「業種」と「職種」という言葉を聞いたことがありますでしょうか。
言葉の響きが似ているので同じような意味なのかと思っている方がいらっしゃるかもしれませんが、この2つの言葉が持つ意味は大きく異なっています。
この記事ではそんな、今更聞けない「業種」と「職種」の違いのついて詳しく解説していきます。
結論:会社全体が取り組んでいる事業か、個人がする仕事かの違い
それに対し、個人が取り組んでいる仕事の種類を指すのが「職種」という言葉です。
「業種」についてもっと詳しく
「業種」とは、会社全体が取り組んでいる事業の種類のことを指す言葉です。「あなたの経験業種はなんでしょうか」と聞かれたときに答えるべきことは自身が所属していた会社が取り組んでいた事業内容です。例えば、その会社が農業関係の事業をしていたなら、「農業です」と答えるのが適切です。
この時に、その「農業」の会社で自分個人がどんな仕事をしていたかは関係ありません。自分個人としてしていた仕事が「事務職」で全く「農業」と直接的な関わりがなかったとしても、「あなたの経験業種はなんでしょうか」と聞かれたときの適切な答えは「農業です」ということになります。
そしてこの業種は、総務省が作成した「日本標準産業分類」によって組み分けが行われています。その中で大きく分類されたものを「産業」、そこから更に細かく分類を行ったものを「業種」と呼びます。
例えば、「製造業」の中の「食品製造業」や、「建設業」の中の「土木工事業」、「金融・広告業」の中の「広告・あっせん業」といったふうに分類されており、また、これよりもさらに細かい分類も存在します。
「職種」についてもっと詳しく
「職種」とは、所属している会社がどのような事業をしているかには関係なく、個人が取り組んでいる仕事の種類のことを指します。「あなたの経験職種はなんでしょうか」と聞かれたときに答えるべきことは、自分が取り組んでいた仕事の種類です。
例えば、自分が担当していた仕事が「事務職」であるならば、その会社全体の事業が「農業」であったとしても、「あなたの経験職種はなんでしょうか」という問いには「事務職です」と答えるのが適切ということです。
そしてこの「職種」も「業種」と同様に総務省が作成した「日本標準職業分類」によって組み分けがなされています。その分類の中で一番大きいものを「大分類」と呼びます。
そして、この「大分類」は12種類の「職種」によって構成されています。
- 事務職
- 販売職
- 専門的・技術的職
- 生産工程職
- サービス業
- 保安職
- 建設・採掘職
- 輸送・機械運転職
- 運搬・清掃・包装等職
- 農林漁業職
- 管理職
- 分類不能
この12種類の大分類の下にそれよりも細かい、中分類、小分類、細分類と順番に存在しています。例えば、大分類「農林漁業職」の中の中分類「農業」、中分類「農業」の中の小分類「○○」といったふうにどんどんと細分化がなされていきます。
現在では350種類以上の職業の分類が存在しています。
まとめ
以上、この記事では「業種」と「職種」の違いについて詳しく解説しました。
- 業種:会社全体が取り組んでいる事業の種類のこと
- 職種:個人が取り組んでいる仕事の種類のこと
「業種」と「職種」、言葉の響きは似ていますがそれらの言葉が指すものは全く異なります。
しっかりと言葉の意味を理解し、正しく使い分けていきましょう。