「やっぱり神様なんていなかったね」とは「どうしようもなく悲しいことがあった時のフレーズ」です。
何となく良くない状況で使う言葉であることはわかっても、元ネタは何なのか気になりますよね。
また、なぜアニメ『コブラ』やゲーム『仮面ライダー』と一緒に使うことが多いのか気になる人もいるのではないでしょうか。
この記事では「やっぱり神様なんていなかったね」の意味や使い方を解説します。
☆「やっぱり神様なんていなかったね」をざっくり言うと……
読み方 | やっぱり神様(かみさま)なんていなかったね |
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意味 | どうしようもなく悲しいことがあった時のフレーズ |
元ネタ | ゲーム『いつか降る雪』 |
関連作品 | アニメ『コブラ』 ゲーム『仮面ライダー倶楽部 激突ショッカーランド』 |
このページの目次
「やっぱり神様なんていなかったね」の意味
どうしようもなく悲しいことがあった時のフレーズ
「やっぱり神様なんていなかったね」は、自分の力ではどうすることもできない悲しい状況を嘆くフレーズです。
「神様」という人間を助けてくれる存在を否定することで、自分が救いのない状況に陥っていることを表しています。
「やっぱり神様なんていなかったね」の元ネタ
「やっぱり神様なんていなかったね」の元ネタは、2004年に発売されたアダルトゲーム『いつか降る雪』です。
『いつか降る雪』は、田舎にある病院「白亜館(はくあかん)」を舞台に、主人公と5人の患者たちとの交流を描いた物語です。
主な登場人物は以下の通りです。
- 主人公
元臨床(りんしょう)看護師。病気で余命わずか - 小野寺ちさと
新陳代謝(しんちんたいしゃ)の異常により脳障害がある - 小山田未来(こやまだ みき)
悪性腫瘍(しゅよう)が全身の8割に転移している - 羽村(はむら)まこと
交通事故で怪我した両脚をリハビリ中 - 三田村(みたむら)あゆみ
白亜館で育った双子のひとり - 三田村まゆみ
白亜館で育った双子のひとり - 蘇我博士(そがはくし)
白亜館の院長。小野寺ちさとの父
このゲームはプレイヤーの意思で、患者のうち誰と交流するか決めることができます。
そして、選択肢によって、幸せな結末である「ピュアエンド」か、最悪な結末である「カオスエンド」に決まります。
羽村まことを選んだ場合の「カオスエンド」のひとつに、以下のようなエピソードがあります。
主人公はまことを助けるために、拳から血が出るほど必死に強化ガラスを叩きますが、壊すことができません。
自分の死を悟ったまことは、主人公に最期の言葉を残そうとしますが、ガラスは防音で声が届けられません。
そのため、スケッチブックに「やっぱり神様なんていなかったね」と書き、ガラスの向こう側から主人公に笑顔で見せるのです。
ご注意ください。
このシーンがあまりにも衝撃的だったことから、ネット上で広まり、ネットスラングとして定着しました。
ちなみに、「ピュアエンド」では以下のようなエピソードになります。
主人公が拳で何度もガラスを叩くと、破壊することに成功します。
しかし、既に周りは炎に包まれていたため、脱出することは不可能でした。
まことは、「隔離室(かくりしつ)から助け出してくれただけで幸せです」と言い残し、主人公と一緒に最期を迎えます。
一部のプレイヤーからは、どの選択肢を選べば「ピュアエンド」または「カオスエンド」になるのかわかりにくいゲームであると言われています。
特に、元ネタとなった「カオスエンド」にたどり着くのは難しいと言われています。
物語の舞台は「サナトリウム」
ゲーム『いつか降る雪』の舞台は、正確には「サナトリウム」です。
「サナトリウム」は、長期的な療養が必要な人たちの療養所で、高原や浜辺など環境の良い場所にあることが多いです。
「サナトリウム」が描かれた作品には、以下のような小説があります。
- トーマス・マン『魔の山』
- 堀辰雄(ほり たつお)『風立ちぬ』
「やっぱり神様なんていなかったね」の誤解
「やっぱり神様なんていなかったね」の元ネタは、画像だけ見た人には誤解されることが多いです。
元ネタの画像では、まことがいるガラスの向こう側が燃えています。
ガラスについた血は、主人公がガラスを殴って拳から出たものです。
しかし、エピソードを知らずに画像だけを見た人からは、以下のように誤解されます。
- 主人公側とまこと側、どちらに火がついているのか?
主人公側だとすると、主人公が脱出しようとガラスを殴っているが壊れず、まことがスケッチブックに煽る言葉を書いているように見える
※実際はまこと側 - 主人公側とまこと側、どちらに血がついているのか?
まこと側だとすると、まことが脱出するためにガラスを殴ったように見える
※実際は主人公側
「やっぱり神様なんていなかったね」の使い方
「やっぱり神様なんていなかったね」は以下のように使います。
- 悲しい状況で使う
- 元ネタと似ている構図で使う
それぞれ見ていきましょう。
使い方①悲しい状況
「やっぱり神様なんていなかったね」は、自分の力ではどうすることもできないような悲しい状況で使います。
- ノートパソコンをリュックに入れている日に限って、土砂降りの雨が降ってきたからやっぱり神様なんていなかったね。
- コンサートのチケット外れた…やっぱり神様なんていなかったね。
- (ゲームで課金をしたにも関わらず、目的のアイテムなどが手に入らなかった画像と一緒に)やっぱり神様なんていなかったね。
以下のように、会話の中でも使うことができます。
使い方②元ネタと似ている構図
「やっぱり神様なんていなかったね」は、元ネタと似ている構図の画像と一緒に使うこともあります。
具体的には、以下のような構図の画像です。
- ガラスの向こう側にいる人物がこちら側を見て笑っている
- ガラスの向こう側が赤い
※炎ではなく、電子レンジの赤い光などでも可
「やっぱり神様なんていなかったね」の元ネタは、性的な表現を含むゲームのため、公共の場で使わないほうが無難です。
また、元ネタのシーンは血が描かれており、不快感をもつ人もいるため使う際には注意しましょう。
「神はいる。俺がそれを証明してやる」とは?
「やっぱり神様なんていなかったね」と似ている台詞に、「神はいる。俺がそれを証明してやる」があります。
この台詞は、1997年に公開されたアメリカ映画『コン・エアー』に登場します。
『コン・エアー』に、以下のようなエピソードがあります。
追い詰められた状況の中、主人公の友人が、主人公をかばって敵の銃弾を受けてしまいます。
友人は「やっぱり神様なんていないんだ」と嘆きます。
しかし、主人公は友人に向かって「神はいる。俺がそれを証明してやる」と言い返し、反撃を開始し、友人と一緒に生き残ることができたのです。
この友人の台詞が、「やっぱり神様なんていなかったね」の元ネタと共通しているとして有名です。
そのため、「やっぱり神様なんていなかったね」と言われたら、「神はいる。俺がそれを証明してやる」と返事することもあります。
「やっぱり神様なんていなかったね」の関連作品
「やっぱり神様なんていなかったね」には以下のような関連作品があります。
- アニメ『コブラ』
- ゲーム『仮面ライダー倶楽部 激突ショッカーランド』
それぞれ見ていきましょう。
アニメ『コブラ』
アニメ『コブラ』は、SF漫画『コブラ』を原作とした作品です。
主人公のコブラは、左腕に強力な銃を埋め込み、宇宙で活動する海賊です。
『コブラ』に、300度に熱せられた部屋に閉じ込められたコブラが、右腕のパンチ一発で壁を破壊するシーンがあります。
そのため、「やっぱり神様なんていなかったね」の元ネタの画像と合成した画像がよく使われます。
ゲーム『仮面ライダー倶楽部 激突ショッカーランド』
『仮面ライダー倶楽部 激突ショッカーランド』は、1988年にバンダイから発売されたゲームです。
ゲーム上で仮面ライダーを操作して敵を倒すストーリーが面白いため、多くの人がプレイしました。
しかし、このゲームには途中でデータを保存する機能「セーブ」がありませんでした。
そのため、クリアするためには30〜40時間の間、電源を切らずにゲーム機をつけっぱなしにする必要がありました。
- ゲーム機が壊れる
- 電源を切られる
- 停電が起こる
上記のような出来事が起こると、ゲームを最初からやり直す必要があるため、「やっぱり神様なんていなかったね」の心理になるゲームとして有名です。
「やっぱり神様なんていなかったね」のまとめ
以上、この記事では「やっぱり神様なんていなかったね」について解説しました。
読み方 | やっぱり神様(かみさま)なんていなかったね |
---|---|
意味 | どうしようもなく悲しいことがあった時のフレーズ |
元ネタ | ゲーム『いつか降る雪』 |
関連作品 | アニメ『コブラ』 ゲーム『仮面ライダー倶楽部 激突ショッカーランド』 |
生きていると、「やっぱり神様なんていなかったね」と思う瞬間もありますよね。
しかし、アダルトゲームが元ネタですので、共通の趣味をもつ親しい人同士だけで使うことに留めておきましょう。