私たちが何気なく使っている言葉の中でも、実は使いわけをよく知らないという言葉はたくさんありますよね。
例えば、「年」と「歳」はどちらも同じような意味で使われますが、みなさんは違いをご存知でしょうか。
知らないという人が多いと思います。
そこで、今回は「年」と「歳」の違いについて解説していきたいと思います。
結論:使われる場面が違う
一方、「歳」は人や生き物の年齢を数える時に使われることが多いです。
つまり、「年」と「歳」では使われる場面が異なるのです。
「年」をもっと詳しく
年は一般的に用いられ、時を表す場合に使われる場合が多いです。
そのため、暦のとしを表す時には通常「年」を用います。
また、年号や年数を表す時にもこちらを使います。
そして、「年をとる」という表現を用いた場合、年齢が増えるという回数の印象が強くなります。
ちなみに、「年」の読み方は主に「ねん」と「とし」ですが、どちらも常用漢字表にのっています。
そのため、公文書や新聞や教科書などでも用いることができます。
また、「年」は「禾(いね)」と変形した「人」の組み合わせでできていている漢字で、このうち「人」にはくっついて親しみあうという意味になっています。
ここから、「年」は穀物が熟して粘りを持つ状態になるまでの期間を表す文字になりました。
これが現在の意味のもとになっています。
「歳」をもっと詳しく
歳は人や生き物の年齢を数える時に使われることが多いです。
そして、暦のとしの意味で使われることはあまりありませんが、ないというわけではありません。
例えば、「歳末」と言った場合には年の終わりに近づいてきている時期という意味になりますよね。
また、「歳をとる」を言った場合には老齢になるという「経過」の意味合いが強くなります。
ちなみに、「歳」は年齢を数える時に用いられることがもっとも多いですが、これは「才」と表記されることもありますよね。
みなさんの中には「才」のほうがよく使う、という人も多いと思いますが、「歳」のほうが正式な表現です。
そして、「才」は「歳」の代用であり、「歳」は画数が多く、書くのが面倒であるという理由から使われるようになりました。
ちなみに、「歳」は常用漢字表で「さい」とは読みますが、「とし」とは読まれません。
そのため、公文書や教科書や新聞などでは「歳」を「とし」と読ませることはできません。
ただ、友達に手紙を書く時など、日常で用いる分には大丈夫です。
また、「歳」は刃物のことを表す「戌(いぬ)」と時の流れを表す「歩」を組み合わせてできた漢字です。
そして、刃物で作物の穂を刈り取るまでの時間の流れを表していました。
そのため、現在では過ぎ去る、移り変わるというニュアンスが強い漢字になっています。
まとめ
以上、この記事では、「年」と「歳」の違いについて解説しました。
- 年:一般的に用いられ、時を表す場合に使われる場合が多い
- 歳:人や生き物の年齢を数える時に使われることが多い
「年」と「歳」にはこのような違いがあったんですね。きちんと使いわけていきたいものです。