「一を聞いて十を知る」の意味とは?英語や類義語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、故事成語の「一を聞いて十を知る(いちをきいてじゅうをしる)」です。

意味や使い方、由来、類義語、対義語、英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「一を聞いて十を知る」をざっくり言うと……

読み方一を聞いて十を知る(いちをきいてじゅうをしる)
意味物事の一端を聞いただけで全体を理解する、非常に賢い様子
由来中国の古書「論語」の表現から
類義語目から鼻へ抜ける、一を推して万、一を以って十を知る、など
対義語一知半解、一を知りて二を知らず、目から耳へ抜ける、など
英語訳A word to the wise is enough.(賢い者には一単語だけで充分だ)

「一を聞いて十を知る」の意味をスッキリ理解!

一を聞いて十を知る:物事の一端を聞いただけで全体を理解する、非常に賢いことを表す言葉

「一を聞いて十を知る」の意味を詳しく

「一を聞いて十を知る」とは、一つを聞くだけで十もの事を理解するという意味です。

つまり、物事の一端しか聞かなくても全体を理解してしまうほど賢いことの例えです。

「一を聞いて十を知る」の使い方

  1. 彼女は小さいころから一を聞いて十を知るような子供だった。
  2. 一を聞いて十を知るような理解力がある人間になりたい。
  3. あの人はとても賢く、まさに一を聞いて十を知るような人だ。

「一を聞いて十を知る」の由来

「一を聞いて十を知る」の出典は『論語』という中国の古書です。

『論語』の中の「回や、一を聞いて以て十を知る。賜や、一を聞いて以て二を知る」というセリフからできた故事成語です。

ストーリーは以下のようなものです。

 

孔子が、弟子の子貢に「お前と顔回では、どちらが優れているかな」と尋ねました。

子貢は、「どうして、回と比べることができるでしょう。回は、一を聞いて十を知ることができますが、私はようやく二を知る程度です」と答えました。

それを聞いて孔子は「確かに及ばないね、私もお前同様、回には及ばないよ」と言いました。

「一を聞いて十を知る」の類義語

  • 目から鼻へ抜ける:とても利口で賢いこと、抜け目がないこと
  • 一を推して万:理解力があり非常に賢い様子
  • 一を以って万を知る:理解力があり非常に賢い様子

「一を聞いて十を知る」の対義語

「一を聞いて十を知る」には以下のような対義語があります。

  • 一知半解:なまかじりで、知識が十分に自分のものになっていないこと
  • 一を知りて二を知らず:一側面だけは知っているが、それを応用できなく、見識が浅いこと
  • 目から耳へ抜ける:見ただけで何も覚えず、理解していないことのたとえ

「目から耳へ抜ける」は対義語の「目から鼻へ抜ける」と表現が似ていますよね。

セットで覚えるようにしましょう!

「一を聞いて十を知る」の英語訳

「一を聞いて十を知る」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • A word to the wise is enough.
    (賢い者には一単語だけで充分だ)
  • be quick to grasp.
    (理解が早い、飲み込みが早い)

まとめ

以上、この記事では「一を聞いて十を知る」について解説しました。

読み方一を聞いて十を知る(いちをきいてじゅうをしる)
意味物事の一端を聞いただけで全体を理解する、非常に賢い様子
由来中国の古書「論語」の表現から
類義語目から鼻へ抜ける、一を推して万、一を以って十を知る、など
対義語一知半解、一を知りて二を知らず、目から耳へ抜ける、など
英語訳A word to the wise is enough.(賢い者には一単語だけで充分だ)

「一を聞いて十を知る」とは、とても魅力的な能力ですよね。

そうするためには基本的な知識が必要不可欠です。このような故事成語の意味などもコツコツ覚えていくといいででしょう。

ただし、早とちりにはならないように気を付けましょう!