みなさんは、「横」「隣」「そば」と聞いてその違いを説明できますか?
「どれも似たような意味を持つのでは」などと思ってしまいがちですが、全てニュアンスが違います。
例えば、日本の「横」の国と、日本の「隣」の国とでは指す範囲が違うのです。
そこでこの記事では、「横」「隣」「そば」の違いについて解説します。
結論:「横」は水平方向、「隣」は近くに並んでいるもの、「そば」は近く
「横」とは、距離に関係なく水平方向上にあることを意味します。
「隣」は、同じ種類のものが並んでいるなかで、最も近くにあることを意味します。
「そば」は、方向に関係なく距離が近いことを意味します。
「横」をもっと詳しく
「横」を辞書で調べると、「水平の方向」とあります。
「横」で大事なのは「方向」です。「横にある」とは、水平方向に何かが位置しているということです。この時、距離は全く関係ありません。
「上」や「下」が、「横」と似た概念です。どれも「方向」のみを示しています。「横」にあるものとは、上でもなく下でもなく水平の方向にあるもの、と言えますね。
あまり一般的な言い方ではありませんが、日本の「横」の国と言えば、どこの国を指すのでしょうか。この時の「横」は、世界地図の「横」の線である「緯度(いど)」のことと言えます。ですので、同じ緯度上にある「アメリカ合衆国」や「スペイン」などが日本の「横」にある国なのです。
「横」には、別の意味もあります。辞書には、「無関係」や「ある事柄に直接関係を持たない」といった意味も載っているのです。
たとえば、「話が横にそれる」といえば、話が関係のない話題に変わってしまうという意味です。
「隣」をもっと詳しく
辞書を見ると、「隣」は「並んで続いているもののうち、最も近くにあること」とあります。
「隣」に方向は関係ありません。しかし、辞書に「並んで続いている」とあるように、何か同じようなものがたくさんあるという前提があります。
距離で言うと、「隣」というのは「同じ種類のものが並んでいる」なかで、最も近くにあるものを指します。ですので、実際の距離が近いかは関係なく、一番近くにある同じ種類のもののことを意味しているのです。
「隣の国」という場合、国という同じ種類のものが並んでいる中で、直接接している国のことです。このことから、日本の「隣」の国は韓国と言えます。間に海はありますが、他の「国」が間にある訳ではないので、隣り合っていると言えるのです。
「隣」には、「左右にある家」という意味もあります。「お隣さん」という言い方は一般的ですね。
「そば」をもっと詳しく
「そば」を辞書で引くと、「空間の隔たりがあまりない所」または「近く」とあります。
「そば」では、方向は全く関係ありません。360°のどの方向のことでも言えます。
より大事になってくるのは、距離です。辞書の意味にもあるように、距離が近いことを「そば」というのです。ただし、特にこの「近さ」に決まった基準がある訳ではありません。
日本の「そば」にある国とは、「韓国」や「中国」「ロシア」などと言えます。これらの国は、方角関係なく他の国々と比べて日本と距離が近いからです。
「側」と「傍」どっちが正しい?
「そば」というのは、漢字での表記が「側」と「傍」の2通りあります。
両者に意味の違いはありません。しかし、実は常用漢字では、どちらの漢字にも「そば」という読み方がないのです。
ですので、基本的に「そば」と書く時は、ひらがなで表記すれば間違いありません。
まとめ
以上、この記事では、「横」「隣」「そば」の違いについて解説しました。
- 横:距離に関係なく水平方向にあること
- 隣:最も近くにある同じカテゴリーのもののこと
- そば:方向に関係なく距離が近いこと
「横」「隣」「そば」には、距離と方向に違いがあったのですね。
少しまぎらわしいこともあるかもしれませんが、きちんと使い分けができるといいですね。