今回ご紹介する言葉は、ことわざの「焼きが回る」です。
言葉の意味・使い方・由来・類義語・英語訳についてわかりやすく解説します。
☆「焼きが回る」をざっくり言うと……
意味 | 年を取って、思考力や腕前が落ちること |
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由来 | 「焼き入れ」の作業で刃に火を通しすぎると、逆に刃が弱くなること |
類義語 | 刃金が棟へ回る |
英語訳 | To become decrepit(年を取って弱る) |
このページの目次
「焼きが回る」の意味をスッキリ理解!
「焼きが回る」の意味を詳しく
「焼きが回る」は、年を取り、昔と比べて思考力や腕前が落ちるという意味のことわざです。一般的に、若いときに得意だったことが、年を取ることで昔ほど上手くできなくなる場合に使用します。
「年を取る」というと、老人になることだと思うかもしれません。しかし、この場合の「年を取る」は、高齢になることに限られません。
「昔できたことが今はできない」という点がポイントです。たとえば、子供の頃にできていたのに、大人になってできなくなった場合も「焼きが回る」を使って表現することができます。
「焼きが回る」の使い方
- 20年前は家の前の坂を何往復でもできたが、今は一往復しかできない。すっかり焼きが回ってしまったのを感じる。
- 子供の頃は、人の台本まで覚えるのも容易だった。しかし、現在は焼きが回ってしまい、自分の台本を覚えることで精一杯だ。
- 近所のおじいさんは山登りが得意だった。しかし、焼きが回ったのか、先日転んで骨折をしたらしい。
①・②・③の例文はいずれも、「年を取ったせいで、能力が落ちた」という意味で「焼きが回る」を使っています。
「焼きが回る」の由来
「焼きが回る」は、刀を作るときの作業が由来です。
「焼きが回る」の「焼き」は、刀を作る工程の1つである「焼き入れ」という作業のことを指します。「焼き入れ」とは、刃を火で熱することです。「焼き入れ」を行うことで、刃が強くなり切れ味が良くなります。
しかしながら、刃に火を入れすぎてしまうと、逆に刃の強度が弱くなってしまいます。刃に火が通り過ぎた状態を、年を取った状態にたとえたのが、「焼きが回る」ということわざです。
「焼きが回る」の類義語
「焼きが回る」には以下のような類義語があります。
- 刃金(はがね)が棟(むね)へ回る:「焼きが回る」と同じ意味
棟とは、刀の刃とは反対側の部分のことです。
「焼きが回る」の英語訳
「焼きが回る」を英語に訳すと、次のような表現になります。
- To become decrepit
(年を取って弱る) - To become dull
(切れ味が悪くなる) - To go downhill
(衰退する)
まとめ
以上、この記事では「焼きが回る」について解説しました。
意味 | 年を取って、思考力や腕前が落ちること |
---|---|
由来 | 「焼き入れ」の作業で刃に火を通しすぎると、逆に刃が弱くなること |
類義語 | 刃金が棟へ回る |
英語訳 | To become decrepit(年を取って弱る) |
以前できたことができなくなると、悲しい気持ちになるかもしれません。しかし、年齢を重ねることで、前の自分なら不可能だったことが、今なら可能になっている場合もあるでしょう。
「焼きが回る」ことばかりに気を取られず、ポジティブに生きていきましょう。