「じゅうふく」と「ちょうふく」の違いとは?どちらが正しいのか解説

違いのギモン

日本語には読み方が複数あって、どちらが正解なのかよくわからない熟語がたくさんありますよね。そして、その代表的な例としてあげられるのが「重複」です。みなさんはこの熟語をどう読みますか。

「じゅうふく」と読む人もいれば「ちょうふく」と読む人もいるのではないでしょうか。

これはどちらが正解なのでしょうか。今回はこの2つの読み方の違いについて解説していきたいと思います。

結論:本来は「ちょうふく」が正しく、「じゅうふく」は慣用読み

「重複」という熟語は同じ物事が重なり合うこと、という意味です。

そして、昔から正しい読み方とされてきたのは「ちょうふく」です。

しかし、「じゅうふく」と読む人があまりにも多かったため、この読み方も慣用読みとして正しいものとされるようになりました。

「じゅうふく」をもっと詳しく

「じゅうふく」はもともと、「重複」の読み方としては正しいものではありませんでした。

なぜなら、「重」という漢字を「じゅう」と呼んだ場合、それは「重い」という意味になることが多いからです。例えば、体重、重役、重心など……、全て重さを表していますよね。

しかし、「重」の読み方としては「じゅう」が一番一般的であるため、多くの人が「じゅうふく」と呼んでいました。現在では少し「ちょうふく」と読む人が増えてきていますが、10年ほど前は「じゅうふく」と読む人のほうが圧倒的に多かったのです。

 

そして、特に若い人はこう読むことが多いです。

このように、あまりにも「じゅうふく」という読み方が世の中に浸透してしまった結果、この読み方も慣用的な読み方として正しいものとされ、辞書にもこの読み方が載せられるようになりました。

これは、現在、ら抜き言葉が広まりすぎて、あまり間違いとは言えなくなってきているのと似た現象と言えるでしょう。

「ちょうふく」をもっと詳しく

「ちょうふく」は「重複」の読み方として昔から正しいとされてきたものです。

ちなみに、その根拠は、「重」を「ちょう」と読む場合には重なり合うことを表していることが多いからです。例えば、丁重という熟語は重ね重ね丁寧に扱うという意味ですよね。他にも、自重、重宝などは重なり合うという意味が含まれています。

そして、「重複」も重なり合うという意味ですよね。

ちなみに、「重複」を「ちょうふく」と読む人は年配の方に多いです。

まとめ

以上、この記事では、「じゅうふく」と「ちょうふく」の違いについて解説しました。

  • じゅうふく:「重複」の慣用読み
  • ちょうふく:「重複」の正しい読み方

このように、みんなが間違えすぎた結果、認められてしまうという読み方はほかにも存在します。そんな言葉を見つけてみるのも面白いでしょう。

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和佐 崇史
文章を書くこと、読むことが大好きな大学生です。中学2年生で漢検2級を取得するなど、言葉については詳しい自信があります。Webライターとしてはこれまで累計1,000記事以上を執筆してきました。