今回ご紹介する言葉は、ことわざの「火事場の馬鹿力(かじばのばかぢから)」です。
意味、使い方、由来、類義語、英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「火事場の馬鹿力」をざっくり言うと……
読み方 | 火事場の馬鹿力(かじばのばかぢから) |
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意味 | 危機的な状況で、普段は想像できないような力を無意識に発揮することのたとえ |
由来 | 火事の時、切迫した状況下で、自分では想像もつかないような行動ができることがある |
類義語 | 逆境に強い、無鉄砲、我武者羅、心頭滅却すれば火もまた涼しなど |
英語訳 | fight-or-flight response (無意識で危険に対して、ついいつも以上の力がでる) |
このページの目次
「火事場の馬鹿力」の意味をスッキリ理解!
「火事場の馬鹿力」の意味を詳しく
「火事場の馬鹿力」とは、危機的な状況で、普段は想像できないような力を無意識に発揮する、という意味です。
ここでいう「力」とは、肉体的な力のことです。
そもそも、人間には、普段100%の力が発揮出来ないように、リミッターがかかっています。100%の力を出してしまうと、肉体的に大きな負担がかかるからです。
しかし、「そんなことも言ってられない」という状況になった時、このリミッターが外れます。すると、100%に近い力が出せるようになります。
これが当てはまるのが、「火事場の馬鹿力」の文字の通り、火事の時の行動です。
火事の時に、もし屋内にいたら、命を守るために死に物狂いで脱出しようとしますよね。
また、何もせずに放置していたら、家の中の財産がすべて燃えてしまいます。そのため、短時間でできるだけ多くのものを屋外に運び出そうとするでしょう。
すると、自分でも信じられないくらいの力がでて、金庫のような、普通であれば重くて持ち上がらないものも、持ち上げて運び出すことができることがあります。
このように、普段はとても出ないけれども、いざと言う時に発揮できる力が、「火事場の馬鹿力」です。
リミッターが外れ、「火事場の馬鹿力」を出した後は、「安心」を感じると同時に、無理な行動をしたツケが回ってきます。ツケは、「火事場の馬鹿力」が発揮されている時には気付く事がなく、終わってから、ふとした時に気付くケースが多いです。
つまり、「火事場の馬鹿力」が発揮できた後は、注意が必要なのです。
「火事場の馬鹿力」の使い方
- 火事場の馬鹿力でなんとか遭難せずに済んだ
- 火事場の馬鹿力があればきっと逃げ切ることができるだろう
また、以下のような、「気合いを入れればなんとかなる」ような、本来の危機より軽めのニュアンスの場合でも使うことがあります。
- 火事場の馬鹿力で締め切りに間に合わせたい。
- 火事場の馬鹿力ばかりに頼っていては、体を壊すから危険だ。
「火事場の馬鹿力」の由来
火事の時には、普通では持ち運ぶことができないような重いものでも運び出せてしまうことがあります。この火事の時の信じられないような力が、「火事場の馬鹿力」の由来です。
「火事場の馬鹿力」の類義語
火事場の馬鹿力には以下のような類義語があります。
- 逆境に強い:不遇(ふぐう)な状況に強い、ということ
- 無鉄砲:どうなるか先のことを考えずひたすらに行動すること
- 我武者羅(がむしゃら):余計なことを考えず全力で行動すること
- 心頭滅却(しんとうめっきゃく)すれば火もまた涼し:精神を無にすれば火の中でも涼しく感じるということ
「火事場の馬鹿力」の英語訳
火事場の馬鹿力を英語に訳すと、次のような表現になります。
- fight-or-flight response
(無意識で危険に対して、いつも以上の力がでる)
まとめ
以上、この記事では「火事場の馬鹿力」について解説しました。
読み方 | 火事場の馬鹿力(かじばのばかぢから) |
---|---|
意味 | 危機的な状況で、普段は想像できないような力を無意識に発揮することのたとえ |
由来 | 火事の時、切迫した状況下で、自分では想像もつかないような行動ができることがある |
類義語 | 逆境に強い、無鉄砲、我武者羅、心頭滅却すれば火もまた涼しなど |
英語訳 | fight-or-flight response (無意識で危険に対して、ついいつも以上の力がでる) |
読んで字のごとく、という言葉の通り、「火事場の馬鹿力」は想像しやすい言葉だと思いますが、意外と知らないこともあったのではないでしょうか。「火事場の馬鹿力」を発揮しなくていいように過ごしたいですね。