「柔らかい」と「軟らかい」の違いとは?意味から使い分けまで解説

違いのギモン

皆さんは「柔らかい」と「軟らかい」の違いを知っていますか?

読み方が同じで意味も似通っているので、なかなか違いを正確に知っているという人は少ないのではないのでしょうか。

この記事では「柔らかい」と「軟らかい」の違いをわかりやすく解説します。

結論:柔らかは「ふっくら」、軟らかは「ぐんにゃり」

一般的に「柔らかい」は「ふっくらしている様子、しなやかさ」を表し、「軟らかい」は「ぐんりゃりしている様子、手ごたえがない様子」を表します。

また、「柔らかい」が一度力を加えても元に戻るのに対して、「軟らかい」は一度力を加えると元には戻らない状態を指しています。

どちらかというと、「柔らかい」の方が使われる頻度が高いです。

「柔らかい」をもっと詳しく


「柔らかい」の正確な意味は大きく分けて二つあります。

  1. ふっくらしている。またしなやかである。
  2. 穏やかである。

①の意味として使う時は、たとえば布団やパン、ぬいぐるみ、動物の毛などに対して使います。

イメージとしては、「ふっくら」「ふわふわ」「ふんわり」などが近いですね。

「柔らかい」には、一度力を加えても、ふんわりと元の状態に戻るという意味合いがあります。弾性があるとも言い換えられます。また、「柔らかい物」には、水分を含まない乾燥しているようなものが多いです。

 

また、物理的な意味に限らず、②の意味のように精神的な意味で用いることがあります。

たとえば、「柔和」や「温柔」などの言葉があります。どちらも「穏やかで優しい様子」を表していますね。

「柔」の対義語

「柔」の対義語は「剛」です。

対になる漢字として用いられていることが多いです。例になる単語・ことわざとその意味は、以下の通りです。

  • 外柔内剛(がいじゅうないごう):うわべは大人しく穏やかだが、その内面には人に左右されない強い意志を持っていること
  • 内柔外剛(ないじゅうがいごう):うわべは強気でたくましいが、本当は気が弱いこと
  • 柔(じゅう)よく剛(ごう)を制す:しなやかで柔軟性のあるものは一見弱そうだが、かえって剛強なものに打ち勝つことができること

「柔」は「しなやかさ」「穏やかさ」を表し、「剛」は「力強さ」「勇ましさ」を表しているのがよくわかりますね。

「軟らかい」をもっと詳しく

 

軟らかいの意味は、大きく分けて二つあります。

  1. 手ごたえがない。
  2. 弱々しい。

①の意味で使う場合は、例えばタコなどの軟体動物や肉、ぬかるんだ泥などに対して使います。また、煮込んだ野菜などもこちらの漢字を使います。

イメージとしては「ぐんにゃり」「ふにゃふにゃ」などが当てはまります。

「軟らかいもの」には、一度力を加えると元に戻らないという特徴を持っているものが多いです。また水分を多く含んでいるという特性もあります。

 

また、②の意味のように、物理的な意味ではなく、雰囲気や形のないものについても用いることができます。

たとえば「軟弱」という単語に代表されるように、「弱々しく勢いのない様子」を指します。

「軟」の対義語

「軟」の対義語は、「硬」です。

「軟派」「硬派」など、正反対の属性を表すことができます。

それぞれの意味は以下の通りです。

  • 軟派(なんぱ):自分の意見や考えを持っていない様子
  • 硬派(こうは):自分の意見や考えを持ち、それを強く主張する様子

「軟派」も、前に説明した「軟弱」と同様、弱々しい様子を読み取ることができますね。

まとめ

以上、この記事では、「柔らかい」と「軟らかい」の違いについて解説しました。

  • 柔らかい:しなやかでふっくら、穏やか
  • 軟らかい:ぐんにゃりして手ごたえがない、弱々しい

「柔らかい」と「軟らかい」は、読み方はもちろんのこと、意味もかなり似ている言葉ですが、細かなニュアンスが違っています。混同せず、正しく使い分けられるようになりたいですね。