などの言葉を使い、 “Yes” “No” をはっきり言わないことが多いのです。
そのため、「お茶を濁す」ということわざは、日本人の特徴を表現しているといえます。
「お茶を濁す」の使い方
「お茶を濁す」は、自分の都合が悪い場合に使う言葉です。以下は「お茶を濁す」を使った例文です。
- 質問されたが、はっきり説明できる自信が無いためお茶を濁した。
- お茶を濁しているうちは頼りにならない。
- 仕事場でお茶を濁していては先に進めない。
「お茶を濁す」の由来
「お茶を濁す」のお茶とは、緑茶のことではありません。茶道で使う、抹茶で点(た)てたお茶のことです。
かつてお茶は、高級な飲み物でした。そのため、茶道の作法は、貴族や僧侶のような高い階級の人たちのみが知っていました。
それを、茶道を知らない庶民が、お湯に入れた抹茶をかき混ぜて濁らせ、なんとなくの手順で誤魔化したことが由来だと言われています。
「お茶を濁す」の類義語
「お茶を濁す」には以下のような類義語があります。
- 口を濁す:はっきり言わず、曖昧な状態のこと
- 言葉を濁す:はっきり言わず、曖昧な状態のこと
- 跡を濁す:立ち去った後に醜(みにく)い状態を残すことのたとえ
- 曖昧(あいまい):内容がぼんやりしていて、はっきりしないこと
- 有耶無耶(うやむや):物事がどうなのかはっきりしないこと
- 鯖を読む(さばをよむ):数字をごまかすこと
「お茶を濁す」の対義語
「お茶を濁す」には以下のような対義語があります。
- 嘘偽りがない(うそいつわりがない):嘘や偽りがなく、正直だということ
- 正々堂々:正しく、整っていて勢いが盛んなこと
- 一点の曇りもない:隠し事のない、澄(す)み切った状態であること
「お茶を濁す」の英語訳
「お茶を濁す」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- To make shift for the moment.
(一時しのぎにその場を誤魔化す) - pussyfoot around.
(子猫のように、忍び足で歩いていく) - give an evasive replay.
(歯切れの悪い返事をする)
まとめ
以上、この記事では「お茶を濁す」について解説しました。
読み方 | お茶を濁す(おちゃをにごす) |
---|---|
意味 | その場しのぎで誤魔化すこと |
由来 | お茶の作法を知らない人が、なんとなくの手順で茶道の真似事をしていたこと |
類義語 | 口を濁す、言葉を濁す、跡を濁す、曖昧、有耶無耶、鯖を読む、など |
対義語 | 嘘偽りがない、正々堂々、一点の曇りもない、など |
英語訳 | To make shift for the moment.(一時しのぎにその場を誤魔化す) |
日本人であれば、日常生活の中で「お茶を濁す」場面はたくさんあると思います。しかし、時には自分の意見をはっきり言うことも大切なので、バランスよく使っていきたいですね。