今回ご紹介する言葉は、ことわざの「蛇の道は蛇(じゃのみちはへび)」です。
言葉の意味、使い方、由来、類義語、対義語、英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「蛇の道は蛇」をざっくり言うと……
読み方 | 蛇の道は蛇(じゃのみちはへび) |
---|---|
意味 | 同類の思考や行動は、同類が一番理解していること |
由来 | 小さな蛇でも、大きな蛇が通る道は知っていることから |
類義語 | 餅は餅屋、馬は馬方、船は船頭に任せよ |
対義語 | 左官の垣根 |
英語訳 | Set a thief to catch a thief.(泥棒を捕まえるために、泥棒を使え) |
このページの目次
「蛇の道は蛇」の意味をスッキリ理解!
「蛇の道は蛇」の意味を詳しく
「蛇の道は蛇」とは、同類の思考・行動は、同類が最も分かるという意味です。蛇が通る道は、人間や他の動物は知らなくても、同類である蛇であれば、知っていることから来ています。
特に、専門分野のことは、その道の専門家が一番よく知っているということの例えとして使います。
「蛇の道は蛇」の使い方
- 医者は、僕を一目見るだけで「インフルエンザですね」と言った。さすが、蛇の道は蛇といったところか。
- やはり蛇の道は蛇だ。母親に切ってもらった時よりも、美容院に行った後の方が、髪の毛がイカしてるぜ。
- 蛇の道は蛇だ。君も社長をやっているなら、この会社の経営が危ういことは分かるだろう。
多くの職業には、それに合った能力や相応の知識が必要です。例えば、弁護士は深い法律の知識が必要ですし、営業マンは高いコミュニケーション能力とマナーの知識が重要でしょう。また、タクシーの運転手であれば、町の地図が頭に入っている必要があります。
このように、職業は、何かしらの特殊技能を持っており、ある種の専門家といえる場合が多いです。そのため、学者や研究者といった人以外にも、幅広く「蛇の道は蛇」という言葉を使うことができます。
「蛇の道は蛇」の由来
蛇(じゃ)は大きな蛇、蛇(へび)は小さな蛇を指します。道とは、蛇の通り道のことです。
つまり、「蛇の道は蛇」をそのまま解釈すると、小さな蛇でも、大きな蛇が通る道は知っているという意味になります。
「蛇の道は蛇」の類義語
「蛇の道は蛇」には以下のような類義語があります。
- 悪魔は悪魔を知る:同類のことは、同類が一番分かっているということ
- 餅は餅屋:その道に精通した人のものが一番であること
- 馬は馬方(うまはうまかた):専門家に任せるのが、一番うまくいくということ
- 芸は道によって賢し:その道の専門家が一番よく理解しているということ
- 船は船頭に任せよ(ふねはせんどうにまかせよ):何事も専門家に任せるのが良いということ
- 海の事は漁師に問え:何事も専門家に任せるのが良いということ
- 酒は酒屋に茶は茶屋に:専門家やその道に精通している人に任せるのが一番であること
- 仏の沙汰は僧が知る:専門分野は、専門家に任せた方が良いということ
「蛇の道は蛇」の類義語の多くは、同じ言葉や関連する言葉が2度繰り返されています。取り上げる対象こそ違いますが、文章の構造は似通っています。
「蛇の道は蛇」の対義語
「蛇の道は蛇」には以下のような対義語があります。
- 左官の垣根(さかんのかきね):自分の専門外のことをやっても、うまくいかないこと
左官とは、建物の壁を塗る職人のことです。垣根とは、家の周囲を囲うための、竹などで出来た仕切りのことです。つまり、「左官の垣根」とは、自分の専門外の仕事をした結果を表しています。
「左官の垣根」は、「蛇の道は蛇」の裏返しであり、結局意味することは同じです。
「蛇の道は蛇」の英語訳
「蛇の道は蛇」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- Set a thief to catch a thief.
(泥棒を捕まえるために、泥棒を使え) - The wolf knows what the ill beast thinks.
(狼は悪い獣の考えをよく知っている)
こちらも、類義語と同様に、同じ言葉や関連する言葉が2度繰り返されています。
まとめ
以上、この記事では「蛇の道は蛇」について解説しました。
読み方 | 蛇の道は蛇(じゃのみちはへび) |
---|---|
意味 | 同類の思考や行動は、同類が一番理解していること |
由来 | 小さな蛇でも、大きな蛇が通る道は知っていることから |
類義語 | 餅は餅屋、馬は馬方、船は船頭に任せよ |
対義語 | 左官の垣根 |
英語訳 | Set a thief to catch a thief.(泥棒を捕まえるために、泥棒を使え) |
専門家であれば、専門分野の学びに費やした時間が多く、豊富な経験もあるでしょう。そのため、「専門家に任せるべき」という教えは、非常に説得力があると思います。
「蛇の道は蛇」の類義語が、これだけたくさんあるのも、人生において、それだけ当てはまる場合が多いということでしょう。今後に向けて、しっかりと覚えておきましょう。