お米の美味しい食べ方は、炊き立ての白いご飯だけではありませんよね。
鍋のシメにグツグツと煮込んで食べる米料理や、イタリア料理のあの米料理は、白いご飯と違って柔らかくて美味しい出汁やスープを吸っていてまた格別です。
これらの料理は「雑炊」「おじや」「リゾット」と呼ばれますが、どう違うのでしょうか。
鍋のシメも「リゾット」と呼んでいいのでしょうか。
結論:炊いてから煮るか、生米からか
「雑炊」と「おじや」の間には、大きな違いがありませんが、「リゾット」とは違います。
洋風の鍋のシメにご飯を入れることを「リゾット」と呼ぶこともありますが、厳密には間違いです。
「雑炊」と「おじや」どこが違う?
「雑炊」と「おじや」の違いには諸説あり、違いがはっきりしません。炊いたご飯を煮ることが共通しており、大きな違いはないと言えます。
いくつかある「違い」を挙げてみましょう。
- ご飯を洗ってぬめりを落としたものが「雑炊」、洗わないものが「おじや」
- 米粒の形が残るのが「雑炊」、残らないのが「おじや」
- 味噌や醤油で味付けされたものが「雑炊」、塩で味付けされたものが「おじや」
結局、どれが正しい違いということはありません。地域によって考え方が違い、全国的に「これが雑炊とおじやの違いだ」とハッキリ言えるものはまだ出ていません。
↑「雑炊」の検索結果
↑「おじや」の検索結果
上の2枚の図は、それぞれ「雑炊」と「おじや」の画像検索結果です。大きな違いは見られませんよね。
「リゾット」をもっと詳しく
「リゾット」(risotto)はイタリアの米料理です。生米から作るのが最大の特徴です。
標準的な作り方は、以下の通りです。
- 鍋にオリーブオイルを熱し、ニンニク・ネギの香りを出す
- 米を研がずに加えて油となじませ、白ワインを加える
- スープを入れて煮込む。水分がなくなったら適宜足す
- 途中で具材を入れ、味付けする
まず、栽培されているのが日本で食べられている粒が短い「ジャポニカ種」ではなく、「インディカ種」という細長い粒の種です。
また、リゾットではアルデンテが好まれます。白いご飯に芯が残っていたら嫌ですが、リゾットではパスタ同様に、ほんの少しだけ芯の食感を感じられるアルデンテの方が人気なのです。
ちなみに、フランスなどのヨーロッパの国でも米は食べられていますが、茹でてサラダに入れるなど、米を主食とする私たちにとっては想像もつかないような米食文化が展開されています。
まとめ
以上、この記事では、「雑炊」「おじや」「リゾット」の違いについて解説しました。
- 雑炊:炊いた米を煮込む
- おじや:雑炊と同じだがいくつかの違いが挙げられている
- リゾット:生米から作るイタリア料理
鍋のシメは「リゾット」ではなく「雑炊」か「おじや」なのですね。