香具師とは「奴、あいつ」という意味です。
ネット掲示板などで、香具師という文字を見ると「なんて読むの?」「どんな場面で使うの?」と思う人も多いのではないでしょうか?
もともと香具師は、祭りの露天商という意味でしたが、ネット掲示板などでは「奴」「あいつ」という意味で使われています。
どうしてこのような使い方になったのでしょう?
この記事では、香具師の意味や使い方、由来について分かりやすく解説しています。
☆「香具師」をざっくり言うと……
読み方 | 香具師(やし) |
---|---|
意味 | 奴、あいつ |
由来 | ネット掲示板での使用から |
「香具師」の意味
奴、あいつ
ネット用語での香具師は、奴、あいつという意味で使われています。
ネット掲示板が普及し始めた頃、「ツ」を「シ」と表記したり、「ソ」を「ン」と表記したりする言葉遊びが行われていました。
そうした言葉遊びの中で、「ヤツ」が「ヤシ」となり、これが香具師となりました。
時代劇などで、「香具師の元締」という言葉が使われることがありますが、これは「ヤクザの親分」のことを表しています。
また、香具師には以下のような読み方があります。
- やし
- こうぐし
- かうぐし
「香具師」の使い方
香具師は以下のような言い回しで使用します。
- まだ~してない香具師
- 香具師によると
- そんな香具師は~
- まだあの映画見てない香具師ww
- そんな怪しい香具師の言うこと聞いちゃだめだ!
- これ見た香具師は、明日連絡くれ。
香具師は主にネット掲示板などのおいて「奴」の言い換えとして使用されます。
「香具師」の由来
この見出しでは香具師の由来について、ネット用語としての香具師、本来の香具師の2つに分けて見ていきたいと思います。
ネット用語としての「香具師」
香具師は上記のように、ネット掲示板で「奴」の言い換えとして使用されるようになりました。
普及した経緯には諸説ありますが、以下のようなものが有力とされています。
あるとき、この「DTP」の偽物のユーザーが、ネット掲示板に悪口などを書き込むという事件が起こりました。
しかし、他のユーザーから「DTP」の偽物だと見破られると、偽物は「DTPな奴」という意味を込めて「DTP@香具師」と名乗るようになりました。
その後、ネット掲示板などでは、「~な奴」という意味で香具師が使われるようになったとされています。
また、本来の香具師には以下のような由来があります。
本来の「香具師」
「露天商を営む人」という意味の香具師には、主に2つの説があります。
「弥四郎」という行商は、香具を扱っていることが多かったことから、弥四郎の「弥四」が香具師に変化し、そのまま「やし」と発音するようになったと考えられています。
かつて、飢えをしのぐために薬を売っていた野武士のことを、武を省略して「野師」と呼ぶことがありました。
そうした「野師」は香具も売っていたことから次第に、香具師という言葉が広がったと考えられています。
お香、匂袋(においぶくろ)、薫物(たきもの)などに使う材料のこと。また、それらをたくのに使用する道具。
上記のように、さまざまな語源がありますが、現在では「露天商」であったりお祭りなどの縁日で屋台を出して商売する「的屋(てきや)」を指す言葉として使われています。
江戸時代には薬や香具を作り露天で商売していたため、「香具の師」が縮まり香具師(こうぐし)と呼ばれるようになりました。
明治時代には、露天商を取り仕切るような人達を香具師と呼ぶようになり、現在の的屋につながっています。
この他にも、香具師には様々な由来があります。
- 薬師(やし)
江戸時代の薬の物売りと香具師という薬を売っていたものが合わさったという説 - 山師(やまし)
山から鉱脈を探る山師が、省略されたとする説
「香具師」のまとめ
以上、この記事では香具師について解説しました。
読み方 | 香具師(やし) |
---|---|
意味 | 奴、あいつ |
由来 | ネット掲示板での使用から |
香具師という言葉を見掛けた際には、本来の意味なのか、ネット用語として「奴」のことなのかの見極めが必要になります。
多くの場合、ネット用語として使用されているため、本来の意味は参考程度に覚えておきましょう。