友情出演と特別出演は「誰にどんな方法で出演してもらうか」という点が異なります。
映画やドラマのエンドロールで、役者の名前に友情出演や特別出演とついていることがあります。
普通に出演するのと何が違うのか気になりますよね。
この記事では、友情出演と特別出演の違い、それぞれの意味に加え、カメオ出演の意味も詳しく解説します。
☆「友情出演」「特別出演」の違いをざっくり言うと……
友情出演 | 特別出演 | |
---|---|---|
出演者 | 個人的に親しい役者など | 主演クラスの役者 |
ギャラ | ・低い ・ノーギャラのこともある | ・通常程度 ・通常以上に高いこともある |
「友情出演」と「特別出演」の違い
友情出演と特別出演には以下のような違いがあります。
友情出演 | 特別出演 | |
---|---|---|
出演者 | 個人的に親しい役者など | 主演クラスの役者 |
ギャラ | ・低い ・ノーギャラのこともある | ・通常程度 ・通常以上に高いこともある |
友情出演は、作品の監督や出演者などが親しい役者に出演してもらうことで、ギャラは低かったり支払われなかったりします。
特別出演は、主演クラスの大物役者に主演以外の役として出演してもらうことで、ギャラは通常通りだったり通常よりも多かったりします。
「友情出演」の意味
友情出演とは、作品の主演や監督、スタッフなどが個人的に親しい役者に依頼し、出演してもらうことです。
そのほかにも、以下のような理由で出演することもあります。
- 親しい役者のほうから願い出る
- 若手役者が自分を売り込むために願い出る
- 事務所のつながりで出演する
いずれにしても、友情出演で出演した役者は、ギャラが低くなることが一般的です。さらには、ノーギャラ※の場合もあります。
このことから、製作費削減のために友情出演が行われることも多いです。
出演料がなく、ギャラが支払われないこと
「友情出演」の例
友情出演の例には以下のようなものがあります。
- 映画『凍河』の石原裕次郎
- 映画『ごくせん THE MOVIE』の小栗 旬ら
- 『仮面ライダー』シリーズ
- ドラマ『シロでもクロでもない世界で、パンダは笑う。』の田中圭
- ドラマ『ウチの娘は、彼氏ができない!!』の豊川悦司
「友情出演」の使い方
友情出演を用いた例文には以下のようなものがあります。
- 彼は人気ドラマに友情出演したことで知名度が上がった。
- 20年以上続いたシリーズの最終回で、多くの俳優が友情出演する。
「特別出演」の意味
特別出演とは、主演クラスの役者に、脇役など主演以外の役を依頼し、出演してもらうことです。
主に、監督や原作者などが「この役は是非この役者に演じてほしい」という強い希望がある場合などに使われます。
そのため、演じる役は主演ではなく、「作品に少しだけ登場するような脇役」「出番は少ないものの、重要な役割を担う役」が多いです。
ちなみに、特別出演と表記するのには以下のような理由があります。
そのため、主演クラスの役者であっても、脇役だと最後に名前を表示することはできません。
その代わり、名前の前に「特別出演」と表記することで、役者のランクを下げることなく、納得してもらうことができるのです。
特別出演で出演した役者は、通常程度のギャラのこともありますが、通常以上の高いギャラが支払われることも多いです。
「特別出演」の例
特別出演の例には以下のようなものがあります。
- 映画『天城越え』の加藤剛
- ドラマ『JIN-仁-』の中谷美紀
- ドラマ『半沢直樹』の北大路欣也
- 映画『図書館戦争』の栗山千明
- 映画『映画 賭ケグルイ』の池田エライザ
「特別出演」の使い方
特別出演を用いた例文には以下のようなものがあります。
- あの大物役者が特別出演していたのには驚いた。
- 大御所俳優のAさんにドラマの特別出演のオファーを申し込む。
補足:「カメオ出演」の意味
カメオ出演とは、作品と関係がある人物や、著名人などが短い時間で印象的な登場をすることです。
具体的には以下のような人物が出演する時に使います。
- 監督や出演者の友人
- 他の作品の登場人物
- 監督が同じ作品の登場人物
特別出演や友情出演よりも出演が短く、通行人役など、一瞬しか映らないこともあります。
特別出演や友情出演のように、エンドロールで名前の前に表示されるのではなく、ひとつの出演形態の用語として使われます。
ハリウッド映画などではよく使われる用語ですが、日本で用語として使われることは少ないです。
ちなみに、カメオとは大理石や貝殻などに浮き彫りを施した装飾品です。
[出典:Wikipedia]
遠目からでもはっきりとわかるため、作品と関係がある人物や著名人が出演することをカメオ出演と呼ぶようになりました。
「カメオ出演」の例
カメオ出演の例には以下のようなものがあります。
- 映画『幕間』のエリック・サティら
最初のカメオ出演と言われている - 映画『八十日間世界一周』のフランク・シナトラら
- 映画『ビッグ・アイズ』のマーガレット・キーン
- 映画『ピンクとグレー』の加藤シゲアキ
- ドラマ『愛の不時着』のキム・スヒョンら
- ドラマ『梨泰院クラス』のパク・ボゴム
- ドラマ『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』のチョン・ヘイン
- マーベル作品
- ピクサー作品
- ヒッチコック監督の作品
「カメオ出演」の使い方
カメオ出演を用いた例文には以下のようなものがあります。
- 前作の主人公がカメオ出演していたからすぐわかった。
- 原作者がカメオ出演していたそうだが、人混みに紛れていて見つけられなかった。
「友情出演」と「特別出演」の違いのまとめ
以上、この記事では、「友情出演」と「特別出演」の違いについて解説しました。
友情出演 | 特別出演 | |
---|---|---|
出演者 | 個人的に親しい役者など | 主演クラスの役者 |
ギャラ | ・低い ・ノーギャラのこともある | ・通常程度 ・通常以上に高いこともある |
今後映画を観る時には、本編だけではなくエンドロールにも注目してみると、新たな楽しみ方ができるかもしれません。