「槍玉に挙げる」の意味とは?使い方から類語や英語まで例文付きで解説

言葉

今回ご紹介する言葉は、ことわざの「槍玉(やりだま)に挙げる」です。

言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。

☆「槍玉に挙げる」をざっくり言うと……

読み方槍玉(やりだま)に挙げる
意味ある人物や事柄を対象にして、集中的に非難や攻撃をすること
由来討ち取った敵の武将を掲げ、さらす様子から
類義語矛先を向ける、袋叩きにする、吊るし上げるなど
英語訳single out someone for criticism(非難の対象として、一人を選び出す)

「槍玉に挙げる」の意味をスッキリ理解!

槍玉(やりだま)に挙げる:ある人物や事柄を対象にして、集中的に非難や攻撃をすること

「槍玉に挙げる」の意味を詳しく

「槍玉に挙げる」は、ある人物や事柄を対象にして、集中的に非難・攻撃することを意味することわざです。特に、大勢の中から一人を選び出し、その人に責任をかぶせる場合に使用します。

また、使用頻度は非常に低いですが、槍で突き刺すという意味もあります。

多くの場合「挙げる」と表記しますが、「上げる」とも書きます。

逆に、非難・攻撃の対象になることを「槍玉に挙がる」とも言います。

「槍玉に挙げる」の使い方

  1. 当初はその店の店長の指導監督責任が問題視されていた。しかし、最終的に軽率な行動をとったアルバイトの大学生2人が槍玉に挙げられた
  2. クラスメイトは、いじめの首謀者として、1人の生徒を槍玉に挙げた
  3. 近年の不況・経済不振の責任の所在が不明確だ。首相を槍玉に挙げるべきではなかろうか。

どの例文も、「責任がある多くの人がいる中で特定の人が選ばれ、集中的に非難される」という状況になっています。

1つ目の例文のように、選ばれるのが複数人の場合でも使用します。

「槍玉に挙げる」の由来

「槍玉に挙げる」は、槍の先で人を突き上げ、お手玉のように扱う様子を表しています。

昔の戦では、敵の武将を討ち取ることが、自軍の勝利を意味しました。そのため、敵の武将を討ち取ると、槍に武将を突き刺し、高々と掲げることで勝利をアピールしました。

「お手玉にように扱う」とは、突き刺した武将を別の人に渡し、再度高く掲げる様子を表しています。

このことが転じ、現在のような意味になりました。

「槍玉に挙げる」の類義語

「槍玉に挙げる」には以下のような類義語があります。

  • 矛先を向ける:特定の人や物を攻撃対象にすること
  • 袋叩きにする:大勢の人から暴力を受けたり、非難されたりすること
  • 吊るし上げる:特定の人を大勢で非難すること

どの表現も「槍玉に挙げる」と同様に、実際の攻撃動作が元となっています。

「槍玉に挙げる」の英語訳

「槍玉に挙げる」を英語に訳すと、次のような表現になります。

  • single out someone for criticism
    (非難の対象として、一人を選び出す)
  • make an example of
    (罰を受ける人をつくる)
  • to hold up somebody to ridicule
    (あざ笑うために、さらし者にする)

“example” には「例」の他に「見せしめにされる人」「罰を受ける人」という意味があります。

“ridicule” には「あざ笑う」という意味があります。

まとめ

以上、この記事では「槍玉に挙げる」について解説しました。

読み方槍玉(やりだま)に挙げる
意味ある人物や事柄を対象にして、集中的に非難や攻撃をすること
由来討ち取った敵の武将を掲げ、さらす様子から
類義語矛先を向ける、袋叩きにする、吊るし上げるなど
英語訳single out someone for criticism(非難の対象として、一人を選び出す)

「槍玉に挙げる」の由来は、実際に槍で人を突き刺す行為であり、残酷に思う人もいるでしょう。

しかし、ことわざ的な意味で「槍玉に挙げる」場合も、相手の社会的な死に繋がる場合があります。現代ではSNSの発達により、何気ない動作が、大きく拡散される可能性もあるのです。

つまり、現代では自分が武将でなくとも「槍玉に挙がる」可能性があります。十分注意しましょう。