今回ご紹介する言葉は、ことわざの「夜目遠目笠の内(よめとおめかさのうち)」です。
言葉の意味・使い方・類義語・英語訳について分かりやすく解説します。
☆「夜目遠目笠の内」をざっくり言うと……
読み方 | 夜目遠目笠の内(よめとおめかさのうち) |
---|---|
意味 | はっきりと見えない時は、実際より美しく見えるものであること |
類義語 | 「遠目山越し笠の内」など |
英語訳 | A woman looks more beautiful when she is seen in the dim light, or from afar, or under a bamboo hat.(女性は、薄明かりの中や遠くから、もしくは笠の下で見られた時により美しく見える) |
「夜目遠目笠の内」の意味をスッキリ理解!
夜目遠目笠の内(よめとおめかさのうち):はっきりと見えない時は、実際より美しく見えるものであるということ
「夜目遠目笠の内」の意味を詳しく
「夜目遠目笠の内」とは、「夜見るとき、遠くから見るとき、笠に隠れたものは、はっきり見えないので実際より美しく見えるものである」ということを表したことわざです。これは、一般的に女性に対していう言葉です。
夜の薄暗いときや遠くから見るとき、また、傘に隠れているときなど、対象の物や人がはっきりとよく見えないときはよくありますよね。このようなときに、人はそれを実際よりもずっと美しいものとしてイメージしてしまうということを表しています。
ことわざに含まれている「薄暗いとき」などの場面の他に、「ぼんやりとしていてよく見えない」などの状況においても同様に言えます。
このことわざは、京都で生まれた『上方(かみがた)いろはかるた』の「よ」の札にも書かれています。
なお、このことわざにおいて、「笠」を「傘」と表記することは誤りです。
「夜目遠目笠の内」の使い方
- 夜目遠目笠の内と言ったものだが、彼女は近くで見ても抜群に美しい。
- 遠くに綺麗な青い花が咲いていると思ったら、ブルーシートの切れ端が木に引っかかっているだけだった。まさに夜目遠目笠の内な出来事であった。
- 夏祭りで見た浴衣姿の彼女はまさに夜目遠目笠の内で、いつも以上に魅力的に見えた。
「夜目遠目笠の内」の類義語
「夜目遠目笠の内」には以下のような類義語があります。
- 遠目山越し笠の内(とおめやまごしかさのうち):遠くから見るときや山越しに見るとき、また、笠に隠れた姿を見るときは、全体がはっきりと見えないので、実際以上に美しく感じられるということ
「夜目遠目笠の内」の英語訳
「夜目遠目笠の内」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- A woman looks more beautiful when she is seen in the dim light, or from afar, or under a bamboo hat.
(女性は、薄明かりの中や遠くから、もしくは笠の下で見られた時により美しく見える) - A woman is attractive primarily when it’s dark out, she’s far away, or her face is partially hidden by a bamboo hat.
(女性は主に、暗い中や遠く離れたところから、または笠で顔の一部が隠されているときに魅力的に見えるものである)
まとめ
以上、この記事では「夜目遠目笠の内」について解説しました。
読み方 | 夜目遠目笠の内(よめとおめかさのうち) |
---|---|
意味 | はっきりと見えない時は、実際より美しく見えるものであること |
類義語 | 「遠目山越し笠の内」など |
英語訳 | A woman looks more beautiful when she is seen in the dim light, or from afar, or under a bamboo hat.(女性は、薄明かりの中や遠くから、もしくは笠の下で見られた時により美しく見える) |
「夜目遠目笠の内」は、現代でいうと、サングラスやマスクを付けている女性が美しく見えることなどでしょうか。よく見えないものを美しいものと認識してしまうのは、いつの時代でも人間のさがなのでしょう。